前回からの続き

今回の旅行は私も行ってみたい所にした
両親のための付き合いじゃなくて
自分もここへ行ってみたいと思う場所にした

県内なので普段宿泊するということはないが
行って帰るくらいであまりじっくり行った事のない場所にした

そこは以前の職場で上司だった方が
住んでいる町でもある
その方は毎日車で通っていた

そう、私にとっては遠い観光地だったので
心底驚いた
通勤圏内の場所とはとても思えなかった

その方はやはりお母さまの介護で
実家で同居して
だから実家を出られないというか
実家に戻ったようだった

お一人で仕事もお母さまの介護もされていた

お母さまは昨年亡くなったとの事だったが
そのままご実家で暮らされている
そして昨年からだったか
職場もご自宅の近所に異動になったとの事だった
今でもそこで働いておられるのかはわからなかったが
そこに暮らしておられることは確かだった

そして同じ町内に私の中学時代の友達も住んでいる

このブログに書いたSちゃんだ

Sちゃんにもこの時以来会っていない

1日目、観光地から
「今ここにきているよ」とLINEしてみた
まあ当日にそう言われてもどうしようもないだろうとは思ったが
「あなたの街にきています」という連絡だけはしたかったので、連絡した

そう、あまりあれこれ考えないようにしようとは
50代になってから意識するようにしている

相手のあることは特になかなかできないタイプなので
あれこれ考えて何もできないより
深刻なことじゃなければ
したいことはしてみようと

まあそれで失敗することもあるんだけど
それでも「やっておけばよかったな」という思いはしなくて済んでいるんだから
してよかったと思っている(思うようにしている?)

こっちも連絡して満足して
旅行だし、勝手だけど返事は気にしていなかった

お風呂に入って
夕飯のビュッフェでたまたまLINEを見たら
さっき連絡した場所はその子の職場のすぐ近くなんだそうだ

「もう帰っちゃったよね」って
「一泊する」「明日は休み?」って聞いたら
明日は休みなんだけど車検だから
なんと「今から行く」と!!

それでなんと夜に私の宿泊先まで
わざわざ会いにきてくれた

思えばあの前述のブログで書いた時も
私の実家までわざわざ来てくれたんだった

もし両親と一緒だったら
絶対この子に連絡なんてしてないし
両親が来なくてよかったなんて言えないけど
そういう流れで会えたんだなとしみじみ思った

それでこの子と話してたら
なんだか二人ともじーんとしてしまった

 

この子は転職したばかりで

「どこへ行ってもなんだか同じことの繰り返しなんだよね。

 前の職場の人にそう言ったら

 私に言ったっていうか、ちょっと視線をそらしてぼそっと

 『そんなもんだよ』って。

 みんなそんなもんなのかな」って。

 

「みんなもそうかはわからないけど

 私も同じこと考えてた。

 社員で働いてたときも、パートになっても

 会社を変えても、今度こそって思っても

 いつも同じことの繰り返しで」って。

 

Sちゃんが

「なんであの頃はあんなに楽しかったんだろうね」って言うから

「楽しかったことばかりじゃないけど、辛いこともあったけど

 今思うと楽しかったことが印象に残ってるんじゃない?」と答えたら

「辛いことなんてあった?」って。

「先輩が理不尽なしごきみたいのしてきたことがあって

 なんで突然そんなことされなきゃいけないのかと思ってたら

 代々やってきたことで自分たちもされたからとか言ってきて。

 あのときは本当に腹立ってさ。

 でもS子(Sちゃんじゃない当時の部長)が言ったんだよ。

 『こんなのもう私たちの代でやめよう』って。

 同い年なのにさ、あんな風に言えたS子を心から尊敬したよ。

 私はただとにかく腹立ってただけだったのにさ

 S子は本当にすごいよ」

「ああ、その話、ゆうちゃん前もしてたよね。

 ゆうちゃんはそうやって人の良い所を掬い上げてくれるよね」って

 

夢の職場の話も覚えるって。

なんだか昨日の露天風呂といい
また心にしみる言葉をもらった

翌日は予報通りの雨だったけど

(それもかなりの大雨)
Sちゃんに教えてもらった
出来たばかりの道の駅に寄って
夫が予定していた神社に寄って帰った

たった一泊だったけど
良い旅だったなーと
つくづく思える旅だった