続き




無事に正社員として入社できることになった。



10月から出社することになったので、9月いっぱいでパン屋を辞めた。






H株式会社は男性20人女性30人くらいの女性の裏権力()が強い会社だった。




でも表立って出世できるのは男性。






年功序列で、勤続年数が長ければ大抵の場合係長まで昇進することが出来る。





ちなみに求人では募集しているのは女性だけで、給与形態は日給月給と書かれていた。





日給月給がなんなのか未だによくわかってない😅






福利厚生もしっかりしていて、就業規則が書かれた冊子もちゃんとあって、まあまあいい会社なんじゃない?と思ってた。





実際働いてみてもオフホワイトな会社だった。あのころは。

※個人の感想です。





今は知らん。







入社して最初の3ヶ月間は研修期間。






その研修期間は各部署をそれぞれ順番にまわることになった。





こんなことが出来たのは私たち3人だけで、色んな経験が積めたのはラッキーだった。





その研修期間の終わりごろに行った通称「裏」とか「後ろ」とか言われる部署で夫と出会った。

厳密には初日の朝礼で会ってるけど、認識してなかった。






やばいことしてる部署ちゃうで。



製造ラインの中で1番最後の工程をするとこってことやからな。






その当時、夫はタバコを吸ってたけど夫だけタバコの匂いが気にならへんかった。




他の人は鼻もげるかと思うくらい臭かった。






夫のことが気になって気になってしょうがなかった。






裏に行ってる時、指導してくれてるおばちゃんの1人、kさんは教えるのが苦手らしくよく放置されてた。





ほかの人たちが面倒見良すぎたから困らんかったけど。





特に良くしてくれたのはoさん。




oさんは去年、ガンで亡くなった。




亡くなる直前まで私たち夫婦のことを気にかけてくれていて、今でもたまに上で元気にやってるかな?と思うことがある。





きっとoさんのことやからいろんな人といっぱい喋って笑ってるんやろうな。





話戻すわ。






ある日、wさんに教えてもらって包材を開けてる時、私が間違えてまだ開けんでいいとこまで開けてしまっていた。





夫がそれに気づいて、wさんに怒った。





「私が間違えました。すみません。」




「いや、指導してるおばはんが気づいてないのが悪いから。」







えー!優しいようなそうでも無いような😅



でも、悪くないと言ってくれてありがとうと思ったw





ミスしたのにめっちゃわろてもたwww





年明け、同期のFさんTさんに協力してもらって夫の下駄箱に私の連絡先を書いた紙を入れた。




冬休み中にoさんに夫のLINE教えてとLINEしたら、夫の連絡先を知らないこと、たぶんLINEやってないということを教えてもらっていた。




めんどくせーーー





って思いながらアドレスを紙に書いた。




問題はどうやって渡すか。




噂好きのおばちゃんが多い会社。




私とTさんが配属されたのは基本団体行動の部署。





Fさんは休憩とかで1人になれるけど、いつ誰と遭遇するかわからへんし、性格悪い先輩と休憩がかぶることが多かった。





そんな時、チャンスは巡ってきた!




トイレ掃除!



唯一単独行動ができて、なおかつ休憩の時間ともかぶりにくい。




3人のうち誰かがトイレ掃除の時に下駄箱にコソッと入れようと言ってくれた。




そしてミッションは達成された!





たぶん、FさんかTさんが入れてくれた。





数日後、メールが来た。





あ、ちゃんと連絡してくれるんやww





全然なんのやり取りしたか覚えてないし、いつどうやって決めたかも覚えてないけど、会社ではほとんど話してないからメールのやり取りで、私と夫、Tさんと私たちの部署と一緒に主に力仕事をしているcさんと独身組で2週間後くらいにご飯行くことになった。





いきなり1対1は無理やからって私のわがままでTさんに協力してもらいcさんを巻き込んだのに、結局その前週末に2人でご飯に行った。






店決めるの全部こっちに放り投げてきたから地元の適当な居酒屋にした。



2人とも下戸。





後に、夫は居酒屋が嫌いと知る。





注文は夫に任せた。





鍋が来た。




器によそってくれた。



豆腐。




嫌いやねんけど、嫌いって言えずに食べた。





食べた後に豆腐好きじゃないって話をした。




食べれるようになったから結果オーライ。







「俺が何歳か知ってるん?」



唐突に夫からの質問。



「知らないっす。32くらい?」




「惜しい、33。よう歳も知らんやつ食事に誘ったな。」




「え、でもだいたい合ってたし。」




ここで初めて年の差11歳が判明。




将来の夢の話になった。



「cとnさんと宝くじ当たったらカフェやろうって話はしたで。」




このひとことを聞いてピンと来た。



私この人と一生一緒におるわ。








Tさんcさんと4人で会う約束をした日。



まずカラオケに行った。



私、縛りとかなかったらだいたい1曲目ポルノグラフィティのアゲハ蝶歌うねんけど、この時も歌ったら夫に



「女性ボーカルの歌歌えよ。」


って言われた。



未だに根に持ってる。




好きな歌歌わせろ。



今なら言える。



この時は軽くスルーした。




「あ、1曲目はこれって決めてるんで〜。」




のちのち、この話をした時に男性ボーカルで歌っていいのはKANA-BOONだけみたいな謎ルールができた。




KANA-BOONの歌は割とすきやねんて。




知らんがな。






夫、歌が上手い。







この日がたぶんバレンタインが近かった。




ご飯屋さんに移動してからTさんと2人からです〜って義理チョコを夫とcさんに渡した。




その後、cさんがトイレに行ったタイミングでTさんが不自然に席を外してくれた。ありがとう。



こっそり本命を渡した。




私が持ってた紙袋がいつの間にか夫の手に渡っているのにcさんは気づいてそうだったけど、何も言わなかった。



夫「あいつアホやから気づいてないんちゃう?」




いやwwww気づくだろうよwwwあほでもさwwww気づけよwww





楽しかったと思います。





その晩辺りにメールで告白した。




イエスからのちょっと話したいことがある。っていう呼び出し。





こわくない?翌日の朝イチ、会社のロッカーでFさんに

「話ってなんやと思う?めっちゃこわいんやけど。」



ってコソコソ話してた。




「あるとしたら、離婚歴やな。子どもおらんかったらまだましやけどなー。」


1番的中して欲しくないやつ〜。





仕事終わり、実家近くの例の歯が無くなった(無くなってはない)公園で待ち合わせ。





夫、逆方向にもかかわらずわざわざ来てくれた。





心臓がバクバクする。




「実はな、離婚歴があるねん。子どももおる。黙っとこうかなと思ったけど、それは誠実じゃないから申し訳ないなと思って正直に言うことにした。」




頭真っ白になったよね。





待ってこの人の人生何があったん?



「離婚理由は?」



やだ、私ったら冷静( ˙-˙ )






「前の嫁が好きな人が出来たから別れてくれって。」




なんでも夫と前妻が付き合うようになったのも同じような感じだったらしく、既に気持ちは冷めていたのに子供ができたからしかたなく結婚していたのだとか。




前妻の実家に一緒に住んでいたけど、前妻は夜な夜などこかへ出かけてほぼ前妻の父と2人暮らし状態だったのだとか。



お互いに気まずくて気を使いまくっていたのだとか。




子どもの養育費とかは全て払い終わっていることなど、いろいろ話を聞いた。





三日三晩泣いた。



仕事中もこっそり泣いた。






自問自答を繰り返した。




このまま前に行く?



引き返す?




前に行って後悔しても納得できるけど、引き返して後悔するのは納得できひんよね。




過去がどうであれ、好きな気持ちに変わりはないよね。



何より、ここで引き返したら一生独身孤独な人生が現実味を帯びてくる恐怖が大きかった😅







Fさんの予言予想はピッタリ的中した。





そんなこんなで付き合うことになった。






一方仕事の方はパン屋や本屋に比べれば全然マシやけど、何かとトラブルがあった。




さっきサラッと触れたけど、常に団体行動をする部署。



AチームとBチームがあった。



Aチームは主任がリーダー。Bチームは係長がリーダー。



メンバー全員女性。



みんなクセが強いというか個性的というか我が強いというか。




特にAチームは団体だからこそ嫌な部分が露呈していた。




Tさんはその中でしごかれていった。




Aチームは上下関係が厳しくて、雑用は率先して新人がやるという暗黙のルールがあったらしい。




Bチームはその辺ゆるくて、気づいた人とか手が空いた人がやるってルールだった。たぶん。知らんけど。私が勝手にそう思ってただけかもしれんけど。




だから、先輩にやらせて動かへん私を影からこっそり見てAチームの人達は私が仕事できひんやつやとかなんとか悪口言ってたらしい。

たぶん、Tさんにもあることないことないこと吹き込んでたんやと思う。




なんで知ってるかって?



あとから入社してきた人がわざわざ教えてくれたから。








ある日たまたま仕事の関係でAチームに応援行ってて、Aチームの人たちと一緒に昼休憩を取ってた。




私が更衣室から出てきて、席に着くと同時に1番年長の人が席を立った。




その瞬間、同じデーブにいたAチーム全員がわっと前のめりになって年長の人の悪口を言い出した。





ここは小学校かな?????




引いた。





大人が思ってたほど大人じゃないことを知った瞬間。







そういうことがあったからAチームに応援に行く時はめちゃくちゃ緊張した。




Bチームのほかの先輩たちも同じように思ってるみたいやった。



Aチームに行く時は目立たないように、逆らわないように。








全員出勤してたら1人だけ人数が溢れたりして別行動を指示される時がある。



めっちゃ疎外感。




そんなこと一言も言われてないのに、自分だけ違う仕事頼まれたら、もうあなた要らんよって言われた気分。



他の人はあからさまに自分じゃなくて良かったって安心した顔になる。




そういう点で公平になるように、1時間ごとに順番に外れるとか係長や主任は気を使ってくれるけど、頭使うからさ、めんどくさくなるんやろな。



時々、あなた1日外れてください。みたいな時があって、あれ絶対みんな1回はトイレでこっそり泣いたことあるで。






団体行動って怖いわ。






耐えられへんことは無いけど、我慢するのが嫌で1年ほど経った時に専務に「辞めたいです。」って言いに行った。





ほんまは係長に最初に言うべきやったんやろうけど、話してそれを他の人に言うかもしれんっていう恐れがあったから信用できひんかった。





社長は本社の命令であっちこっち飛び回ってるらしく会社にはほとんど来てなかったから、実質トップの専務に話をしに行った。




専務は気さくな人やったから話しやすかったのもある。





「辞めるんはもうちょい考え直してくれへんか。現場が嫌なら、事務所か品管に異動するとかはどう?」







めっちゃ必死に引き止められた。


MOSの資格持ってたからパソコンできるやつやと思われてた。



MOS、誰でも取れるよ。



就活に有利になるとかないから。車の免許みたいなもんやから。





ぶっちゃけめっちゃ悩んだ。



ほんまは事務職やりたかったけど、当時は経験者しか求められてなかった。




ここで事務の経験積めるならめっちゃラッキーじゃない?




辞めても経験者に入れるやん。





てことで、異動できるならと辞めるのはやめた。





年が明けて、事務所に異動になった。






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