以前司法書士の方が書いていたのですが、ある公的な機関?は、抵当権の本登記が完了しないと融資を実行しないので、先に登記を完了させるのだが、登記原因は金銭消費貸借だとして、融資がなされていない以上、被担保債権たる返還債務が発生していない。付従性により抵当権も発生していないにもかかわらず、抵当権の本登記が完了できてしまうのは何故か?その司法書士の方は、取り敢えず、諾成的金銭消費貸借契約だからだと、半ば強引に理解している、といった内容を書いておられました。
その点につき個人的には、実体上の理屈としてはおかしいけれども、手続き上の便宜的取扱いとして認められているものだと考えます。本来、融資を停止条件とした2号仮登記しかできないはずが、便宜的に融資なくしていきなり本登記して差し支えないとの扱いなのでしょう。付従性の緩和というフレーズを用いて、手続き上の便宜的取扱いに合う様に実体上の理屈をねじ曲げるのは個人的には好きじゃありません。本末転倒な気がします。
或いは、前述の司法書士さんが書かれたように、日本語がおかしいものの、返還債務が引渡し前である契約締結時に発生したものと考える、それも1つですが、それにはその旨の特約が必要ではないでしょうか。(有効かどうかはおいといて)。原則は、引渡しをしなければ返還債務は発生しないと考えるのが普通でしょうから。そうすると、登記原因証明情報にはその特約を記載すべきだと考えるのが自然ですが、実務では恐らくその記載なしで登記できるんでしょうね。
一般的に諾成的消費貸借契約と言えば、引渡し前に発生するのは返還債務ではなく、貸す債務であるということも含め、諾成的消費貸借契約だからというのは、何かとやや無理のある考え方な気がします。
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