不思議だったが、子どもたちは、私が何も言わなくても学校を卒業したらそれが当たり前みたいにそれぞれ家を出て行った。

ズルズルと働き始めてもなんとなく家にいた私とは決定的に違う。


私もずっといるんだろうな、とかすぐ出ていくのかな、すら思わなかった。


なんとなく、ふたりとも出て行った。本当にこの言葉が正しく、なんとなく、だった。


少し、寂しいのかななんて想像したけど、私はウキウキ感の方が強く、ご飯や洗濯や観たいテレビの録画とか、ゴミ箱集めとか、そんな日常のアレコレを全く気にせず自由を謳歌した。


それからしばらくして、不思議なのはやっと親になれた気がしたことだった。

子どもといるときは、私も子どもだったけど、ひとりになると俄然責任感が出て、うっかり忘れ物をしちゃいけないとか、怪我をしちゃいけないとか、なんかしっかりと足をつけて歩こうと思えた。

不思議だ。

こうやって親は親になるんだな。


友人はそれって逆じゃないなんて笑うけど、ともかくも私の場合は、ようやく還暦近くなって大人になれたのだ。