死んだらどうなるの? | お寺と神仏のほどけるはなし

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成田山八王子分院 傳法院にて、護摩祈祷とよろず相談をしている真言密教の尼僧です。仏教はあなたの中の「きまりをゆるめる」宗教。そのお手伝いをしています。

妙彩です


昨日はこのあたり、大雨が降りまして、警報も出ましたが、皆さま大丈夫でしたか?

濡れるのは嫌ですが、雨上がりの街はなかなか良いものですね。



さて、1年間の基本的な修行をしていた頃の話です。

「遺書を書く」宿題が、事前に出題された授業がありました。

書いてみて、なかなか良い感じの「子どもへの手紙」ができたので、これは毎年書きたいな~と思ったのを覚えています。

その後、すっかり忘れて、遺書は書いてませんが...。



その授業では、班に分かれて意見交換したのですが、内容は、

1、魂は存在すると思うか?しないと思うか?
  その理由は?

2、死んだらどこへいくか?
  a、輪廻する?どこかへいく?
  b、どこにも行かない?消えてなくなる?
  その理由は?


という2つのテーマで意見を出しあい、取りまとめて発表するというものでした。

結果は、驚くべきことに、9割以上の人たちが、

「魂は存在しない」
「死んだら消えてなくなる。死後、輪廻はない」


と考えていたこと!

この人たち、ほんとにお坊さん!?

死んだら「無」になるって思ってて、よく初七日の法要とか、お彼岸の法要とか、お墓参りとかするね?
というか、その前に、
仏前に手を合わせてるのも、格好だけ?
お経読んでるのも、形だけ?

お寺に生まれ育ってるのに、
あるいは、お坊さんになろうと思ってるのに、「死んだらそれまでヨ」と思ってるなんて、、、。

一体、どうなっちゃってるの??

・・・というのが私の感想でした。

私は小さい頃から輪廻とか死後の世界の話とかが好きで、
テレビの心霊番組もよく見てたし、学研ムーも愛読してました。
なので、死んだらそれまで、消えてなくなっちゃうとは、到底考えられないのです。

まあ、でも、先代住職は、霊や死後の世界は無いって言ってましたね~(^_^;)。


でも魂がないって、、、

じゃ、あなたは一体、どうやって構成されてるの?
と思ってしまうんですが。
みなさん、どう思われますか?

あって当然、議論するまでもない。
だって『感じる』でしょう?

と私は思ったのですが、そういうのは少数派。
まるで相手にされないのでした。

毎年こんな風なのか...?
死後などない、が当たり前といった多数派意見の中で、私の考えを押し通すべきではないのか、と考えた末、
先生が持っていきたい結論はこうかな?と思いつきました。


それは、

魂や輪廻があるかどうかは、証明できないので、ここにこだわる必要はない。
あってもなくても、要は生きてる人、残された人たちが納得し、心安らげばよい。
そのためにお坊さんがいて、法要したり、お仏壇まつったり、お墓参り、供養をするのだ。


と。

焦点を当てるべきは生きてる檀家さんの気持ち。

とね。
そういう話が出てくるんじゃないかな?
そういうことに、先生は気付かせたかったんじゃないかな?

って思いついたんです(優等生過ぎる考え、つまらないですね、全く)

で、お昼休みを挟んで午後の授業。
私たちそれぞれの考えを発表した後に、先生が話をしてくださったのですが、
これが嬉しい方に裏切られてしまったのです...。



続きは次回