周りのために発言する | アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ

アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ

旧『ベナンで活動する舞のもぐもぐブログ』 

2008年6月~2010年6月の2年間、青年海外協力隊として西アフリカのベナンという国で活動しました。

2012年8月から2014年5月まで、アメリカのブランダイス大学院(Brandeis University)で国際開発学を勉強しました。

1ヶ月間の語学学校生活は、あっという間に終わった。

最後の授業の日、私はそれぞれの授業の終わりに
先生にお礼がてら挨拶をした。

黄色い花 グラマー(文法)のクラス

先生に素直に、「ELCであなたの授業が一番好きでした」
と伝えた。

「これからの大学院生活にわくわくしてる?」

と聞かれ、

「正直に言うと、楽しみはほんの少しだけで不安が大きい。
レベルがすごく高いだろうから、
周りについていけるか本当に自信がない」

「英語は、君の実力なら絶対に大丈夫!!僕が保証する。
クラスメイトだって、君の英語に刺激を受けたはずだ。」


と先生は真顔で断言してくれた。
まさかそんなはずはないと思うけど、
お世辞でもうれしい。

「議論にだってついていけるかどうか・・。
人の話をさえぎるのを悪いと思うから、いつも割り込めない。」

9年前のイギリス留学のとき、
大学の授業を聴講したことがある。
講義の後、10人くらいで議論をする授業だったのだけど、
1時間の中で1回発言できるかできないくらいだった。
この精神的ダメージは大きく、
それ以来すっかり自信を無くしてしまったのだ。しょぼん

「分かるよ。実は僕も昔とっても恥ずかしがりで
議論になんて全然参加できなかったんだ。」


「うそ!?・・どうやって克服したんですか?」

「やっぱり日本に住んだときかな。
最初は何も話せなかったけど、
周りにいた日本人はみんな
アメリカ人である僕やアメリカの文化に
興味を持っているようだった。
それが分かって自信につながった。
そして気づいたんだ。
自分だけが持っている経験・知識は
周りのためにシェアしなければならない
って。」


周りのために、か・・

自分の成績を上げるためじゃなく、
先生へアピールするためでもない。
自分の独特の意見や話がもしかしたら、
周りの生徒やクラスのためになるかもしれない。
だから黙っているのはもったいない。

自分のためではなく、周りのために。
そう考えると発言することに少し勇気が持てそうな気がした。

「大丈夫、君ならできるよ。がんばって!」

先生はそう言いながら、昨日私が提出した
ショートエッセイの添削を返してくれた。
そこには95点、excellent! と書かれていた。

よし、いきなりは難しいけど、少しずつがんばってみよう得意げ


黄色い花 選択授業の 「アメリカ文化」

この授業は本当に手ごわかったあせる
ほぼ議論の授業なんだけど、
数名の生徒ばかりがずーっと話している状態。
先生は基本放置で、議論に参加する助け舟を特に出してくれない。

他にも日本人が何人かと韓国人が1人いたけど
みんなほとんど発言ができないでいた。
(1人はあきらめて毎回寝ていた)

3回くらい1度も発言できない授業が続いて、
1度くらいは発言したいなぁと思って最後の授業に望んだ。

そしてチャンスは突然めぐってきた。

それは、アメリカの祖先についてのテーマで、
「どうしてそのインディアンのおじいさんは、
自分と同じ苦しい経験をすると分かっているのに、
孫に何も教えなかったのか。」

みたいな質問。

他の生徒はまだ答えていない、よし・・!ひらめき電球

・・授業の終わり、先生に挨拶をすると、

「君が授業で発言したことは本当だよ。
言葉より経験で学ぶ方がずっと覚えていやすいし、心に残る。
子供にコンセントに障るな、と何度も言うより
子供が一度触って少し感電すれば、もう2度と触らないだろう。」

と言ってくれ、何だかやっと先生に認めてもらえた感じがして嬉しかった。


こうして無事修了証をもらい、語学学校を後にした。

不本意ながら通い始めた語学学校だったけど、
9年ぶりに使う英語の準備期間としては
上出来だったんじゃないかと思う。

ほんの少しの自信を手に入れて、
語学学校を後にした。得意げ