今回ご紹介するのは、ぺりかん社さん発行の「なるにはBOOKS」シリーズです。
 
 
なるにはBOOKSとは?
少年少女の夢を応援することを目的に刊行を開始し、現在150点刊行。現代社会のほとんどの職種をカバーする最大の職業ガイドシリーズ。各巻ともその分野を専門とする執筆陣を起用。ドキュメント・仕事の世界・なるにはコースからなる構成で、その仕事の魅力・現実から、なり方まで幅広く紹介。今後も多彩な職業を続々出版予定。(ぺりかん社HPより)
 
学校や町の図書館の本棚にズラリと並ぶ「なるにはBOOKS」。皆さんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。このシリーズは、細かく説明すると、さまざまな職業を紹介した本と大学の学部調べ用としての本の二種類に分かれています。
 
まず最初に「なるにはBOOKS」で将来なりたい職業を探してから学部調べシリーズを読むのも良し、または卒業後の進路が未定の場合は学部調べシリーズから読み、その後「なるにはBOOKS」を参考にするのでも良し。将来を迷っている方にぜひ気軽な気持ちで読んでいただきたい一冊です!
 
 
チェルミーポイント
ふりがな付きなので小学校高学年の子にもGOOD。しかし一番のオススメは受験前の中学生に読んでもらうこと。きっと勉強のモチベーションになるかと思います!
 
 

獣医師になるには

はい、今回はそんな「なるにはBOOKS」シリーズからNO68の「獣医師になるには」をレビューしたいと思います!

ちなみに動物や自然に関わる職業としては他にも「動物看護師になるには」、「ドッグトレーナー・犬の訓練士になるには」、「動物園飼育員・水族館飼育員になるには」、「自然保護レンジャーになるには」などがあります。

 

 

<あらすじ>
犬やネコといったコンパニオンアニマルや動物園水族館の動物たちだけでなく、牛や豚などの家畜全般や医薬品開発にもかかわり、動物相手の仕事だが、私たちの暮らしの安全のためにも、人と人とのつながり・協調が大切だという獣医師の世界を紹介。

 

 

獣医師は今後最も必要とされる職業のひとつです。本書では動物病院の先生から水族館の海獣担当、高度医療に携わる専門医まで、医薬品の開発や畜産の発展などにも寄与し、幅広く活躍する獣医師の仕事とそのなり方を解説しています。

 

 

<獣医師の重要性>

私たちが日頃飲んでいる牛乳。それは健康な牛あってこその恵みです。乳牛といっても一生涯ミルクを出し続けるわけではありません。人間も牛もミルクを出すには妊娠する必要があります。そのため母牛は乳の出が落ちていく10ヶ月を目安に次の分娩の準備をさせられます。

 

自分の子には人工ミルクをやり、人間のためにミルクを搾りとられる牛たち。もちろんオスは肉牛です。役目を果たせない牛は処分され、万が一、母牛が病気になった場合は搾り取ったミルクすべてを廃棄処分しなければなりません。そうなると経済的にも大きな打撃となってしまいます。

 

そんな経済動物といわれる牛のケアをするが獣医師。牛と人間の営み両方を守る大切な仕事です。現在獣医療はめざましい進歩を遂げ、ワクチンや予防薬のおかげで牛たちが病気になる数が減ってきているといいます。

 

またペット界の状況が大きく変化しているのも、今後の獣医療の大きな注目点です。医療の発展により犬やネコの寿命が延びたことから、動物にも人間と同様の認知症の症状がみられるようになっています。高齢化によりガンや腫瘍を患ったペットを看病・介護する飼い主も増えてきました。そしてそれらの問題に立ち向かっていくのも獣医師の役目です。延命治療か安楽死か。自宅で看取るのかホスピスか。獣医師は大変忙しくなりそうです。

 

 

他にも・・・

獣医師が活躍する分野はたくさんあります。

 

・農林水産関連

家畜衛生に関わるお仕事をします。疾病の蔓延を防いだり、感染症が発症した場合の防疫対策を行っています。(空港で動物の検疫をするなど)

 

・公衆衛生関連

食品衛生に関わるお仕事をします。食肉や海産物の監視だけでなく、ダニなどの害虫アレルギー対策、ハチの巣の撤去にも取り組みます。

 

・パラメディカル

医療品の開発やバイオメディカル分野で活躍する人たちです。動物薬関連会社、ペットフード会社、動物検査機関の検査部門などで働いています。

 

・野生動物関連

傷ついた野生動物の保護、生態系の管理、希少動物の種の保存、繁殖などをサポートします。

 

・動物福祉・愛護団体

このような活動には必ず獣医師がつきそっています。

 

・途上国への技術協力

これは説明いりませんね。言葉の通りです。

 

・JRA

ここでも獣医師は大活躍しています!

 

詳しくはこの本をどうぞ!

 

 

<感想>

日本の学校では犬ネコ以外の動物(エキゾチックアニマル)を学ぶ機会がないと知り、驚きました。日本にはエキゾチックアニマルに関する専門書や資料がほとんどないため、現場の先輩獣医師にノウハウを教わったり、海外の文献を読み漁って「こんな感じなのかな?」と治療していくんだそうです。ウサギやハムスターにイタチ・・普段関りのないペットたちは机ではなく実践で学んでいく、経験がモノをいうのだとわかりました。海獣担当の獣医師も初めは麻酔の量などおっかなびっくりだと言っており、動物のからだは人間と違い未知の世界なんだなーと思いました。

 

一方、近年では動物の専門医も登場し、ますます人間と同様の高度な医療技術が生まれています。動物版大学病院なるところも診療科が細かく分かれていてホントすごいですよねー。人間は動物によって生かされている生き物なので今後ますます獣医師の存在は大きくなってくるでしょう。だって、私たちは何をするにも動物実験を経て、その恩恵を受けているのですからね!

 

ものすごく簡単なレビューですが、一応こんな感じのことが様々な分野で活躍される獣医師さんたちのインタビューを通して読むことができます!興味のある方はぜひ読んでみてくださいね!

 

 

獣医学部

はい、そしてこの本とセットで読みたいのがコチラ。

 

 

「なるにはBOOKS」の大学学部調べより「獣医学部」になります!

 

まぁ、ぶっちゃけ中身は「獣医師になるには」とそんなに変わらないのですが、主に獣医学部とは何を学び、どんな人が集まってくるのか的なことが書かれています。

 

 

<あらすじ>

高等学校卒業者の5割超が大学進学をめざす現在。めざす希望をかなえるためにより適切な進学先を選ぶ必要が生じてきています。受け入れる大学も多様化しているためその学部名だけではイメージしづらい「どのような勉強をするのか」「どのような希望がかなうのか」などの疑問を解決し進路を考える手助けをするシリーズ。

 

 

たとえば・・
本書には獣医学部卒の先輩たちからのインタビューがたくさん載っています。

 

・大学には実家が動物病院をやっていたり、酪農家をしている人が多い

 

・社会人から獣医学部に入り直した人が結構いる

 

・女性が多い

 

・受験では理数科目が得意な人が有利だけど、入学後は社会(地理)と国語(文章力)を必要とする場面が多い※英語は出来て当たり前

 

・大学で習うひとつひとつの学問に関する説明もアリ(解剖実習や臨床実習の様子なども)

 

・国公立大では共同教育課程といって他校と講義や実習を連携して行うシステムがある

 

・言葉を話せない動物相手の仕事なので、普段その動物を世話している人間との会話が大事になってくる。コミュ力の向上を忘れずに!(国立大の獣医学部は少人数のため、外部の人間と積極的に交流することをオススメ)

 

・小中高は「技術家庭」を頑張ること(オペに役立つ)

 

などなど、こんな感じのことがまとめてあります。

 

獣医系大学は全国で17校しかない狭き門。将来獣医師を目指したい!と思ったアナタは早めにご準備を。

 

 

夢がないというアナタへ

私もずっと夢がないまま進路を迷っていたタイプでした。結構苦しいのよねー、コレが。それでもって、将来設計がキッチリしている友人を見て焦ったり。きっと過去の私と同じ気持ちを経験している中高生も多くいると思います。

 

やっぱり勉強って、夢やっ目標がある方が頑張れるんですよね。何もない勉強はなかなかスイッチも入らないのではないでしょうか。あるのは漠然とした不安だけ・・。

 

そんなときはぜひ本を読んでみてください。この「なるにはBOOKS」と限らずです。本には色んな体験や思考を与えてくれる力があるので、ひとりで悩んでもダメな時は、本の中の人からたくさんアドバイスをもらってください。

 

あ、でも本が苦手というアナタ!「なるにはBOOKS」なら簡単に読めちゃいますよ。150種類あるので全部読んじゃってもいいかもしれません。そのくらいスラっと読めます。

 

私が今回レビューするのに選んだのは「獣医師」でしたが、他にもいろーんな職業が出ているので少しでも気になるお仕事がある人は、「なるにはBOOKS」から該当する本を選んで読んでみてくださいね!

 

少しでも未来に夢が持てますように。

 

 

以上、「なるにはBOOKS」のレビューでした!