大学卒業後、就活を始めた。






遅くない?遅すぎじゃない?






なんで大学卒業後かっていうと、在学中は



「働きたくねえなー」




って思ってたから就活する気なかった。





卒業後に昼間働けなくて夜寝るのが遅くなることがいやになって、パン屋辞めたい欲が高まったから仕方なく就活を始めた。





月一くらいで適当に面接受けて、たまたま受かったのが、H株式会社。






食品加工会社。






ちなみにいくつか受けて落ちた中で忘れられない会社がふたつある。






ひとつは実家近くのちっちゃい会社。






面接で、「嫌いな食べ物はなんですか?」って聞かれた。




「ししとうです。」って即答した。





「なんで?」



「中学生の時に曾祖母が亡くなって、お葬式で出されたお弁当に入ってたんです。その当時、ししとうを知らなくてピーマンかな?と思って食べたら死ぬほど辛くてめっちゃ泣きました。それ以来絶対食べないと心に誓ったんです。」





「えー!ししとうは辛いからいいんやん!めっちゃ当たりやん!」




「いや、ハズレっすよ。辛いの苦手なんで。」




「いやいや、ししとうは辛い方が当たりやって!」





こいつとは相容れんなって思った。





多分向こうも思った。





たまにこの会社の近く通るけど、その度に「ししとうで落とされた会社や。」って言ってる。




旦那はししとうのせいじゃないって言う。




いや、ししとうのせいやろ。






ちなみに今もししとうを食べない誓いは遵守してる。







もうひとつは、大阪にある弁護士?の事務所。






法律とか興味あってハローワークで求人見つけたから行ってみた。





興味はあるけど、法律の勉強はしたことないよ。法学部受けて全部落ちたから\(^o^)/






通ってた大学は女子大やからか、法律系の勉強できる授業なかったしね😅





そんな私でも、面接を受けれたのよ。






面接で何話したか忘れたけど、会話もそこそこに実際の仕事やってみる?って言われた。






断りにくい雰囲気やったから、やってみることにした。





おればおるほど思うんやけど、何年窓開けてないん?ってくらい空気が澱んでて重くて今行ったら入っただけで呼吸困難なるんちゃうか?ってくらいいや〜な雰囲気のところだった。






そこに居たのは弁護士先生とその息子。




息子も弁護士。





あとは何してるんか知らんおばちゃん2人と、弁護士先生の助手みたいなことをしているお姉さん。







ちなみに、お姉さんも入って3ヶ月未満の研修生。





なんかその弁護士先生は映画の批評を書いた冊子を作ってて、それの文字起こしを頼まれた。






ボイスレコーダーに吹き込まれた音声と、汚い字で書かれたメモを頼りに文字起こしをしていく。






「わからんところは空けといていいから。」





って言われたからできる範囲で文字を打ち込んでいく。






できたものをプリントアウトして見せに行くと赤ペンで修正が入った。







「俺の文章じゃない。」





「過去のやつ貸したるから読んで俺の文章で書け。」









???




初対面ですよね???





お前の文章の書き方なんか知るか!




文句言うんやったら自分で書けよ。






っていう心の声をそっと胸の内にしまって修正。







何回かそのやり取りをして、時間が来たので終了。






帰り際、3日ほど研修に来てみるか?と言われたので、二つ返事で了承した。







パン屋に事情を話して3日間連続で休みをもらった。







研修1日目。





満員電車に揺られて慣れない都会へ。





2回目にも関わらず、道に迷う。






その辺加味して早くに来ていたので時間は余裕を持って到着。






仕事を教えてくれるのは、研修中のお姉さん。






私に頼みたい仕事はそのお姉さんにしか分からへんからって言うことやけど、研修中の人に仕事教えさすっておかしくない?😅




私はその時まだお姉さんが研修中とは知らんかったから、なんも思わんかったけど。







事務所の中の空気がクソみたいに澱んでるから、玄関の掃除とかで外に出れた時はこっそりめっちゃ深呼吸した。






お姉さんも仕事に慣れてない感はあって、日が浅いんかな?とは思ってた。





でも優しいし、教え方は丁寧やし、この人がいるならなんとかなるかなと思った。






弁護士先生はよく言えば厳しかった。





仕事のことで分からんことを聞いたら




「ホームページ見てないんか?全部仕事内容書いとるやろ。」





って教えてくれへんかった。






お姉さんが慌ててこっちに来て教えてくれた。




お姉さんが、なんで教えてへんねんみたいな感じで怒られてた。






いや、ホームページは見ましたけど。




仕事内容は書いてるけど、事細かなやり方とか来て一日目のやつがわかると思う?





なんだかんだ一日目が終わった。






朝早く起きて夕方過ぎに仕事を終えて帰るという生活に慣れてなくて朝起きるのが辛かった。




心の中に憂鬱の塊ができてた。





オエーってなりながらなんとか出社。





あ、ちなみにこれはタダ働きです。





まだ採用決定してないので。




2日目も新しいことを教えてもらいつつ、だいたい文字起こし。






昼過ぎくらいだったと思う。





弁護士先生もお姉さんも席を外していて、手が空いた私は困り果てた。





仕方なくおばちゃん達に声をかけた。




「えー、私らそっちの仕事全然知らんし。こっちも手伝ってもらうことないし。とりあえず座っとき。」





ちょっとなんかこう、ん?って思ったけど、大人しくしてた。






その時に、おばちゃんたちの雑談でお姉さんが入って3ヶ月未満であることを知った。





そりゃ、お姉さんの仕事も慣れてなさそうに見えるわけやな。






そんな人に仕事教えさすってここの人らみんな頭わいてr(ry

ごほんっごほんっ!





口が滑った。





その時、知らんおばちゃんが知った顔で荷物を持ってきた。







戻ってきたお姉さんに言われるがままその荷物の方へ。





タッパに入ったご飯だった。






チンして温めてお皿に盛って、弁護士先生と息子の机へ。






いっつも壁の向こうに隠れていた息子の顔を初めて見た。






最初はその辺に置いといてみたいな感じやったけど、プルプル震えながら小さい隙間にお盆を置こうとしてるのを見て、「大丈夫?」って場所開けてくれた。お盆置くのも手伝ってくれた。






めっちゃ優しい!お姉さんに継いで優しい!







まともな人おった!全私が泣いた。(心の中で)







さっき荷物を持ってきてたおばちゃんは弁護士先生の奥さんだったらしい。






奥さん家で作ったご飯をわざわざ事務所に持ってきて大変やなと思った。






私そんなん夫に言われたら自分で何とかしいって言うてまうわ。なんでそこまでして作らなあかんねん。





良妻賢母には程遠いな(遠い目)







2日目が終わった。






帰りの満員電車で泣きそうになった。






箱にギューギュー詰めにされて運ばれて、あんなに空気澱んだところで仕事して、また箱にギューギュー詰めにされて運ばれて。




毎日これの繰り返し?




今は、明日で終わるけど、採用されたら毎日こんなんすんの?






死ねって言われてんのと同じくらい辛くない?






無理やわ。





明日1日は頑張れるかもしれんけど、毎日は無理やわ。





心が枯れていくのがめっちゃ分かった。




翌朝。





今日だけ。今日だけ。





今日行って1日働いたら断ろう。






頭の中ではこう思うけど、体は動かへん。






出勤前の父と母に相談。








した結果。




事務所に電話。







それっきりで終わりー!




ひゃっほーい!




事務所行く代わりにハローワークに行った。





ハローワークの人に事情を説明。




「今朝、電話来てたよ。最初っから落とすつもりでおった。あんな子こっちから願い下げやわ。って。」





目が点になったよね。





ハローワークの人も苦笑してた。





「落とすつもりやったら最初っから研修来ささんでよかったのにね。負け惜しみやね。」







普段は冷たいハローワークの人が分かってくれただけで、私の心は少し救われた。







ハローワークで仕事を探すのはやめた。






件のH株式会社との出会いは毎週日曜日に入る求人広告だった。








あんまり覚えてないけど、ここの面接は




「もし受かったら〜…やけど、落ちたらごめんね。」





みたいな。



受かった時の話をするだけして、最後に保身のために落ちても恨まないでねみたいな一言がついてきただけだった。






面接なんかほぼあってないようなもんww







二次面接も同じ感じ。





二次面接には5人いて、最初に工場見学。




その後1人ずつ面接に呼ばれた。





1人目が呼ばれた時残りの4人で少し話した。





受かったのが、この2人と私の3人とかやったら嫌やな〜と思う人たちがいた。




どっちかと2人とか、2人と私ともう1人とかならいいんやけど、2人と私の3人やったら嫌やなって。






まあ結果その嫌な2人と私が受かったんやけども。







こういう時だけ直感ていい仕事してくれるよね。







2人とも悪い人じゃないよ。





いい人たちなんやけど、直感でこの2人を拒否ってた。





1人は子育て中のおかんFさん。




もう1人は独身の大人しめTさん。





夫の話書こうと思って書き出したのに、話逸れまくって長くなったので続きは次回😅







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