Would you like to sit down? その1 | フリーアナウンサー佐藤 ゆかりの 私のニッポン、私のイギリス

フリーアナウンサー佐藤 ゆかりの 私のニッポン、私のイギリス

イギリス留学を経て2002年より、在英。暮らしてみて見えてきた私のイギリス、そして、そこから見えてきた私のニッポン。目に留まったこと、ココロに触れたこと、綴ってみます。よろしかったら、JOIN ME!(記事、写真等の転載はご遠慮下さい)

ロンドン中心部のスタジオに向かう途中、地下鉄での出来事。
お昼時、席はほぼ埋まっており、立っている人もそこそこいて意外と混んでいました。

私も立っていた一人だでしたが、近くに座っていた若い男性の方が「お座りになりませんか?」と立ち上がってくれました。小柄で短髪の黒髪、どこ出身の方だろう。やや中東系??ユダヤ系?

私は席を譲られるほどの年・・・ではないと思うし、すぐ降りるので席を探してもいませんでした。でも、「座らせてー」って顔に見えたのかなぁと、ちょっと困惑しながら「大丈夫です、ありがとうございます」と言ったものの、彼は既に席を離れ、私の斜め後ろの方に立っていました。きっと彼はジェントルマンなのでしょう。

こういう時はむしろご親切に甘えて少しの時間でも座るべきか、いやもう一度、「大丈夫ですからお座り下さい」と言うべきか。一度立つと座りにくかったりもしますよね。

間もなく、「お座りになりませんか」という彼の声が聞こえました。思わず振り返った私に「かまいませんよね?」と言いたげな表情で微笑み、私も「どうぞ」と表情で返します。
席を譲られた女性はお年寄りではありませんが、私より少し年配のご婦人。
「いいんですか?」と私に尋ねたその方に「すぐ降りますから」と答え、その席は埋まりました。


世知辛い世の中、ほっこりしたひととき・・・。


佐藤 ゆかりでした。