一時保護所の生活 | 児童養護施設で働いて思うこと

児童養護施設で働いて思うこと

元会社員で、転職し、児童養護施設と一時保護施設で働いていました。
そこで考えたこと、思ったこと、願ったこと、綴っていきます。

一時保護所に子供がきても、滞在は短期。

一応、長くて2か月とされている。

早いと1週間もせずに帰ることもある。

でも、親子の不調和がある場合、1か月くらいはかかることが多い。

親子の気持ちをすりあわせて、どんな家にしていくか話し合って、帰っていく。

 

家に帰らない場合、施設の調整をして、入所。

家に帰らないことは決まったけれど、行先が決まらず半年くらいいた子もいた。

親が他県にいる場合も、児童相談所がやりとりするのに時間がかかり、長期滞在になることが多い。

 

一時保護所の子ども達は、短期である分、入れ替わりが激しく、たくさんの子との出会いがあった。

子ども達の心境は様々だった。

多くは不安や寂しさで、マイナスの気持ちを持っていた。

親から離れて安心する子もいたけれど、独りぼっちは初めてで、やっぱりたいてい不安だった。

 

だから、なるべく明るく過ごせるように努めていた。

 

たくさんおしゃべりして楽しい気持ちにもっていったり、

オセロやトランプで遊んだり、

許可があれば、散歩に出たり。

一緒にテレビを見たり、絵をかいたり。

食べたいものがあれば、メニューに取り入れたり、

読みたい本や漫画があれば、施設の図書室から持ってきたり。

会いたい職員がいたら、なるべく勤務調整して入ってもらったり。

リクエストはなるべく叶えるようにした。

その子が尊重されていると感じるように。

大事にされていると実感できるように。

 

楽しく過ごしてくれるけれど、やっぱり無視しきれない心の闇があふれると、

子ども達はよく泣いていた。

小さい子たちは「ママー」「おうちに帰りたいよー」って。

大きい子たちは「私が悪かったのかな」って・・・。

 

一時保護所では、本当に子どもたちの涙をたくさん見た。

泣かせないと決めていて頑張る職員もいた。泣かないように明るく持っていく。

それも一つの正解だと思っている。そういう職員も必要だと思っている。

でも、私は泣きたい気持ちを我慢させるのが嫌だったから、泣くのにつきあった。

たいていは、泣いたからと言って解決するわけではなく、スッキリするわけでもない。

でも、吐き出すところも必要だって思っていた。

正直、泣くのに付き合うのは時間もかかるし、こちらの気持ちも持って行かれる。

だから、色々な仕事が後回しになって、さらに記録も多くつけることになって、残業になったり夜遅くまで寝ずに仕事していた。

 

あの子達は今、楽しく過ごしているだろうか。

今でも全員覚えている。

家に戻って、笑って過ごせているだろうか。

幸せになってほしい。

彼らのお父さん、お母さんも含めて、みんなで幸せでいてほしいと思う。