引きこもりのユチューバー”ジョン”は、素性を隠しながらネット上で正義のヒーローを演じています。ある日、悪徳請求業者に電話をかけておちょくるという企画で生配信を行ったジョンは、相手を怒らせ直接対決を申し込まれてしまいます。しかしジョン”の本当の姿は佐藤純という気弱な青年で、イキがっていられるのは動画内だけ。現実では友人ゼロ、家族からも距離を置かれている”コミュ障”です。

 

そんな純は、タイガーマスクを被ると人格が180度変わって強気になります。もちろん動画配信をする際は、このマスクが必須で、純はタイガーマスクに変身している時だけ怖い者なしになれるのです。「もしかすると自分は解離性同一性障害なのかもしれない」そう思った純は、気づくと一日の大半をジョンに奪われていました。

 

一方、ジョンにハメられ、一躍”おバカ悪徳請求業者”として注目の的になった鉄平は、後輩の樋口と一緒にジョンの情報を探しまくります。ネット掲示板からのリークにより、ジョンの自宅と連絡先を手に入れたふたりは、その情報が確かか下調べすることに―

 

そしてついにジョンVS鉄平の決闘日となり、既に動画も回って準備OKとなった段階で・・・、なんと事態は思わぬ方向へ進むことになってしまいます。

 

まず、鉄平(と樋口)はジョンを追っている間に、自らもヤクザ(会社の先輩兼上司)から追われることに。それだけでなく、ジョンの居場所を突きとめる際に協力してもらった女子高生が大ピンチに陥ってしまい、今すぐ助けに行かなければならなくなります。しかもその女子校生の友達がジョンの妹だということも知り・・・

 

ここから物語はもの凄くハチャメチャな展開になっていきます。でも最後はとてもスッキリ。ジョンと鉄平のキャラが濃いので、ユーモアもたっぷり。こいつらバカだなぁ~と思いつつも、憎めないキャラたちの奮闘をみなさんもぜひご覧ください。

 

以上、『正義の申し子』のレビューでした!

 

・・は、さすがに短いので、もう少し補足します。

 

例のジョンVS鉄平の「ユーチューバーVS悪徳請求業者」の動画は初回から大バズリします。その理由はジョンもなかなかですが、それを上回る鉄平のキャラの濃さ。おバカすぎて面白いのです。その上、キレるとゴテゴテの関西弁になるので、視聴者からは大ウケ。最初は一般の会社員を装っているのですが、ジョンからおちょくられるとすぐにキレて、全然「詐欺師」の正体を隠しきれていないのです。もちろん鉄平の営業成績は悪く、本人もそれを気にしています(笑)

 

一方、ジョンはそんな鉄平を「逸材」と評し、こいつで何回か動画を撮れないかと企みます。しかしある日、妹と喧嘩したあと部屋で配信をしていると、警察がやって来て「佐藤く~ん」と部屋をノックされてしまいます。このせいで名字を晒してしまったジョンは、視聴者から「普通の名字w」「もしかして知り合いかもしれない」と個人情報を特定されてしまうことに。

 

それでも再生回数のため、今度は直接対決の様子を配信しようとしたジョンですが、油断していた隙に鉄平からマスクを取られ、カメラの前で素顔まで晒されてしまいます。すると別人のように大人しくなってしまったジョンに視聴者はガッカリ。顔も冴えないガキんちょ風だし、普段のキャラからかけ離れすぎた名字・容姿・性格ということで、大ブーイングをくらいます。逆に鉄平の方は、おバカな関西人という位置づけだったのに、登場したのは長身イケメンで視聴者も盛り上がります。

 

なんというか、ふたりとも「よめないヤツ」でとても愉快なんです。どちらも悪にはなり切れないイキリボーイ。気づいたときには結託して正義の申し子となり、本当に悪い奴らを懲らしめにいく、といったお話になっています。

 

今度こそ本当にレビューは終わり!

 

二時間ドラマを観ているような感覚で読めるので、あまり本っぽくない印象を受けます。

 

水戸黄門やドクターXがお好きな方は、このちょっとアホな正義マンの活躍に感動するかも?しないかも?

 

興味を持った方は、手に取ってみてくださいね。

 

では、また。

 

 

 

 

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