悪のシステム | アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ

アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ

旧『ベナンで活動する舞のもぐもぐブログ』 

2008年6月~2010年6月の2年間、青年海外協力隊として西アフリカのベナンという国で活動しました。

2012年8月から2014年5月まで、アメリカのブランダイス大学院(Brandeis University)で国際開発学を勉強しました。

7月18日(土)、協力者のNGOが
エイズの啓発をやると言うので見学をしに行った。

場所は、そのNGOが運営している
孤児院で行われた。

ベナンで活動する舞のもぐもぐブログ-エイズ啓発

参加者は9名の子供たち。
医者を呼んで、本格的な講義丸2日。

ベナンで活動する舞のもぐもぐブログ-eizu

この研修をやる前に
50人近くの人を呼んでご飯をふるまって
開会宣言をしており、
かかっている時間とお金の割には
だいぶ非効率だな、と感じた。

それなら協力隊員が学校で行っている
2時間近くのエイズ啓発の方が、
費用もかからない上対象人数も多く
効率がいいと思った。

それよりも気になったのは・・・

研修を受けた子供たちへの参加手当て
1人3000フラン (約700円) である。

これがベナンでは当たり前。がま口財布

お金を払って研修などに参加する日本では
本当に考えられないことだけど、
ベナンでは研修や会議において
参加者にこのような参加手当てが支払われる。

そうすると人が集まるからだ。
人が集まりさえすれば、主催者が
「こんなに人数が集まった」
と上に報告できるからと始まったこのシステム。

いったん導入されてしまうと、
それが当たり前となり、元に戻すのは難しい。

ところで、市役所や省庁では
いつも会議や研修ばかりやっている。

みんな参加手当てがあるから、
自分の仕事よりも研修や会議を最優先する。
おかげで日常業務が滞る。
会議や研修は、仕事を効率よくするためのものなのに
これでは本末転倒である。

私には 「悪」のシステムドクロ にしか思えない。

研修や会議を行うにしても、
費用対効果が悪すぎるのである。

もちろん遅刻や欠席が多いベナンで、
お金さえ出せば人がちゃんと集まるのだから、
こんなに楽なことは無い。

このシステムを逆に利用することもできるけれど、
このシステム、本当に何とかならないんだろうか??
というのが正直な気持ちである。