④妊娠・・・? | じりじり『人生こんなもの』

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じりじりジィの『自叙伝』? 青春から壮春へ! くたばる前に? 書き留めて置きたい色々!!!じりじぃ鄕?になる前に・・・えぇ加減な奴が、えぇ加減に生きて来た? えぇ頃加減な雑記帳です!笑い飛ばしながら、読んでください
精精精



ワンル-ムマンション風の寮は三階建で南向き、電話とエアコン給湯器付きで二人分のベッドが有るが今は一人部屋として使用、エアコン温風は真下だけが暖かく動けば寒くて布団に潜伏?

二ツのベッドを並べてダブルにしたのは此の12月頃からだろうか。

調達したのはテレビと洗濯機、冷蔵庫とガスコンロ、ラーメン鍋とフライパン、掃除機とビデオデッキ、それから旧式のステレオ、全てリサイクル品。寝具も食器も欲しい物は大体手に入る、仕事がらの役得である。ただ入手出来ないのが一つだけ、嫁だけだった。


訳有って借金地獄の伸二は恋人や友達等の付き合い関係を避けて来た。

給料から毎月の支払いを済ませたら遊べる金など無い事を充分承知の彼は、地獄を貫く積もりでいたからだった。

訳と言うのを講釈すると長くなりそうなので、それは又後日談として、要約すれば女絡みで騙された?哀れで情けない借金が基・・・。此処にも又、伸二の辛い?半生があったのだ。

騙す人より騙される人で良い!、彼の言い訳である。このお人よしが彼の借金を招いたと言っても過言では無い。



話を戻す、
ダブルのベッドが淋しくなった。早紀の残り香が有りそうで、無かった・・・
幸い大晦日の夜は同級生の友人夫婦がホテルに宿泊してて、ナイトパブで久しぶりに飲んで歌った。

帰って寝る頃には早紀からの電話があり、伸二はそのまま楽しい睡眠で年明けを迎えた、彼の寝顔は幸せそうだった。


一方、楽しく無いのは早紀の方だった。

三が日は何とか過ごしたものの、純子は来るわ相変わらず文太の膳ぐり返しは有るわ、南君には連絡取れないわでイライラの正月。
膳ぐり返しとは星一徹?張りの食卓ひっくり返しの親父暴動である。


四日の深夜の電話で、早紀は伸二に家に居たくないから迎えに来て!とせがんだ。

純子や早紀から頼まれて何度か故郷の実家まで送迎した事があったから、家の近くまで迎えに行き又早紀を寮室へ連れて来た伸二。


ホテルの勤務は早番、中番、遅番が有り、この日は遅番勤務。午前零時とは言え、まだ帰って来たばかりで焼酎も口にしていなかったから速攻の行動だった、
そして再び、早紀を抱いた・・・。

一度だけ関係するも、二度関係するも、否、一度関係したからこそ二度三度と滑り落ちて行くものである。


早紀は寮室の引っ越しも引き渡しもまだそのままで、何だかんだの理由を付けては寮室に居座り、かと言ってホテルで働く素振りも無かった。

高校を中退し?
行き場所を無くした早紀、南君とも逢いたい。
そんな中、早紀は南君との関係の後、又伸二との関係を持つ事が何度かあった。

彼女にとっては南と伸二の両方を共有する事で、最大の安らぎと成っていたのかも知れない。
幾ら南君に恋心を抱いても所詮は高校生、伸二は社会人で車も有るし何処へでも行ける。

或る意味自由に成った早紀には何方も痛し痒しなのかも知れない、

17歳の少女?から大人へ脱皮する、女のジレンマなのだろうか。

2月になってホテルからの苦情が有ったのか、父文太が早紀の引っ越しを強行した。
また早紀は親元へと帰って行った。


それでもやっぱり深夜になると早紀からの電話が伸二の元へと届く、例の如く酔って眠るまで話しをする。翌朝、受話器が外れたままと言うのは偶に有る事・・・


彼女は心配していた、伸二との初めての時避妊しなかった事を。妊娠してるかも知れない、あれ以来彼女の口癖だった。



つづく