児童養護施設の仕事 | 児童養護施設で働いて思うこと

児童養護施設で働いて思うこと

元会社員で、転職し、児童養護施設と一時保護施設で働いていました。
そこで考えたこと、思ったこと、願ったこと、綴っています。

児童養護施設は、その子の人生を一緒に生きている。

 

だから、その子の子ども時代を一緒に過ごした、隣りで過ごした大人として、

ちゃんとした思い出になってあげたいと私は思っていた。

もちろん忘れてもいいんだけれど、その子がちゃんとそこで生きていたということ。

誰に囲まれて、どんな生活をして、どんな場所で育ったのか。

大人になって、足元がふらついた時、自分のルーツがわかるだけで、力がわくことがあると思うんだ。

 

写真にも一緒に写るし、手紙も書く。

大人になっても残るものに、職員である自分の存在を隠さず残す。

大好きだよ、って言葉も書いた。

 

残してしまうのは、いい思い出ばかりじゃなかっただろうけれど。

そう思うと申し訳ない気持ちだ。

 

もらったお返事は、今も大切にとってある。

手紙をくれるのは、小学生低学年の子どもが多かったから、

言葉が2,3つだけだったりする。

 

その中の一つの手紙。

私が、中学生に暴言を吐かれているのを心配して、部屋で書いて走って届けてくれた手紙。

『何があっても、しんじゃだめ!!』

かわいくてかわいくて、心がほかほかした。

そして、その子の過去から、死だったり、別れがどれほど怖いのか、身近なものなのかを思うと胸が締め付けられた。

心配してくれた気持ち、うれしかったな。

 

別の子から。

『ありがとう。たまに意地悪しちゃってごめんね。』

自覚してたんだ、と笑ってしまった。

素直でかわいい。

意地悪したい気持ちの時に、のびのび意地悪できる場所であったならよかった。

いつもいい子でいようとする場所にはなりたくなかった。

 

きっと今頃は素敵なお姉さん、お兄さんになっているんだろうな。