凄い本を見つけてしまった。しかも図書館で。「ブス」がテーマの本。こりゃ酷い、酷すぎるぜ。

 

てっきりルッキズムに対抗する本なのかと思いきや、全然違った。なんと本書はブスという言葉を避けるどころか、必要以上に使って、最終的にブスがなんなのかさえわからなくしてしまう、というのが狙いらしい。あまりに斬新な発想についていける自信がないが、書いた本人も本書を読んだあと結局ブスがなんなのかわからなくなってしまったということなので、容姿で悩んでいる人は手に取ってみる価値アリかもしれない。※ただし読むかどうかは自己責任でお願いします

 

 

 

 

感想としては、佐々木希や橋本環奈レベルじゃないと、ほとんどの女がブスに該当してしまうのだな、ということ。「美人は3日で飽きるがブスは3日で慣れる」や「性格ブス」という言葉は、どんなに非の打ちどころがない美人を前にしても、絶対敗北を認めないという不屈の精神を持ったブスが発した言葉らしい。なるほど。筆者曰はく「ブスすぎて語彙能力が発達してしまい、とても美人には思いつかないような名言を次々とドロップしてしまう」とのこと。あれ?それって性格悪くない?結局、美人で性格が悪いより、ブスで性格が悪いほうがモテないという罠にハマってしまっているではないか!

 

また、たいていの女性が「私はブスです」と言えば「そんなことないですよ~」待ちのあざといブスに思われるし、だからといって、「美人です」と言えば「自分で言うなんて、性格の悪いヤツだ。それが顔に出ている」となり、「普通です」と言えば「よくその顔で普通だなどと言えるな」となるそうな。つまり、卑屈でも自信満々でも公平でも、とりあえずブス認定されてしまうのだからバカらしい話だ。

 

顔より中身だ!という人もいるが、いくらブスで優しくても、美人のそれには敵わない。「誰もが認めるブス」がモテようと思ったら「故郷の村を焼かれても怒らない」とか「2兆円持っている」レベルでないとお話にならないとのこと。なんだよ。性格が悪くても良くてもハードモードなんてバカらしくてやっていられないじゃないか(2回目)。しかし悪いことばかりとは限らない。たとえブスで誰からも相手にされなくても、たった一人、自分にピッタリ合った石油王に見初められれば優勝だ。逆に美人はモテる分、変な男に引っかかる率も高くなる。100人の男がいたら10人はとんでもない性癖を持っているもので、美人だからといってみる目があるとも限らないため、わざわざデカい分母から八つ墓村系男子を選び、人生終了パターンも考えられるのだ。言われてみれば、美人ほどブサイクなチンピラ風情の男と付き合って苦労していたりする。アーメン。

 

さらにブスは顔に「女の武器無使用」と書いてあるので、出世しても「女を武器にしてる」と、いちいちやっかまれない特典つき。ただ、「仕事はできるかもしれないが、あんな女とは結婚したくない」「女捨ててまで仕事したくない、あんな風になりたくない」と言われるかもしれない・・。こういうときは、「ブス以外、非の打ちどころがない」と言われていると思って気にしないようにするといいらしい。

 

はあ、とても疲れてきました。しんどいです。あれ、でもまだページ数がある・・。そんなときに突然現れたのが「親ってブスに生まれた娘をどう思ってるん?」問題。

 

まぁ実際、ちょっとは心配しているようだが、製造責任者は本人たち。こういった場合は、その揺れにつけこむのが吉。筆者の経験でいうと、顔を完全に凌駕するほど汚部屋だったので、親から部屋の片づけをしろとは言われても、顔の片づけをしろとは言われずに済んだとか。なので親から「そろそろ結婚は?」「付き合っている人はいないの?」などの小言を言われたくない人は、それ以前の社会性のなさや、だらしなさをアピールし、注目をそちらに集約させるというのも「手」らしい。

 

 

★まとめ★

最後に「ブス」という言葉の総まとめに入ります。まずブスとは、しゃくれもガチャ歯もデブも全部おれが受け止めてやるという包容力の塊でしかない言葉という結論になります。デブはブスの一種ですが、デブだからといってブスというわけではありません。しかしブスはすべてのブサイク要素を内包する単語なのです。

 

かなしいことに、デブなだけでブス扱いされる女性はたくさんいます。だから女性たちはこぞって痩せたがり、ダイエットに励みます。ちっとも効かないサプリを飲んだり、ついにはリバウンドの休憩にダイエットしてみるという状態になったり。結果、長期に渡ってあれこれグッズを試して経済を回してくれるのです!

 

それに引き換え、万年スリムな美人たちの食べないダイエットは経済を滞らせます。まさに痩せ細った思想です。そして不健康。50代、60代用の通販では、美容から健康へと移行するように、いくら美人でも骨盤スカスカ尿もれおばあちゃんは、ブスな健康&元気なおばあちゃんには勝てないのです。よってデブス様の生き様は、日本に夢と希望を与えるだけでなく、本人が一生「痩せれば人生変わる」と希望を抱いている限り、自身にも夢を与え続けているものなのです。実際に痩せてしまうと「痩せてもブスだった」と気づいてしまいますが

 

はい、つまりは「自分がどう思うか」にかかっています。必要以上に見た目を気にするのはよくないけれど、気にしなさすぎもよくない。不潔とかだらしない、TPOに合わせないはさすがにね。ブスでもそこはちゃんとしようということかな。読めば読むほど何を言っているかわけがわからなくなるのは事実ですが、とりあえず「明るく生きろ」ということで、いいですか?

 

今は整形もカジュアルになっているけれど、あれも結局やったところでブス認定されてしまえば、「ブス!」と言われてしまうものだと思うのです。自己満は大事だけれど、それで客観的な美人になったかどうかは、他人が判断することなので、世間がブスと言ったら残念ながらブス扱いされてしまいます。

 

なんかバカらしい。自分じゃコントロールできないものにアレコレ悩んでも意味ないじゃん。そもそも「かわいい」という言葉も信用しないほうがいいでしょうね。かわいいなんて、かわいくないと思っていない人にしか使わない言葉ですから(笑)

 

というわけで、うちらは佐々木希にも、橋本環奈にも、浜辺美波にもなれない。鍛えて得するのは心だけ。無理に冒険しようとすると、逆にお化粧モンスター化するおそれあり。そして人にブスというデスワードを使わないようにすることも大事。まぁ自分にブスと言ってくる人がいたとしても、相手もブスなわけで、というか日本人の多くが該当すると思っていればOK。強く生きましょう。

 

 

以上、『ブスの本懐』のレビューでした!!