今回ご紹介するのは、加島祥造さん「求めない」です。

 

こちらは、こんな時代だからこそ読み返したい詩集になります。

 

みなさんはこの忙しい現代社会で心の栄養は足りていますか?あなたは何のためにそんなに頑張っているのですか?もう一度自分を顧みると、少しだけ明日が生きやすくなるかもしれません。

 

 

 

 

全て「求めない」で始まるベストセラー詩集

「求めない――すると 心が広くなる」「求めない――すると恐怖感が消えてゆく」「求めない――するとひととの調和が起こる」「求めない――すると待つことを知るようになる」……。「求めない――すると……」という言葉が繰り返される本、『求めない』。けれど、信州伊那谷の自然の中で暮らす著者・加島祥造氏は、何度となく「人間は求める存在だ」とも言います。求めることを否定せず、なぜ私たちは、もう足りているのに求めてしまうのだろうかとやさしく問いかけるのです。そして、求めることをほんのちょっとやめてみたら、生きることが楽になり、日々が楽しくなり、思いがけない可能性が開けるかもしれないよと笑顔で誘います。現代人の心に響き渡る45万部の大ベストセラー詩集。「求めない――すると 何かがかわる」息苦しい社会で生きる私たちは、いまこそ「求めない」を読むことで、心の平安を取り戻すことができるはずです。(Amazonより)

 

 

チェルミーポイント

他人の幸せそうな姿を羨んだり、焦ったりするアナタへ。日々の競争に疲れて自信を失っているアナタへ。寝る前にSNSではなく、本書の言葉を眺めてみませんか?今や大人も子どもも関係なく失いつつあるモノ、それは何なのかを本書を通して思い出してみましょう。

 

 

<感想>

人は「求めない」といっても、どうしても求めてしまう生き物です。本書はそれを承知の上で「求めない」としています。

 

頭で考える欲求と体が求めるそれはまったく違う。なのに頭は体を押しのけて、余計なものまで求めてしまう。

 

わかりやすくいうと、食生活(笑)生きていくに必要な栄養は摂っているのに、それでもまだ食べる、食べる。

 

足りているのに求めるのは一種の錯覚です。つまり、ここでいう「求めない」とは、求めなくていいことまで、求めないということなんですね。ほどよいところで止めてねってこと。

 

求めなければいまじゅうぶんに持っていると気づくし、いまあるものを大切にしようとする。案外、それでも生きていけると知るし、自分の好きなことができるようになる。

 

自分が求めなければ、ひとも自分に求めなくなる。そうすれば、ひとからも自由になれる。おまけに前よりもひとの言葉がわかるようになる。すると、ひとは安心して自分に寄ってくる。なぜならみんな話を聞いて欲しいから。けれども自分に求めているひとは去っていく。逆に自分に求めないひとは自分とともにいる。

 

求めてばかりいては見えない大切なものがあるということですね。

 

それでも「求めない」のは難しいですよね。私もまだまだ強欲で、それゆえに勝手に悩みを生み出しています。そんな私が一番グッときたのはこの言葉。

 

 

求めない

 

すると自分が自分の主人公になる

 

だって求めるかぎり君は、求めるものの従者だもの

 

 

あーそうかも、それは嫌かも!って思える!それと、もうひとつ真理的なものを。

 

 

なぜひとは足りているのに、さらに求めるんだろう

 

怖いからさ!足りているのに足りないときのことを気にしてもっともっと持ちたがるんだ

 

 

これ私じゃん(笑)求め合うではく、与え合えば豊かになるのに、世の中は難しいですね。草花のあり方に見習わないとね。そもそも、もっと自然に生きないと人間も疲れてしまうんでしょうね。自然に逆らった生き方をしているから心が死んでしまうのかも。

 

本書は「求めない」がリズミカルに続きます。どんだけ言われるんだよってくらいに。でもそれくらい暗示をかけないと人間はバカだからすぐに欲を出してしまいますよね。

 

「足るを知る」

 

言葉こそ知っていてもなかなか実行できないものです。それに加え、大人になって行き詰ったり、ボロボロにならないとなかなか行きつかない言葉でもありますよね。

 

大人になるまでの過程でさえ、たくさん求めてしまうあまり、過剰に疲弊している私たち。なのに大人にならないとその正体に気づけないなんて愚かですね。

 

今やスマホを開けば承認欲求の世界が待っています。

 

子どもたちにスマホの使い方講座を開くより、この詩集の言葉を届ける方が心に響くものがあるかもしれません。

 

そんな意味では若い子にも読んでほしい詩集です。

 

以上、「求めない」のレビューでした。

 

 

向上心と「求める」は違う!似た姿だからこそややこしい。努力を間違った方向へ使ってしまうのと同じで、言葉のせいで勘違いをしていることもある人間。自分たちがつくったものに、悩まされていたり・・・。なんと情けない。きっと楽に生きるとは楽に考える事なんでしょうね。