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アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ

旧『ベナンで活動する舞のもぐもぐブログ』 

2008年6月~2010年6月の2年間、青年海外協力隊として西アフリカのベナンという国で活動しました。

2012年8月から2014年5月まで、アメリカのブランダイス大学院(Brandeis University)で国際開発学を勉強しました。

モジュール2 (秋学期後半)に入って、経済の授業が始まっていた。
(Introduction to Economics for development practitioner)

その日、2008年に起こった 『米危機』 おにぎり について
あるポッドキャストを聴くことになった。

2008年に世界中のあちこちで米が不足し、
たった4ヶ月で米の値段は、1トンあたり300ドルから1200ドルになってしまったのだ。

※興味のある人は→『How Fear Drove World Rice Markets Insane』  (約5分、英語、文章付)

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元々のきっかけはインドらしいひらめき電球

1.インドが小麦よりも安い米を確保するために、インド米の輸出を禁止

2.インド米の輸出が無くなる→他の国が買える米が少なくなる→米の値段が上がる

3.他の国も米の輸出を制限するようになる + 人々が米を買いだめする 
  =米の値段がさらに上がる  の悪循環へリサイクル

4.フィリピンのような米の輸入国の場合。
  パニックになった政府が 「あまり米を食べるな」 と発表。
  すると人々はさらにパニックになって米をもっと買いだめし、米の値段が上がる
  さらに政府の汚職で、とある国営企業から
  税金を使って高い米を大量に買う→ 米の値段が上がる
  フィリピンのパニックはアジアへ拡大。

もともと世界に十分な米はあったのに・・パニックと自分勝手な行動のために
マーケットがうまく機能せず、米の値段がかなり上がってしまったガーン

5.こんな状況の中、なぜか日本には良質の150万トンの米おにぎり が余っていた。
  アメリカから輸入した米だ。
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なるほどなるほど~ φ(`д´)メモメモ・・・・・・・え!?目
急に日本が出てきたのでびっくりした。
40人近くいるクラスで日本人は私だけ。
日本、という単語が出てくるだけで何だか異様に気まづいガーン

授業中聴いたのは、同じ内容で20分くらいの違うやつだったと思う。
パーソナリティがおふざけ口調で
「でもさ、日本人、アメリカの米おいしくないって全然食べないんだぜ、ハッハッハッ」
というようなことを言ってたので、やめて~~~~!叫び と心の中で叫んでいた。

先生が、日本の農家と政府の関係についてみんなの前で聞いてきた。
大きなクラスで発言するのが実は初めてだった私は、2言3言発言するので精一杯。
みんなに一斉に注目されたので顔が真っ赤になってしまったリンゴ

休憩時間、ジンバブエ出身のクラスメイトが話しかけてきた。
「日本はアメリカから輸入して余った米をどうしてるんだ?」

「え?さ、さぁ・・?他の国にあげたりしてるのかもしれないけど、多くは捨ててるのかも」

「それだったらジンバブエに分けるべきだ。そうだろ?
俺が日本の政府に訴えるよ」


その日に限って料理する時間が無かったので、
持ってきた夕飯が米だけっていう。。おにぎり (-_- )汗
話題が話題だけに、みんなの前で食べづらくて結局食べそびれてしまった。
お腹がすいたのと恥ずかしかったのが混ざって、
後半の授業はほとんど頭に入らなかった。

しゅんしょぼん 、となって家に帰った私。
他のクラスメイト(アフリカ出身)とチャットをする。

「いや~、今日は本当に恥ずかしかった。
だってポッドキャストで何度もJapan, Japanて言うんだもん。」

「え、なんで?日本は何も悪いことしてないじゃん」

「でも、私達はアメリカの米を食べていないんだよ」

「マイ、ポッドキャストの言ってることちゃんと理解した?」

・・実は後半、集中できなくなって、ほとんど聴けていない汗

「もしアメリカの米を食べたくなかったら食べなくてもいいんだよ。
米の値段が上がったのはインドが原因だ。
日本は悪くない。むしろ解決に協力したんだよ。」

つまりこういうことだったらしい。

日本に米が余っていたのは、WTO(World Trade Organization: 世界貿易機関) の決まりで
アメリカから米を輸入しないといけなかったから。
買った米はアメリカの許可無しでは他の国に輸出できないのだ。
でも今回は緊急事態なので、特別に日本がフィリピンへ米を輸出できるようになった。
その発表が行われると、米の値段は一気に下がったーーーーー。


「だから、日本はジンバブエにも米を送れない。
日本に無理に米を買わせているのはアメリカだろ?
アメリカこそ、日本に米を買わせる代わりに、他の国に米をあげないといけないんじゃないの。
マイは気にせず毎日日本の米を食べていいんだよ、恥じる必要はどこにも無い」

「日本は素晴らしい国だ。日本人は優しいし、信頼できるし、何より誠実だ。
日本人であることをむしろ毎日誇りに思うべきだよ。
JICAにだってすごく感謝してる。貧しい人達にいいサービスを届けるために
真剣に、そして情熱的に働いている。
それから他の国と強い協力関係も築いている。
人々に無理強いは決してさせない。
日本のことが好きだし、心から尊敬してる。
だから君の素晴らしい国をいつか訪ねてみたいんだ」


・・・なんでか少し涙が出そうになった。
私は本当に何も知らない。
もっと世界のこと知らなくちゃいけないって、この時思った。


※先生がよかったおかげで、この経済の授業は本当に素晴らしかった。(秋学期の授業で一番!)
その授業の必読本がコチラ↓
2007-2008年に食糧の値段が急激に上がった8つの主な原因について。
『The Economics of Food』
本の要約はコチラ→ http://christopherteh.com/blog/2011/02/  (英語)
いつもの通り、グループワークをやっていると
メンバーの1人が 「この後、クラスメイト主催の
パーティーがあるんだけど一緒に行かない?」 と誘ってきた。

「う~ん・・行く!」 と答えたのは、
実は今日が私の誕生日ケーキ だったからだ。
特に予定も無かった私は、1人で寂しく過ごすのもなぁと思ったのだ。

サンクスギビングデイ (感謝祭) があと2週間くらいであるんだけど、
いち早くお祝いしてしまおう、というパーティーのようだ。

なので、行って見ると。。こんなおいしそうな七面鳥の肉がお出迎え☆

アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ-ブランダイス大学 サンクスギビングデイ

「この鳥知ってる?よくほら、学校にいるでしょ?」 と、クラスメイト。

え、学校にいるの!?目 と思ったら。。そういえば確かにいた↓(笑)

アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ-ブランダイス大学 七面鳥

このパーティーはどうやら持ち寄り (ポットラック) だったらしい。
私は急に来ることになったので、何も持っていかず本当に申し訳ない汗

アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ-ブランダイス大学 サンクスギビングデイ

一緒に行ったクラスメイトが 「今日はマイの誕生日なんだよ」 と
宣伝してくれたおかげで、ついでにみんなから 「おめでとー!」 と言ってもらえる。

アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ-ブランダイス大学 サンクスギビングデイ  アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ-ブランダイス大学 サンクスギビングデイ

そうか~みんなこういう所で交流を深めていたんだなぁ。
たまに誘われても、課題のことが心配で今まで断ってきていた。
パーティーは正直苦手なんだけど、
やっぱりクラスメイトと仲良くなりたいし、
これからもう少し参加してみようかな。

アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ-ブランダイス大学 サンクスギビングデイ


次の日。

ホストファミリーの息子さんが1日違いで誕生日、ということで
一緒にお祝いしてもらうことに。
この家を紹介してもらった、ロータリークラブの担当カウンセラー夫婦と共に
みんなで近くの中華レストランへ。

アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ-ブランダイス大学 誕生日

そして家に戻ってきて、ケーキとアイスを堪能。

アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ-ブランダイス大学 誕生日

そして恒例のキャンドルクイズ。

私のお皿には、小さな○が5つ並んでいる。
答えが私の年齢、31にならないといけないんだけど (あ、年がバレてしまったガーン
あれ、この間の問題と全然違う・・

アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ-ブランダイス大学 誕生日

それを見て、みんなが、
「あ~なぁーんだ、めっちゃ簡単じゃん。」

・・え?いや、さっぱり分からないんですけど (-_- )

すると、「バイナリーノーテーション (the binary notation) よ。」 と言われた。

ば、ばいなりーのーてーしょん!?叫び


・・て何?汗

もしかして・・2進法のこと? 2進法って確か・・
普通は10になったら10の位に行くけど、
2になったら10の位に行くってやつで、
1と0しか使わないんだったっけな。

そしてホストマザーが片手で数え始めた。1、2、3・・・

※参考 『片手の指で31まで数える方法』

で、答えは 11111=31 らしい。

ふーん。。

そして、ポストカードやらプレゼントをもらう。

アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ-ブランダイス大学 誕生日

誰も知り合いがいない場所に来たのに、
まさか自分の誕生日をこんな風にお祝いしてもらえるなんて。
私は本当に幸せものだなって思った得意げ
11月6日、大統領選。

選挙が近づくにつれ、気のせいか周りがそわそわしていた。
ロムニーとオバマが生放送でスピーチする、とあれば
テレビを観るためにホストファザーは壊れかけたテレビテレビ と必死に悪戦苦闘。
クラスメイトも 「今日テレビ観なくっちゃ!」 と意気込んでいた。

選挙当日の夜は、授業があった。
先生のポリシーで、授業中パソコンを使ってはいけないため、
パソコンで状況をチェックすることはできない。

「気になる気持ちは分かるよ。
でも授業が終わる9時にはまだ結果は出ていないだろうし、
授業後に確認するのだって決して遅くはない。
授業中は選挙のことは忘れなさい。」


と先生が釘を打ったが、やっぱりそれでも気になるようで
クラスメイトの何人かが授業中こっそり携帯でチェックしていた。

休憩時間ともなれば、まるでスポーツ中継を見るかのように、
みんなパソコンの前に集まってわいわいと騒いでいる。
こっそりまぎれて私も覗いてみると・・
みんなが見ていたのはこのサイトだった↓
 CNN のライブ選挙速報 : http://www.cnn.com/election/2012/ecalculator#?ba

ロムニーが勝てばその州は赤く染まり、オバマが勝てば青く染まっていく。
まるで国取りゲームのようである。フラッグ

ロムニーか、オバマか、という対立もすごくシンプルで
外国人の私でさえも分かりやすくて面白い。

しかも、日本と違って直接投票できるんだもんね、そりゃ興奮もするはず☆

※2人の政策の違いはこのサイトに分かりやすく書いてある (日本語)
http://news.goo.ne.jp/article/gooeditor/world/


授業が終わってほどなく、オバマが当選キラキラ

その時たまたまクラスメイト(アフリカ出身)とチャットパソコン をしていたんだけど、
どうやらとっても興奮しているようだ。

「オバマが当選した!今すぐ踊り出したいくらいだ!」

「オバマが当選して、嬉しい?」

「当たり前だよ!だって共和党は戦争が好きで戦争ばっかりしてるだろ?
民主党の方がいいに決まっている。
これは世界にとってもすごく良かったことなんだ。」


へぇ~。。そうなんだ。私もまだまだ勉強不足だな (-_- )

翌日ブランダイス大学では、早速教授らが集まって
選挙結果についてのパネルディスカッションを開き、
そこには大勢の生徒が詰めかけていた。

アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ-ブランダイス大学 大統領選挙

難しいことは私にはよく分からないけど、これだけ盛り上がってるのだから
さぞかしものすごい投票率なのだろう、と見てみると。。57.5% 
(ウィキペディアより http://en.wikipedia.org/wiki/Voter_turnout_in_th
日本の2012年の参議院総選挙 59.32% とさほど変わらないっていう。。
私の周りだけが盛り上がっていたのかな?不思議。。

ただ1つ、私にでも言えることは、
オバマ大統領が誕生した2008年から
日本はすでに6人も総理大臣を交代しているってことだ (-_- ) 


その日の午後。
授業の休憩時間に外に出てみると、なんと初雪が降っていた。

アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ-ブランダイス大学 初雪

すると、南の国から来た留学生は大興奮!!目

「人生で初めて雪を観た!」
 とひとしきり感動した後、
雪を見たことない家族に見せてあげるのだと写真を撮りまくる。

アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ-ブランダイス大学 初雪  アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ-ブランダイス大学 初雪

大人になって初めて雪を見るっていったいどんな感じなんだろう。。
きっと私には想像もつかないくらいの感動に違いない。

たまになんだけど、地道な生活の中にこんな風に
目の前の景色がキラキラ輝くときがある。

そんなときは、日本にいた時のことを思い出して、
「あぁ、あの頃思い描いていた留学生活を今送れているんだなぁ。ありがたいなぁ。」
と思えることができるのだった 得意げ
ごまかしごまかしやってきたのが、
ついにとうとう授業について行けなくなってしまった 叫び

アメーバ 課題の意味が理解できなかったり、
   授業中のグループディスカッションも
ネイティブの多いグループになって全く発言できなかったり。。

アメーバ 授業前に課題を終わらすのが精一杯で力尽き、
   授業に全く集中できなかったり。。

アメーバ 課題を出すのがいつもギリギリで、もっとできたんじゃないかと
   提出するたび後悔ばかり。。

アメーバ リーディング (事前の読み物) が読み終わらなくて、
   発言できない上、罪悪感いっぱいで
早く授業終わらないかな、と思ってしまってみたり。。

アメーバ ディスカッションがベースのジェンダーの授業では、
   みんなの言ってることがよく分からなくて、
   先生に当てられてもクラスで唯一何も発言できなかったり。。


きわめつけは、PRA (主体的参加地域評価法。
Participatory Rural Appraisal
 のワークショップだ。

PRAとは、情報を集めつつ、住民に気づきを与えて
エンパワーメントする (自分の生活をコントロールし
外部にも影響を与えられるようになる) ことを目的としている
農村調査方法の1つ。
結構私が協力隊に行ったときから注目はされていた。

アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ-ブランダイス大学 PRAワークショップ

この日は1日かけて、10人くらいのグループに分かれて、

あじさい マトリクスランキング : 投票をして優先順位を決める
あじさい 写真 : 写真を選びながら、テーマについてディスカッションをする
あじさい マッピング : 相関関係を図に書いて、力関係を明らかにする
あじさい 豊かさランキング : 絵を使いながら住民にとって何が豊かなのかを把握する

などを自分達でもやってみた。

日本語で分かりやすそうなのは、外務省のページ↓興味のある人は。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda

実はこれ、4年前のエジプト研修でも、
調査方法の手段として3日間かけてじっくり学んだことがあるので、
私にとって目新しいことは特に無かった。
 ※参考記事 『研修の始まり』 http://ameblo.jp/mymogmog/entry-10262975776.html

むしろエジプト研修の方が、
実際の途上国のケースを使ったので分かりやすかった。
今回のワークショップは、ブランダイス大学や学生生活の悩みなど
今の自分達の身近な例を使ったので、
実際途上国の農村でどう使われるのかがイメージしづらかったのだ。

ということで、ワークショップのためのリーディング (事前の読み物) 
約300ページなんて全く読んでなくても (汗)、結構分かってはいたのだ。

それなのに、10人中7人がネイティブのグループに当たってしまい、
やっぱりまたディスカッションに入れない。
途中、議長の人が 「How about you? (あなたはどう思う?)」 
と私に聞いてくるたびに
「あなた全然発言していないわね」 と責められているみたいで
すごく嫌になって落ち込んでしまったしょぼん

帰り際にアンケートを書けば、1番最後になり1人ぽつんと教室に取り残される。
何でもそう、私はいつも遅い。テストのときも。。
何だか自分がとっても情けなくてつらくなってしまった。

ジェンダーのクラスでも、課題の提出でも、ここでもビリけつ。。
今まで何かでビリになったことあったかな。。?
考えてみるけど思い出せない。
ある程度年を取ってからのビリは正直つらい。

私には他のクラスメイト達がとってもキラキラ輝いて見えたキラキラ
彼らは私なんかよりずっと英語が話せて、経験も豊富で、
ディスカッションにもちゃんと参加している。
私が1歩進めば、みんなは5歩も10歩も先に進んでいる。
そして何よりみんな学生生活を楽しんでいるように見える。。

英語もずいぶん慣れてきたと思ったのに、
授業でもプライベートでもやっぱり言ってることが分からない。
「言ってることがさっぱり分からないんだよ!」 
と叫んでしまいたくなること、多数。

最初からできるなんて思ってないけど、
まさかここまでできないとは思ってなかったな。。(-_- )

「何でも3ヶ月目が一番つらい」
 ということは頭では分かっているけれど、
今の自分をなぐさめるには、不十分だった。
※マジメな学問の話。興味のある人は読んでみてね。

2009年、まだベナンにいる頃
エジプトに行って研修を受け、プロジェクト計画の仕方を学んだことがあった。

その名も、プロジェクト・サイクル・マネジメント 
(Project Cycle Management =略してPCM)。

当時はお金を払って行かせてもらった身なので言えなかったけど、
実はその時このPCMの落とし穴に気づいてしまったのだガーン

※参考記事 
研修の様子 『ひたすらディスカッション』 http://ameblo.jp/mymogmog/entry-10263003413.html
PCMとは何か? http://pcmtokyo.tripod.com/pcmwhat.htm

例えばダイエットを例にすると、PCMはこんな感じでプロジェクトを計画していく↓
画像がちょっと見にくいけど。。

<問題分析> 色んな問題と原因の関係を分析
アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ-PCM 問題分析

中心問題の上は、太ったことによって起こる問題。
中心問題の下は、原因。

これを元に目的分析すると。。
(原因を手段、問題を目的に言いかえる)

アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ-PCM 目的分析

普通はこれよりもっと複雑になり、全部の手段はできないので
どれか1つ~2つを選んで、それをプロジェクトとする。
この場合は、「運動する」 を選択。


なかなか良さそうなツール。
なのになぜか、できあがったプロジェクトを見ると、
正直「なぜ?」 目となることが多い。


・・例えば、エジプト研修で行った例は
「どうやったら保健センターにもっと人が来るか」 病院 というもの。

保健センターに行かない理由は色々ある。
サービスが悪い、遠い、時間が無いなど・・。
 
それぞれの原因を掘り下げていって、手段を考える。
そして最後に、「時間がない」 という原因に対する手段、
『改良かまどを作って女の人の家事の時間を減らす』
をプロジェクトとして選んだ私たち。

だけど、となりにいた男の人がぼそっとつぶやいた。
「でもさぁ、この場合、保険センターと住民、両方アプローチしないとダメじゃね?
家事の時間が減ったからって保険センターに行くか?」

・・そりゃそうだ

研修中にこんなこともあった。
当時協力隊だった私たちは、
自分の活動について問題分析を行い、あらためてプロジェクトの計画を行った。

その1人が当時公園の建設に携わっていたらしく、
『公園建設について政府に許可をもらって協力をしてもらう』 という内容だったのだけど。。
そもそも公園の建設って本当に必要なの?と思ってしまった私 (-_- )

論理的に考えているのに、なぜか正しい答えにたどり着いている気がしない。

なんでこんなことが起こってしまうのか。。
その答えは意外にもこの本の中に見つけた↓
『バカの壁』
5年前に読んだので超ウロ覚えなんだけど。。

「論理的」 
に考えることの危険性について。
AだからBである、という論理的な考えは100%正しいということはまずなく、
どんなに良くても90%である。つまり
AだからB、BだからC、CだからD、よってDだからE と考えたときはどうか。
それが正しい確率は
どんなに良くても 90%×90%×90%×90%=65.6% にしかならない。
考えを展開すれば展開するほど、正しい確率はどんどん下がっていく。


みたいなことが書いてあったと思う。(間違ってたらゴメンねあせる

PCMの問題分析→目的分析は、まさにこの論理的な考えの連続。
1個1個は正しそうに見えるのに、
ふと我に返って全体を見るとおかしいことになっている(ことが多い)。
それなのに、できあがったプロジェクトの表を見ると、
なぜかもっともらしく見えてしまうという。。これは危険叫び


じゃ、ブランダイス大学院ではどうやって教えているのか。

プロジェクト計画の最初の授業で、早速 「問題分析」 が出てきた時には、
正直がっかりした私 (-_- )
やっぱりここでもそうなのか・・?!

でもその後紹介されたのは、「目的分析」 ではなく
 『セオリーオブチェンジ Theory of Change』 だった。
(あらゆる方面からの解決方法を考えて図にし、
その中からプロジェクトとしてどれか1つ選ぶ)

※詳しくは4個前の記事参照 『初めての貢献』 http://ameblo.jp/mymogmog/entry-11569983778.html

なるほどね~、問題分析はあくまでも状況把握のために使うだけで、
セオリーオブチェンジで視野を広く持って、手段を考えていくキラキラ

例えば、さっきのダイエットの例に戻ると、
「美容整形で脂肪を吸引する」 という手段もあると思うんだけれど、
PCMの方法では残念ながら絶対に出てこない。
でもセオリーオブチェンジなら出てくるというわけ☆
問題の原因と解決方法が必ず結びつくとは限らないのだ。

それぞれの考えがあると思うけど、
個人的にはPCM (問題分析→目的分析→プロジェクト選択) のやり方はオススメしない。
論理的に考えるのも大事だけど、
全体を見て、柔軟に考えていくことが大事だと思う得意げ


P.S. PCMとブランダイス大学院で教えているツールの違い クローバー

PCMの手順
1.関係者分析 → ステークホルダー分析 (Stakehoder Analysis)と呼ぶ。項目が違う。
2.問題分析 → プロブレムツリー (Problem Tree) と呼ぶ
3.目的分析 → エッフェクトツリー (Effect Tree) と呼ぶ。
           紹介だけされたがそれは使わず、
           代わりにセオリーオブチェンジ (Theory of Change) を使う。
4.アプローチの選択 → Point of Intervention と呼ぶ。
5.PDM(プロジェクトデザインマトリックス)の作成 → Logical Frame Matrix と呼ぶ。 
                                  通称ログフレーム (Log-frame)。

  あと、PCMという言葉はアメリカではまだ一度も聞いたことがない。
  古くなってしまったか、元々そんなに有名じゃないのかも。。