この森で天使はバスを降りた
こんにちは、Noriです。
明日、大吟醸の小槽(こぶね)が終わる。
春が来ている。
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「この森で天使はバスを降りた」
きっと天使は森が好きなんだろう。
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春が来ている。
酒造りが終わる。
春が呼んでいる。
畑が呼んでいる。
「おーい」
「おーう」
「おーい」
「いまいくー」
「おー」
畑が呼んでいる。
うふふ。
この畑で俺はバスを降りた。
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はだしのまんまで。
行き先はどこでもいいと運転手さんに言った。
運転手さんは、
この畑につれてってくれた。
青い空の真下で、
俺ははだかでねころんでいる。
酒の海で泳ぐのも、
もうすぐ終わる。
そろそろいいころあいだ。
人には、分、品、段、格、時、器、
そして、天命があるとかないとか。
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まぁ、昔の話。
中学生の頃の話。
生物の授業。
先生と30人くらいの生徒が野外観察でうろうろしていた。
突然立ち止まった先生が、きれいな花を指差して言う。
ピンクと紫の間のとても大きな、そしてとてもひかえめな花だ。
地面から茎だけ伸びて、花が一輪。
はっぱがない。
「この花の根元にある球根をつぶして、
その汁を一滴、お昼にお弁当を食べる私のお茶に入れたら、私は3分で死にます。」
生徒は意味が分からなかった。
先生は続けた。
人が生きることの意味と、
人が生きることの儚さと、
人が死ぬことの意味と、
先生が教師であることの意味と、
生徒が生徒であることの意味を。
そしてこの花が咲いていることの意味を。
先生は、自分のいのちを、おれたちにあずけた。
おれたちは、先生におれたちの青春をあずけた。
そして、先生と生徒になった。
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その先生はずーっと、まずしい国に、学校をつくっている。
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まぁ、そんな話。
もうすぐ、春が来る。
冬が終わる。
種をまく季節だ。
うふふ。
ちゃんちゃん。