翔潤区分ですが、潤翔です(>_<)
今後、BL的表現かなりあり。これは素人自己満足のために書く妄想小説です!!実際のものとは一切関係がありません汗。
大丈夫な方のみ、前へお進みくださいm(_ _)m

 

 

 

 

 

 

初めましての方はこちら。

 

 

 

 

 

 

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二宮さんはすることが決まればとにかく行動が早かった。

 

(この部屋の鍵を貸してもらえます?)

 

言われた俺が差し出した智くんの部屋の合鍵を手に取ると、彼は『戸締まりをしておく』と言ってくれた。

 


(今日はこのままもう寝てくれていいです。明日俺が迎えに来るまで念のため安静にしていてくださいね。寝ててもいいです。俺が起こしますから)

(二宮さん……)

(匂い対策ですが、さすがに布団は持っていけないので、マスクとアロマスプレーみたいなのがあった方がいいですかね?何か好きな匂いはありますか?明日迎えに来るまでに用意しておきます)

(…………)



その後も会場へのルートを説明して、俺の意見を聞きながら微調整してくれたり、明日持って行くリュックや着替えの準備も代わりにしてくれたり。

本当に痒いところに手が届くというか。

智くんとはまた少し違うけど、至れり尽くせりで。

俺が申し訳無さそうにしていると。


(とにかく翔さんは本番のことを考えてください)


そう言って二宮さんは励ましてくれて……俺はどれだけ安心したか分からない。



 

……潤からかかってきた電話の対応は、とかく面倒そうなものだったのに。



そう言えば、話を詰めている時も時々二宮さんのスマホが鳴っていて、その度俺は受話器の向こうの潤にビクついていた。

それに気づいた二宮さんは。

 

(要件はこまめにせず一気にどうぞ。何ならメッセージでも結構です。むしろその方がいいです。俺こう見えて忙しいんですよ……あなたの見ていないところでも)

 

俺にウインクしながらそう言ってた。

その後少し口論になっていたけど、そこからは電話の頻度が減った気がする。

本当に二宮さんは不思議な人だ。

俺にこんなに優しいのに、あいつにはこんなに辛辣で。

正直側から見たらどっちのマネージャーだって思う。

 

 

でもそのおかげで、俺は助かってる。

感謝しかなかった。

こうやって全面的に俺への協力を買って出てくれた二宮さんに応えたいと強く思った。




3年ぶりの大舞台。

もちろん、不安しかない。

3週間みっちり練習したけど、自分が納得出来たものはたったの一回。

最後の練習は二日前。

……それがどれほどの影響を及ぼしているかもわからない。



それに、雨は……怖い。

今でもヘッドホンを外して、布団から出たら……俺は瞬く間に蹲る自信がある。


それぐらい、俺にとってあの日を呼び起こす雨は……恐ろしい以外の何者でもない。




だけど……潤にこれからの人生をずっと振り回されるのはもう……嫌だ。



(翔は俺から……ダンスから逃げてるだけじゃん)


……もう絶対……そんなこと言わせない。

 

「……これ以上、負けない……」

 

 絶対に。





 そこへタイミングよく耳に流れてきた曲。

俺は腕を伸ばして、CDプレーヤーを操作した。

ずっとアルバム全体をリピートしていたのを、その曲一曲だけのエンドレスリピートに切り替える。



曲名は『Tanguera』……俺と智くんが踊る曲だ。

布団に包まって、目を瞑って、曲に集中する。

最後の練習の……あの感覚を何度も何度もイメージした。

集中力を高めることが俺に今出来る唯一のことだったから。

 

 


そうしてどれぐらいの時間が経ったのか。


遠くの方で、インターホンが鳴った気がして、布団を少し捲った。

智くんはインターホンを鳴らさない。

だからこれは。


「お待たせしました、翔さん」


想像したとおり、ガチャという音とともに、二宮さんが玄関に現れた。

俺が布団の中から様子を伺っていることに気づくと、すぐさま駆け寄ってきてくれる。


「気分はどうですか」

「……思ったよりは……大丈夫です」

「それはよかった」


二宮さんが安心したように笑った。

彼のサポートで、布団からゆっくり起き上がった俺は、彼の手に昨日と同じようにポリ袋が提げられていることに気づいた。


「さすがに何か食べておかないと、体力が持ちませんから」


そう言って二宮さんが取り出したのはおにぎりとお茶。

昨日の晩に食事をしてからそういえば一切食べていなかった。


雨の日は飲食を完全に放棄してしまう俺だけど、何も食べないままいいパフォーマンスが出来るほど、タンゴは甘くない。

俺はそれを素直に受け取って、食べ始めた。

それを確認して、二宮さんは続ける。


「少し道が混んでいました。やはり、あまり練習の時間は取れないと思います」

「………はい」


その覚悟は……もう出来ているから。

俺は彼の目を見て頷いた。


「用意が出来たら昨日話したとおりに会場に向かいます。何度も言いますが、無理は禁物ですよ」

「はい」




そうして身支度を整えると、時刻は……4時半。

本番は6時。

カウントダウンはもう始まっている。

大きく深呼吸した。



今、俺の耳にはヘッドホン。

鼻と口にはアロマスプレーをかけたマスク。

絶対濡れないようにと重ね着したレインコート。

二宮さんが考えてくれた雨対策だ。

でも。


「……!」


玄関の扉が開かれて、思わず息を詰める。

雨の中に飛び込むのは……実に3年ぶりだから。

これだけの武装をしていても、玄関から一歩出た途端に足が竦んでしまう自分に嫌気がさした。

二宮さんが心配そうに俺を振り返る。


「……翔さん、大丈夫ですか?」

「……っ……大丈夫です………」



本当は全く大丈夫じゃない。

それはきっと二宮さんにもバレているだろう。

それでも俺は、今更止まれない。



ぎゅっと、二宮さんの袖を握りしめた。

驚いて目を見開く彼に、声が震えるのを懸命に堪えながら、はっきり言った。


「二宮さん、俺を連れてってください。智くんの所へ……!」




あいつが自分から出ていってくれないなら。

俺が自分で、追い出す。


俺は……そう決めたんだ。








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ってことで、一年がかりでようやく本番です💦

Side Jと大ちゃんサイドのZero-Gを少し差し込みたいなと思います、ハイ。


で、落ち着いたらニノちゃんサイドを始めたいなーと思います(*´σー`)エヘヘ ずーっと温めてる物があるので笑。



……まぁ今週、暇がないんですが(´Д⊂グスン