一時保護所って、どういうところ? | 児童養護施設で働いて思うこと

児童養護施設で働いて思うこと

元会社員で、転職し、児童養護施設と一時保護施設で働いていました。
そこで考えたこと、思ったこと、願ったこと、綴っていきます。

児童養護施設で働いた後、一時保護所でも働きました。

一時保護所は、あまり知られていないところだと思います。

 

例えば。

虐待が疑われて、児童相談所が介入し、子どもを親から一旦離したほうがいい、となったとします。

子どもを「保護」します。

保護した子どもは、どこでご飯を食べて、どこに泊まって、どこで生活するのか。

それが、「一時保護所」です。

 

虐待も、学校や幼稚園からの通報、本人からのSOSの他に、親自身が「これ以上いるとダメかもしれない・・・」と虐待前にSOSを出してヘルプを求めるケースもあります。

虐待だけでなく、一時的な理由で保護することもあります。親が市役所に相談した結果、最終的に保護になった場合がありました。(確か、親が数日入院することになり、子どもを預ける先がなかったケースだったかな?かなり珍しいケースです)

 

これを書く理由は、近所の子や、クラスの子が「保護されたんだって」と聞いて、必ずしもその家庭にひどい虐待があったと色眼鏡で見ないであげてほしいと、少し伝えたかったのです。

 

保護された子は、児童相談所の職員と相談し、今後の準備を進めます。

大半は家に戻ります。

家に戻らない子は、児童養護施設へ入所となるか、里親の元へ行くことになります。

家に簡単にもどって大丈夫?と思った方もいらっしゃると思います。帰っても大丈夫かどうか、児童相談所の職員が、親と子供の元へ足を運び、何度も面接を重ね、お互いの意見を伝えあい、調整します。親子がお互いに「もう一度帰ってやり直す」と同意して、子どもは家に戻っていきます。だから安心、というわけではないのですが・・・児童相談所の方も頑張っています。

 

ちなみにその相談と決定権は、一時保護所の職員にはなく、児童相談所の職員にあります。

一時保護所の職員は、話し相手はできますが、決定する権力はありません。

本当の解決に関わりたい人にとっては物足りないと思います。でも私は、子供にとって損得なく安心して関われる相手になれることに喜びがあったので、その立場を楽しんでいました。

 

一時保護所は、主に各児童相談所にあります。

しかし、最近は足りなくなっているようで、児童養護施設が建物を増設して一時保護所も開設しています。

児童相談所の一時保護施設と、各施設の一時保護所で、雰囲気が違うようです。

実際に見たことはないので、噂ですが、児童相談所の一時保護所のほうが厳しいようです。

私は児童養護施設の一時保護所で働いていました。