2006年ドイツ大会のJFAテクニカルレポート を読み返していたら、オシムさんと布さんの対談に改めて目を奪われた。

「勝つことと育てることとの矛盾の間にサッカーコーチは生活しているのです」


以下「Technical News vol.15」より一部抜粋


布:日本ではどうしてもある現象として、目先の勝負に勝ちたいと、コーチが考えてしまうことがあります。

オシム:
世界中に共通する問題で、負けてもいいから選手を育てればいいということを口では言いますが、負けてばかりいるチームでは選手は育ちません。
つまり勝つことで自信をつけるわけです。大事なことは、誰のためのサッカーなのか、誰のためのチームなのかということです。
例えばU-15の全国大会で優勝したとします。それでコーチが自分のタイトルを取ったということで喜ぶだろうけども、もっと大事なのはその年代を卒業したあと、選手がどうなるかということをコーチがどれだけ考えているかということです。
勝つことと育てることは矛盾すると同時に矛盾しない、両方が言えますが、問題なのはコーチが大事なのか、選手が大事なのかということをコーチがどう考えるかということです。勝つことと育てることとの矛盾の間にサッカーコーチは生活しているのです。



「当たり前」に起こる矛盾に真っ向からぶつかり、矛盾を感じることを「当たり前」に感じていくことが凄く難しい・・・

いよいよ決勝と3位決定戦を残すのみとなった2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会。

さて、日本にとっては2002年日韓開催以来となる、いわゆる「アウェイ」の大会では初となる決勝トーナメント進出を果たした大会。日本の決勝トーナメント進出により、多くの「ライト層」がこの結果をより大きな快挙として捉えてくれたことで日本中に大きな感動を産んでくれた。

ただこの結果は、果たして偶然の産物か?それとも起こるべくして起こった必然の結果なのか?
この「検証」に関しては絶対に欠かすことの出来ない最重要項目。

今大会、ドイツは準決勝で破れ優勝の道は途絶えたが、ベスト4進出という結果 は必然に感じている。

しかし、2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会で日本代表が残してくれた功績は計り知れない。
だからこそ日本サッカーを愛する全ての日本人がその功績を称え、また厳しい眼差しで接していく必要を切に感じている。

日本を代表して選出される選手はもちろんのこと、それをサポートする日本サッカーを愛する全ての人の思いの結晶がW杯であると信じている。
2014年ブラジル大会を目指す選手のより一層の精進はもちろんのこと、選手としてはW杯に臨むことがない我々にとっても、出来ることのウェイトが果てしなく大きなものと感じる。

そして、今後日本が、W杯で決勝トーナメントに進出することが必然となることを信じて疑わない日本人の一人でありたい。
その為に何が出来るか?微力でもその為に少しでも貢献できるようなサッカーを心から愛する日本人でいたい。

俺は日本のサッカーが好きだ。
そのことを改めて痛感させてくれた、2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会に感謝。





選手の皆さん、そして日本サッカーを愛する全ての皆さん、本当にトーナメント進出おめでとう!!
朝っぱらから嬉しすぎるは、うるうるきちゃうはでアドレナリン大噴出でした。

とにもかくにも嬉しいの一言。
これでまたサッカー熱が日本全体に広がってくれることを期待しちゃいます!

そして最後に予選リーグで感じた事。
中澤の経験はこのチームにとって何物にもかえ難いものであると痛感。
中澤の心身の成長なくして、この結果はなかったんじゃないかと思ってます。

W杯の舞台で戦う日本代表を、1試合でも多く観れることを信じつつ心から応援したいと思います。