今回ご紹介するのは、石川結貴さん「スマホ危機 親子の克服術」です。

 

こちらは、どんな内容の本?と聞かれれば、アンデュ・ハンセンさんの『スマホ脳』のターゲットを日本の親子向けに絞った感じと言えばいいのでしょうか・・。

 

 

対象は「スマホ弱者世代」の親といったところかな。そうでない世代にとっては当たり前じゃんと思うかもしれません。

 

 

 

<あらすじ>

子どもがスマホを手放さない、子どもがやっていることがわからない。多くの親がそうした悩みを持ち、どう対応すればよいのか戸惑っている。そんな「スマホ弱者」の親でも子どもを変えることができる。多くの実例を取材した著者が、実践的かつ効果的なスマホ教育を伝授する。

 

 

んー、たまに何の話し合いもなく、ただポンと幼い子にスマホを与えて、依存症の症状が出たあとに困惑する親がいると思うんですが、本書はそんな親が増えないように注意をしている本といった感じです。

 

私の姉もそうなんですが、スマホ弱者の人は子どもがネットを使って何をしているのかわかっていない場合が多いです。普通に親よりもネットを使いこなせているので、あっという間に手に負えなくなるんですよね。

 

ひとつの対策として、私は本書にもある通り、できるだけ親も子どもがやっているアプリを一通り網羅することをオススメします。

 

YouTube、TiKToK、ツイッター、インスタグラムなどなど。ゲームならフォートナイトあたりも。とにかく親も使ってみることをオススメします。親が試してみることで、話し合いをすれば、子どもにとってトンチンカンな決まり事を作ることもないのでは?と思うのです。(全機能に時間制限をかけるのではなく、アプリを選んで制限するなど)

 

危ないネットの世界から親が”保護者として”守ってくれるというベースがある子はトラブルが起きても、親に相談するケースが多く、そうでない子は「親にいってもわからない、何もしてくれない、理解してくれない」と、どんどん心の距離がそのまま、リアルの距離にも繋がっていきます。前者は購入前にスマホの使い方について親子で話し合っている場合が多く、後者は何も考えず安易に親が子どもにスマホを与えた場合が多いと考えられています。

 

親からみたらゲーム中毒に見えるようでも、実際はチーム戦に抜けると迷惑がかかったり、イジメられたりするので四六時中対戦するはめになっていたり、レベルを合わせるために課金しなければならなかったりと、子どもなりの悩みがあったりします。(課金できなければ頻繁にログインして地道にポイントを貯めるなどの苦労がある)

 

しかし、これもすべての子がそうなっているわけでなく、やはり親子できちんと管理方法について話し合っている家庭では、そこまで自由にプレイはできません。子ども同士でも無法地帯となっている家庭の子(仲間)は何となくわかるので、一度ボス的な子にマークされ、その群れの中に入ってしまうと、もう抜けさせてはもらえなくなるのです。

 

フィルタリングやスペアコントロールなどの安全対策を怠りながら、何か起きたとき、子どもだけに管理責任を負わせ、説教する親は、まず自身の意識や行動を変えた方がいいでしょうね。案外ゲーム中も誰か一人が「抜ける」というと、何人か同時に「俺も」と続くのは、本当は子どもたちもそこまでゲームをやりたいわけではない表れだと思っています。ただ自分から言い出す勇気がないのでしょう・・。

 

また、子ども目線からすると、親が理由ばかり聞いてくることも悩みだそうです。

 

「なぜ勉強しないの?」「どうして真面目にやらないの?」「なんで何時間もスマホを使うの?」

 

どうもそんなことを聞かれても上手く答えられず困るというのが本音だそうで・・。

 

自分でもなぜ勉強よりゲームを優先してしまうのか、親から怒られないように、上手く説明ができないのです。(大人が子どもだった頃も同じでしたよね)

 

当然「ゲームが楽しかったから」なんていったら大変です!大人からすれば「はあ?ふざけてるのか?」と重ねてお説教タイムです。そしてますます説明できずに困惑するループ。

 

じゃあどうするのが双方にとっていいのか。

 

それは、理由ではなく気持ちを聴いてほしいとのことです。

 

たとえば「何時間もゲームをやってやめられないときって、どんな気持ちなの?」と聞かれれば、「やめようと思ってもやめられなくてマジで焦る。自分でもヤバイなって不安になる」と感情を吐き出せるそうです。

 

そこで初めて「焦ったり、不安になったりするってことは、そこまでゲームがしたいわけじゃないの?」と次の会話に続けられます。スマホ問題には気持ちの交流が必要不可欠なんですね。

 

本書の全体が言いたいことは、子ども抜きでルールを決めるのではなく、子どもと話し合ってルールを決めてね。親子でコミュニケーションを取って互いを知る努力を怠らないでね。ということでした。

 

スマホに子どもの話し相手をさせてしまってはいけないですよね・・・。

 

スマホで知らない人と繋がりたいと思うのも、近くに繋がれる人がいないように感じるからですし。

 

そんな色んなことを踏まえつつ、何にも考えずにスマホを与えてしまった!という親へのスマホ入門書として、本書はベターな一冊だと思います。

 

以上、「スマホ危機 親子の克服術」のレビューでした。

 

 

補足

SNS上では性別や年齢を偽って女の子に近づく人が本当に多いので要注意です。