チェルミー図書ファイル69
今回ご紹介するのは、菅広文さんの「京大芸人式日本史」です。
Amazon商品紹介より
日本史が、こんなに一気に、面白く読めちゃうなんて! 一度読んだら、日本史の流れが頭にす~っと入っている奇跡の日本史物語。京大芸人・宇治原によると、「日本史の教科書を、物語を読むように読めば、流れが頭に入ってくるので忘れない」とのこと。ところが、教科書をそんなふうに楽しく読める人はすくない。そこで、宇治原の指導のもと、菅が日本史を「物語にしちゃいました! 」
BOOK著者紹介情報より
菅広文 1976年10月29日、大阪府高石市生まれ。大阪府立大学経済学部中退。96年8月、高校時代の友人である宇治原史規(京都大学法学部卒業)と「ロザン」(よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属)を結成(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
チェルミーポイント
・面白いので絶対に電車の中では読まないように!!一人でニヤニヤしていると、危ないヤツ認定されちゃいますよ!!
・受験生用の参考書ではなく、日本史とコントが好きな人向けな一冊。特別歴史に詳しくなくても楽しめます。
内容紹介
「歴史は物語を読むように読めば流れがつかめる」
そんな宇治原さんからのアドバイスのもと、菅さんがタイムマシーンに乗り、歴史の重要参考人たちに会いに行くところから物語は始まります。
最初は縄文時代にタイムスリップ。菅さんは縄文人に「あのーどうして土器に縄の模様をつけたんですか?」と聞きにいきます。お次は弥生時代にタイムスリップ。今度は弥生人に「あのーどうして土器に縄の模様つけるのやめたんですかー?」と聞きに回ります。
愛想の良い縄文人と塩対応の弥生人に戸惑う菅さん(笑)こんな風に時代の流れに沿いながら日本史をふり返る構成になっています。
チェルミーが面白いと思ったのは、一休さんに会ったときのエピソード。その名もとんちんかん一休さんです。もうね、一休さんのくせに全くとんちを理解していないんですよ。
ある日菅さんは、足利義満さんに会いに行く途中の橋で一休さんを見つけます。
菅「すみません一休さんですか?」
一休「(コクリと頷く)・・将軍様に呼ばれてここまで来たのですが、この橋を渡れないんです」
アニメでもおなじみの通り、立札には例の<このはし渡るべからず>の注意書きが・・!これは・・!とワクワクしてくる菅さん。しかし、一休さんは考えるそぶりすら見せず「どうしたらいいでしょうか?」と逆質問してきます。
菅の心(頼む!自分で考えてくれ。一休さんのイメージを壊さないでくれ!)
すると一休さんは、人差し指を伸ばしました。
ここで、皆さんも「あっ」と期待しますよね?あの指を舐めて、頭をなぞるアレを!!!やれ!やるんだ一休さん!!
しかし、一休さんは、その指を自分の鼻の穴に入れてしまいます・・。
一休「・・・どうしよう」
諦めた菅「”はし”って書いてあるので、”真ん中”を渡るというのはどうですか?」
一休「どういう意味ですか?」
絶望する菅「だから、この”はし”というのを、”橋”の”端”っこと考えて、”端っこを渡ってはいけませんよ”ってことにして、真ん中を渡ったらいいんですよ」
一休「よく分からないけど、とりあえず真ん中渡りますね」
・・・・
・・・・・・・(笑)
P96~100参照
他にもまだまだある面白エピソードを二つ程チョイスしてご紹介します。
生まれた時代が違う4人の対談
菅さんは生まれた時代が違う4人の歴史上人物と対談することにしました。
メンバーは、徳川吉宗さん、田沼意次さん、松平定信さん、水野忠邦さんです。
~人物紹介~
①徳川吉宗・・江戸幕府八代将軍。暴れん坊将軍で有名。米に関する決まり事を多く作ったので米将軍とも呼ばれている。
②田沼意次さん・・お主も悪よのぅ・・と言って賄賂を渡しているイメージの人。米で稼ぐなんて時代遅れ!これからは金の時代さ!の人。
③松平定信さん・・真面目。田沼さんの賄賂を止めた人。
④水野忠邦さん・・飢饉であろうが幕府が米をよこせというので、そんなの無理!とブチ切れた大塩平八郎さんが反乱を起こしたけれど、やっぱり米は大事だなって思った天保の改革の人。
インタビューでは一人一人に当時の状況と政策を発表してもらったのですが、四人とも自分の政策を正当化しようとピリピリしているんですね。
吉宗さんは気に入らないことがあるとすぐに「暴れるでござるよ?」とか「誰か白い馬を!暴れるでござる!」と言うし、田沼さんは都合が悪くなるとすぐに賄賂を渡して解決しようとするしで面白い(笑)
で、結局誰のやり方が正しかったのかと話を振られた菅さんは「現代は農業中心ではなく商業が中心の社会なので、田沼さんのやり方が間違っていたとは思えません」と答えます。
しかし、帰り道。菅さんの手にはインタビュー前に田沼さんから貰った賄賂が握りしめられていたのでした。
・・・・
・・・・・・・(笑)
P125~132参照
ジョン万次郎
万次郎さんは英語と日本語がごちゃまぜのわざとらしいヤツでした。
「幕府はロングロング鎖国していたけど、清とイギリスがバトルして、ビッグカントリーの清にイギリスがウィンしたでしょ?」
とか
「井伊さんは桜田門のアウトでキルされたよ」
とか
ずっとこの調子で話すのでイライラするのですが、悔しいけれど噴き出してしまったチェルミーでした。
他にも・・
あーでも戦争するんじゃなかったなあ。(中略)それはともかく、急に日本が参戦したのは引いたなあ。あれで状況変わったもんなあ。日露戦争辺りから、日本はイギリスと仲良かったらしいねんなあ。言うといて欲しかったわあ。P182
笑いは大事
