満月に沙羅双樹の下で 涅槃会のお話 | お寺と神仏のほどけるはなし

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成田山八王子分院 傳法院にて、護摩祈祷とよろず相談をしている真言密教の尼僧です。仏教はあなたの中の「きまりをゆるめる」宗教。そのお手伝いをしています。

涅槃図には満月が描かれますが、

おしゃか様が亡くなられたときは2月の満月の夜。

 

そこから、亡くなられた日は15日ではないか?となったそう。

 

旧暦では満月というとだいたい15日だったため、おしゃか様の亡くなられた日を2月15日と定め、この日に涅槃会を催す事になったのですね。

 

 

旧暦2/15に当たる日に開催するお寺もありますね。

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そして、

周りに生えている木は沙羅双樹。

二本の沙羅の木の元に寝床を作ってくれと、弟子のアーナンダに命じてそこへ横たわるわけです。

 

アーナンダは、

「こんな動物しかいないさびれたところで死んじゃいけない、

もっとふさわしいところへ行きましょう」なんて言うわけなのですが、

 

 

おしゃか様は

「そんなこと言うもんじゃない、

誰だって都合よく今を変えられないのだよ。

ここはふさわしい場所だ」

とたしなめるのですよ。

 

それほどもう、体がしんどくてぎりぎりな状態だったのでしょうね。

 

 

 

 

沙羅双樹は2本だった、とか

2本の木が向かい合わせに計4本あった、とか

2本ずつ四方にあった、とか、いろいろな説があるよう。

 

半分は枯れて釈迦の死を悲しみ、

半分は栄えて釈迦の行いを讃え、教えの続くことを喜びました。

 

季節外れの花が咲き、おしゃか様の体に舞い落ちます。

 

動物も爬虫類も虫もブッダの死を感じて集まり、植物までも、悲しんだのですね。

そして、天界からは神々まで降りてきて、ブッダの死を嘆き悲しみます。