50歳頃というのは、
どう考えても今まで生きてきたより
残りの時間の方が短い

残りの人生どう生きたいかってことを
やや深刻に考え出す年齢だと思う

また考えたくなくても
社員で働いていれば
次のライフプランを考えてくださいと
考えざるを得ない状況に追い込まれたりもする

私が社員で働いていたのは48歳までだけど
当時50歳以上の社員が集められて
何やら「研修」があり
その研修から戻ってきた人たちが酷く憤慨していた

まるで縁のなかった知らない会社に吸収合併され
「俺らは転職したんだ」って
旧会社の労働組合の集まりの時
そう言ってた人が居たのが
強く印象に残っている

「前の会社はこうじゃなかった」
そんなこと言ったってしょうがない
「俺らは転職したんだ」って

本当にそういう気持ちでいないと
働き続けていくことはできないだろうなと思った

「残るも地獄、去るも地獄」と言ってた人もいた
それもそうだなと思った

夫は私が勤めていた会社とは全然業界も違う
無関係な会社に勤めているけど
私と同い年なので
今まさにそういう時期だ

夫曰く「黄昏研修」と言うものに呼び出され
詳しくは話してくれないけど
私が48歳の時に行われていた研修と同じようなことを
やっているようだった

同期で入って
最初は横並びで楽しく付き合っていた人たちも
この頃には随分と立場も色々になっていて
社内ではとても同期とは言い出せない位
遠くに行ってしまう人もいる
会社を去る人もいる
自分の意志で去る人もいれば
突然会社から打診を受け
それを受けたらもう
会社が用意したベルトコンベアに乗って
去っていくよりほかない人もいる

2年前に自分が書いたブログを読み返してみた

たった2年足らずでまた就活することになるとは
たった2年前の自分でも全く予測していなかった

そして今回の就活中
読み返すことはなかったけど
この頃の自分の言葉を何度も頭の中では繰り返していた

「あの時は、48歳でギリギリ履歴書出して
 面接時にはもう49歳だったけど
 今回はもう履歴書出した時点で51歳だな」とか

「今年の手帳にも
 少し先にどんな予定が入るのか
 全く予想がつかないな」とか

私の親は
「時期が悪すぎるから
 少しゆっくりして様子を見たら」なんて言ってくれていたけど

私としては
どんどん年は取っていくし
家にいる時間が長くなると
元々社会に出たい人ではないので
本当に心底社会に出ていくのが嫌になってしまうことも
わかっていた

それに今回は何よりも
早く働かなくては
夫に悪いと思った

夫は51歳で
全く未知の業務に配置換えされた

夫は仕事のことは本当に全然話してくれないのだけど
異動も急に言われ
異動したものの、そこは仮の部署で
その後またどこかへ配置されるという
これまた私が社員末期だった頃
私の会社で見たのと同じ光景だった

そこへ置かれた人の気持ち

後から思えば
何回かに分けて行われた合理化
最初に狙い撃ちされた部署ではなかったから
辛うじて対象ではなかったけど

前の会社では結構バリバリだった人が
合併後、そんな部署へ置かれ
結局その部署に一旦置かれたら
自主退社するベルトコンベアに乗るということなんだと
段々とわかってきた

夫の会社ではどういう風に見られているのかわからないけど
私も覚悟した
そういうことになっても
不思議はないと

幸い(?)夫は退職を言い渡されることはなかったが
夫曰く「転職したみたい」と言う位
業務内容も全く初めての事のようだ

どんなに不安だったろう

私には言わないけど

私も雇止めにあって
就活中だったし
お互い余裕はなかった

私が熱心に就活するのは
2年前もそうだったけど
「決まらない」という状態が一番ストレスだからだ

例え嫌な所だったとしても
決まった所で仕事をする方が
決まっていないよりはまだマシだと思っていた

就活したくないから
就職するという
なんとも後ろ向きな理由

少し前、夫の体中に湿疹が出た
私は帯状疱疹ではないかと思った

早く病院に行くように言ったが
なかなか休みも取れず
なんとか内科には行ったのだが
予想通り「皮膚科に行ってくださいね」と言われたそうで
漢方薬をもらってきた

そんなものではまず期待できないと思ったが
案の定全く良くなる気配もなく
その後はドラッグストアで相談して塗薬を買って来たそうだが
2本使ってもまだ良くならず
今日やっと皮膚科に行ってきた

内科で「帯状疱疹ならもう手遅れだが、湿疹だろう」と
言われたそうで

でも多分、これはストレスだと思う

私は社員で働いていた頃、
毎日会社に行くのが嫌で嫌で
とにかく早く60歳になりたいとばかり思っていた

周りの人が「1年があっと言う間だねー」というのを
「ちっとも。60歳まであと何十年働かなくてはいけないかと思うと
 やっとその内の1年が終わった」って
カレンダーに毎日×をつけていくような気持で
まさに毎日をやり過ごしていた

今では60歳どころか
一生働かなくてはいけないような時代だ

それでメンタル不調で休職して
その時も会社に戻るよう夫に言われたんだ

「社員は守られているよ
 一度そのレールから外れたら
 あとは転げ落ちるだけだ」って。

結局会社に戻って
それから2年後位だったかな
私もあのベルトコンベアに乗ったんだ

夫もそう思って食いしばって頑張っているのだろう

体中に湿疹を出して
51歳で新しいことを沢山勉強して

私も来週から見知らぬ場所で働き始める

夫に
「今は心に余裕があるから優しくできるけど
 きっと働き出したら余裕がなくなって
 優しくできないと思う
 『優しくないな』と思ったら
 『余裕がないんだな』と思ってね」
と言っておいた

これからは益々
お互いが支え合わなければいけなくなるんだろう

本当はこんな風に
体中に湿疹作らせるようなことは
させたくないけど

無理せず
頑張らず
その人らしく
生きていけたらいいのに

人は皆、適材なんだから
あとは適所に行けばいいだけ

そう言ったのは小林正観先生だったかな

時代がものすごい速さで変わっているのは
肌で感じる

そんな時代が来ますようにと

いや、覚悟さえあれば
そういう生き方をしてもいいんだと
思ったりもする

生き方は自分で選べるんだ