総務部所属のアラフィフで
母に会いに
老人ホームまで行った私
コロナになったせいで
面会禁止だったの


手土産は
母の大好物の無花果
一ヶ月強も間が空いて
忘れられていたら
どうしようと心配したけど


まるで何事も
なかったかのように
ニコニコで
面会室に現れた母


無花果を差し出すと
更に顔をクシャッとさせて
無言で手に取り
皮を剥いて
あっという間に
口に入れた


無花果に夢中な母



娘たちからの

手紙を渡すと

何度も何度も読み返し

お返事書かなきゃねと



『頑張る』って
どう書くのかしらと
忘れかけている漢字を
私に尋ねながら
一生懸命
メッセージを
書き上げた



名前は出てこないけど

孫娘が二人いることは

ちゃんと覚えていてくれた

私の名前も出なかったけど…



それでも

娘夫婦と孫娘たちの存在を

気にかけて

『皆、元気なの』と

何度も問うてきた



そして

『会いたいわ』と

一言ぼそっと

呟いた



切なくなって

敬老の日に

娘たちと会いに行く

予約を取った

アラフィフ女子

玄関先まで

見送りに来てくれて

ありがとうね♡



今日のアッシュ