ある建物の10階会議室。
中には、約30人ほどが座っていた。
一人を除きすべてはじめて見る顔だ。
いや待てよ、何人かは見た顔がある。
そうだ、建築家特集の本で見た顔だ。
当時の私はそれこそ穴が空くほどその雑誌を見ていたのだ。
そんな本に出ていた人たちが今現実に目の前にいる。
それだけでなぜか私の心はワクワクしていた。
後日聞いたが、学生が5名ほど、建築家(卵も含め)が20名、暖房メーカー、家具メーカー、不動産関係、そして一般の方など、様々な人がいたそうだ。
当日の架空の施主は、私をこの場に紹介してくれた知人である。
彼は当時27歳。奥様と2人暮らし。現実の彼の生活環境をそのまま話す様だ。
最初に、架空の土地について説明がある。しかしこの土地は実際にあるもので、ちゃんと家を建てることも可能。
非常に狭い極小地で、両サイドに家が建っている。
その両サイドの家の大きさ、屋根の形状や窓の位置など、非常に詳しく説明される。
今回の建築家は3人いて、同時にヒアリングする。そして同時に図面も引くわけだ。
だから、3通りのプランニングが完成する。ムチャ贅沢な話だ。
これはハッキリ言ってテレビの「家を建てる番組」より遥かに面白い。
そしていよいよヒアリングのスタート。