前回の実家での父の暴言がどうしても許せず
あのシーンを思い出す度に涙がこみあげてくる。

悔しい、向こうは何も考えずに
「老人ホームの候補いくつか見繕って」とか
「生涯でいくらかかるか概算でいいから出して」とか
それを調べるのがどんなに大変か全くわかっていない

親は薄いパンフレットをさらっと見るだけだから
重要なことはなにもわかっていない

もし本当に入居する事になって
「こんなはずじゃなかった」って
高額な一時入居金を払った後に
確認不足が判明するという話も聞く

だからこそ、私しかそれを確認する人がいないし、
見学に行った時も
何を聞くのか、どこを見るのか
それも事前に色々調べた上で行っているのに

ここへ来てまた思い付きで
自宅の近くのホームに入るとか言い出すから
もう本当にうんざりしてしまった

ここまで候補を絞るのに
こっちがどれだけ神経使ってリストアップしたと思ってるんだ

また新たな候補を調べるのもうんざりだけど
自宅に居たいならわかるから
うん、誰だって本当は死ぬまで自宅に居たいだろう
それはよくわかるから

それならと出来るだけの支援はしているけど
自宅の近くのホームになんか入られたって
誰が面倒を見るの?
しょっちゅう呼び出しがあったら
誰が対応するの?

自宅の近くならよく知ってるしって
ホームに入ったらもうそこから出ないだろう

自分の実家が近くたって
親戚が近くにいたって
誰も何もしてくれるわけないのに

フラッシュバックみたいにあの父の罵声を思い出すと
悔しくて泣けてくる

「情けない」って何度言われた?
「なんだその顔は」
「なんだその態度は」

仕事中は考えないようにしようとしても
ふっと浮かんでくると
反射的に涙が浮かぶ

昨日は社員に少しぐちってしまった

その人は私より5歳くらいかな、少し年下なんだけど

私「ご両親はお元気なんですか?」
社員「うちは両親とももう亡くなっているんです」
私「え、まだお若いですよね」
社員「母ちゃんは60代で、父ちゃんは70代で。
   父ちゃんの母(ばあちゃん)は96歳まで生きたから
   父ちゃんも長生きするよと言ってたんだけど
   がんの末期で、病気がわかってから
   1ヶ月であっという間。
   だから今は兄妹3人で一緒に住んでる」
私「え!そうなんですか?仲いいんですね」
社員「良くないですよ!金かかるから一緒に住んでるだけで
   話もしないですよ」
私「仲いいですよ。私、妹と一緒に暮らすなんて考えられない」
社員「妹と仲悪いんだ」
私「仲悪いっていうか、年も離れてるし
  あまり関わったことがない。
  親の事も子育てが大変だからって我関せずだし
  親も妹は子育てが大変だからお前に面倒見てもらいたいって。
  妹は年に1回位孫を連れていけば
  じいじもばあばもご満悦だから、それだけしてればいいと思ってるし」
社員「ごたごたしてるね」
私「愚痴ってすみません」
社員「愚痴聞くくらいいいですよ」

能登の地震で被災された方が
そんな大変な中
「会社に行くのは息抜きになる」とおっしゃっていた方がいると聞いて
「会社が息抜きになる人もいるんだな」と思ったけど
初めて、息抜きじゃないけど
関係ない人にちょっと話聞いてもらうって
すごくガス抜きにはなるなって思った

家に居たらきっと何度も何度も
そう、思い出したくもないことって
なんでこんなにわざわざ浮かんでくるんだろう

認知症の親に
「なんでそんなこともできないの」
「しっかりしてよ」
って子供だからこそ
しっかりしていた頃の親に戻ってもらいたくなってしまって
言ってはいけないのに言ってしまうと聞く

怒られた親はもう何も言わなくなるんだとか
でもされて嫌だったこと
相手の言い方や表情は覚えていると聞いて
「めんどくさいなー」と思ったけど

きっと父もそうなんだろう
私が父の毎回の数時間にも及ぶ独演会にうんざりしていること、
思い付きでこちらを振り回すこと(自覚はないだろうけど)
私もかなりいらいらしていたことは確かだ

私の態度も顔も話し方も
きっと深く記憶に刻まれて
してもらったことや
楽しかったことは全部忘れているんだろう

 

けどこれって全部そのまま自分の事だよね

これまで親にしてもらったことは全部忘れて

されて嫌だったこと
相手の言い方や表情は覚えているってことだもん

尽くしてきたこと、
その場で楽しそうに機嫌よくしていてくれたこと
これもよく聞くけど
「これもすぐ忘れちゃうんだろうな」と思っても
毎日気がふさいでいるより
すぐ忘れてしまったって
今、この瞬間楽しんでくれればいい
ずっとそう思ってやってきた

覚えていて欲しいとは望んでない
そうなんだよね
だから私も矛盾してるんだ

夫に
「でも何度思い出しても悔しくて泣けてくる
 私が毎日どれだけお父さんとお母さんが幸せに暮らせるようにとだけ
 考えて暮らしてるかなんて全然わかってないんだ」
って言ったら

「俺は毎日見てるからね、知ってるよ」
と言ってくれた

親と和解できる気はしないけど
夫は「喧嘩できるだけいいよ」って

毎年贈っていたバレンタインのチョコも
今は贈りたくない気分だ

ついでに母の誕生日も
今年は何もしたくなくなってしまう

夫は「お母さん巻き添え」って言うけど
母も私に「言い過ぎだ」って言ったんだから
同罪だよと答えた

本当は両親だって
私と夫の幸せを考えてくれてる
わかってる

親が子を思うように
こっちだって
父と母が少しでも幸せに暮らせるように
色々考えたり、調べたり
市役所に相談に行ったり
来月は申し込んでいた公民館のセミナーに当選したので
行ってくる

本当は両親の幸せを一番にと思ってるから
両親の望みを一番尊重できるようにと
あれこれこんなに神経すり減らしてまで尽くしてるのにな

あー「『のに』がつくと愚痴がでる」って相田みつをさんの言葉にあったなぁ

本当はお互い思いやってるってわかってるのに
なんでこうなっちゃうのかな

本当悲しい