俺はまぁ、昔はいろいろと薬物はやってたけど自分だけは絶対にハマらないと思ってた。
実際に遊びで使ったりしていたがハマることなく、自分の人生を優先して生きてきた。
その代わり酒、博打、女と好き勝手に生きてきたんだけどね。
そんなこんなで好き勝手生きていた俺にも守りたいものができた。
当時ホレて付き合っていた女との間に子供が生まれ、俺にも家族ができた。
家族って存在が俺にとってとても新鮮で、当時の俺にとってそれが全てだった。
そしてその家族はすぐに俺の元から消えた。
失意の中で一人、俺の生きる道は少しずつ変わっていく。
腹を括り、売人生活を送るなかでシャブを打ち続ける毎日。
俺は狂いに狂っていった。
何をするにも、頭の中はシャブのこと以外にない。
狂ったようにシャブを打ち込み続け、ある日俺はふと我に返った。
これが覚醒剤の依存の深さなのか
よく売人仲間の間でも、シャブとタバコを比較にだして、シャブとタバコだったらタバコのほうがやめられないだのとよく言っていた。
タバコのほうが依存する。シャブなんかいつでもやめられると。
本当にシャブを打ち続けるとタバコなんかとは次元が違う
飯を食うよりも、タバコを吸うよりも、服を脱ぐよりも、寝るよりも
何をするよりもまずシャブを打つことにしか頭がいかなくなる
打って打って打ち続けて、気がつけば3ヶ月くらい経ってやっと我に返る
そしてまた打ち続ける
やめることを想像することすらできないよ
まぁ見事に俺はシャブにハマり、狂った
狂っても狂ってもパクられずにいたおかげで
狂いに狂った
そうやって狂っていった人間は少なからずいる
そしてそうやって狂っていった人間は、その後もその狂った歯車から抜け出せずにいる
世の中には覚醒剤の回復を支援する形での貧困ビジネスに似たようなものがたくさんある
そういった所でしか生活できずにわかっていても抜け出せない
ただの悪循環だよね
はたしてそれは生きていると言えるのか
ただの飼い殺し
シャブで狂った歯車はいつまでも続いていく
懲役を重ね、施設にかかり、ただ生きる
それならシャブでもバチッと決めて、明日のために生きたほうがまだ人間らしいんじゃないか?
人にあーだこーだ言われる前に、自分自身の選択で生きていく
人生ってそういうもんなはずなのにな
シャブ中の皆さん、元シャブ中の皆さん
頑張っていきましょう