「ブラックコーヒー」
今、コーヒーに嵌まっています。
世の中コロナ禍で家の中で過ごす時間が増したこともあり、コーヒーを飲む機会が多くなりました。
一日数杯のコーヒーは、健康に良いという耳学問もコーヒーに嵌まった理由のひとつです。
私は、ペーパードリップ派です。
淹れ方も工夫しています。
もちろんプロのバリスタのようにはいきませんが、豆選び、挽き方、蒸す時間、温度と一連の動作を楽しんでいます。
―来春には、お寺で本物のバリスタの方とコーヒー談義が出来ることを楽しみにいています―
最近、高性能な電動ミルを奢ってしまいました。喫茶店にある蒸気機関車のような形をした物です。クラシカルな造りと淡い青緑の色合いも大変気に入っています。これで挽く豆は香りも格別です。
コーヒーとの出会いは、幼年期に遡ります。父がパーコレーターで淹れたコーヒーの泡がガラスの蓋の中でポコポコと音を立てて弾けるのを見て喜び、家中に充満するコーヒーの香りを嗅ぎ、子供心に大変リッチな気持ちになったことを覚えています。
その後、学生時代に講義の合間、オーケストラ部の練習終了後に仲間と名曲喫茶やジャズ喫茶に繰り出し演奏方法や将来の夢を語り合いました。一杯のコーヒーで数時間も粘ったこともありました。
壮大なシンフォニー、唸るサックス、リズムを刻むドラム、ハスキーなジャズ女性ボーカルに聴き入った時代から今は、ドビッシーやサティのピアノの小品、しっとりしたジャズ女性ボーカルの曲を聴きながらブラックコーヒーを飲んでいます。
題の「ブラックコーヒー」は、往年のジャズ女性ボーカリスト、ペギー・リーのヒット曲から採りました。
音楽とコーヒーのある暮らし、
「たる事を
知りたる程の
たのしみは
人の中にも
少なかりけり」
の御教歌を心に留め、果報負けしない暮らしを自らに言い聞かせて、そろそろ筆を置きたいと思います。
令和5年11月5日記す