彼氏彼女の事情 20巻 津田雅美先生
20巻、読み応えありました。父親は母親を殺しに来たのでした。心の中では「ありまを殺人犯の息子にしないで!」と叫んでおりました。もし亡き者とするにしても、犯罪とはっきり分かる銃を使うのではなく、争っているときに母親がうっかり足を滑らせて自分で海に転落するという形にしてあげて―――などと身勝手なことを考えながら読みました。ここで1番印象に残ったのは、クライマックスの見開きのページです。ずーっとシリアスなのです。絵も、テンションも。なのに、見開きページの中央下くらいに当たる左側に、主人公のギャグ調のコマが2コマ。主人公は拳銃を拾っております。読んでいて、なぜこの2コマだけシリアスタッチじゃないのだろうと疑問に思いました。ものすごく不自然なのです。理由は次の話<わ>の最後、ありまの実父がNYに帰るときに分かりました。流石、津田雅美先生。ヘビーなシリアスが一気に「彼氏彼女の事情」の通常に戻ります。ありまの父親は拳銃を日本で調達したのでしょう。持ったままで入国できませんから。でもって、主人公に「あれ 好きにしていいよ」と言ったのは、持っていたら出国できないからでしょう。その場に放置しても足がつきそうです。19巻のシリアス場面は、縦線で割られたコマが数多く登場しました。そして、浄化というか昇華というか、そういった場面では背景なしで細い線の白っぽい絵。この後、いよいよ、主人公のお腹の子供についての話が展開されるのかと思いきや、ありまの養母の話になりました。最終巻を読む前は、愛着のある登場人物だったから、友達の話がストーリーに IN するのと同様に IN したものだと思っていました。しかし、最終巻まで読んだ後に重要だと気づきました。主人公は高校生なのに子供ができてしまいました。このことを養母が心から喜んで受け入れる背景が必要なのです。20巻のラスト、周りが妊娠を祝福してくれました。んーっと、主人公の父親以外。主人公の父親は、「雪のにはチューだってまだ早いよ……」と娘のことを思っていたので。この場面、笑えます。