おやおや、おやさい | 大人絵本のススメ

大人絵本のススメ

大人になっても絵本が大好き!

 

 

「おやおや、おやさい」

石津ちひろ 文 山村浩二 絵

福音館書店

 

 

個人的に印象が強く、最初に紹介したかったのがこの一冊。

おやさいマラソン大会でいろんな野菜たちが走るんですが、その言葉選びが絶妙。リズムがいいので頭に残りやすいんです。読み聞かせをしてても楽しい!!「ことば遊び」っていうんですかね。例えば、「にんきものの にんにく きんにく むきむき」とか。ダジャレとはちょっと違うのかな。山村浩二さんの絵もかわいいです。石津ちひろさんと山村浩二さんペアの作品はどれも癖になる面白さがありますよね。

 

 

 

この絵本との出会いは大学の授業でした。

当時、石津ちひろ先生がうちの大学に講義をしにきてくれてました。

私も半年間くらい先生の授業を取ってたんです。

先生の柔らかくてちょっとお茶目な雰囲気は、絵本にもしっかり出てます。それと先生は頭の回転がものすごく速いんですよね。お題を出されて、生徒たちが考えてる間に、先生の思いついた作品でホワイトボードが埋まっていく、、、みたいな。ちょっと置いてきぼり感を感じながら、負けないように頭をフル回転貸せていたのを思い出します。楽しかったなあ。。

わたしも頭を柔らかくしておかないと!

 

 

小さいころに出会う絵本ってほんとに大事だと思うんです。

衣・食・住ではないし、なくても生きていけるものだけど、心の畑があるとすれば「肥料」みたいなものだと思うんですよね。手間暇かけていろんな栄養素を吸収して豊かな感情が生まれるんだな、と感じます。

私自身、小さい頃に読んでもらった絵本は今でも鮮明に記憶に残ってますし、内容や絵だけじゃなくて、誰に読んでもらったか、どんな声色だったかとか、どんな場所で読んだとか、背景にあったいろいろなものと一緒に記憶されています。子どもでいる時間って大変だけど、過ぎてみると本当に短いですよね。膝に乗せて絵本を読み聞かせられる期間なんてあっという間だと思います。でも、その経験は大人になってもしっかりと覚えているんですよね。自分にその記憶がしっかりあるからこそ、絵本の世界の奥深さを感じます。