ココロの踏切板 | フリーアナウンサー佐藤 ゆかりの 私のニッポン、私のイギリス

フリーアナウンサー佐藤 ゆかりの 私のニッポン、私のイギリス

イギリス留学を経て2002年より、在英。暮らしてみて見えてきた私のイギリス、そして、そこから見えてきた私のニッポン。目に留まったこと、ココロに触れたこと、綴ってみます。よろしかったら、JOIN ME!(記事、写真等の転載はご遠慮下さい)

ビジネスマンやOLさんに混じって電車でロンドンに向かう朝のラッシュアワー。
切符には電車のみに使えるものと、これに加え地下鉄やバスにも使えるものがあります。

以前、窓口でなんとなーく「地下鉄なし(のきっぷ)で(Without tube)」といったら
「地下鉄で使える切符?(With tube?)」と聞き返されたことがあります。

そういえば、この国に留学生として来たのはもう15年前になりますが、最初に気づいたのは、大きな声ではっきり言うということでした。日本語なまりでもカタカナ英語でも、大きな声ではっきり言えば結構理解してもらえます。

初心忘れるべからず。

そんなことを思い出し、ほんのちょっとだけピリッとした気分で
Good Morning! ロンドンまで日帰り往復、地下鉄なしでお願いします。(Day return to London without tube, please.)」

ピリッとした気分になると、目尻に「スマイルがひとさじ」入っちゃう。しかも元気におはようと言えてしまうものです。

ただね、カードで払おうとしたら、差し込み場所間違ってしまって・・・。ガーン
駅員さんの目線を感じたので「すみません、朝なもので・・。(まだ頭が起きていません)」と、正しい場所に差し込みながら言うと、
「いやぁ、あなただけでないですよ。みんな間違うんですよ」とにこっとしながら駅員さん。

そして切符を受け取る私に「Have a nice day!」
私も「You,too!」と笑顔いっぱいで窓口を後にしました。

正直この日、なんだか気分がいまいち浮かなかったのだけれど、思いがけないところで、心の踏切板を軽やかに飛ばせてもらって、一日に心地よく飛び込めた気がしました。


佐藤 ゆかりでした。