
ふと急に思い出した人がいた。
もしかして、今もパリにいるかも。
もしかして、会えるかも。
彼女は2003年、
イギリスロンドンでの留学時代に
出会った日本人。
当時、私が授業を聴講していた
ロンドン大学SOASの院に通っていた。
その頃まだ大学生だった私に、
お互い国際協力業界を目指す者として
色々とアドバイスや情報を教えてくれたっけ・・。
私が留学を終えてから
何年もの間ずっと連絡を取っていなかった。
それでも知人づたいに彼女の進捗を聞いており、
不思議なのだけれど、
私の中で彼女の存在は消えなかった。
彼女から言われた
いくつかの言葉が今でも頭に残っており、
ふとしたときに思い出されるのだった。
メールをしてみたのだけれど、
はっきりとした約束もできないままパリ初日、
ホテルに帰ってうとうと居眠りしていると
電話が鳴り、
その夜会えることになったのだ。
奇跡。

そう、それがものすごい偶然だったことが
後から分かった。
彼女は、パリでの仕事が先週ひと段落して
今ちょうど引越しの準備途中だった。
来週にはロンドンに友人に会いに行って、
その後すぐ日本に帰国する予定なのだという。
かと言って、先週までは仕事が忙しく
とても会っている暇は無かったらしい。
「1週間前でも後でも、会えなかったよ。」
さらに、今日約束していた人の
ドタキャンがあったから、来れたのだと言った。
す、すごい・・。

だって、私が本当は来れないはずの
パリにいることだって奇跡なのだから。
私の経験上、こういう偶然は
大切にしなければならないし、
こういう出会いは何かしらの意味を持つのだった。

その日聞いた、国際協力業界の裏話や
仕事の経験話は、十分私の刺激になった。
つい昨日まではベナンにいたのに、
今日、パリのオシャレなレストランで
6年ぶりの再会を果たし、
今までに食べたこと無いくらいおいしい
パンナコッタを食べている・・
不思議な、不思議な夜だった。
きっと数年後、また彼女に会うに違いない。
その時、お互いどんな進路を選んでいるのか、
どんな話ができるのか楽しみである。