バーミヤンやガンダーラの当時を想像するのは至福の時間だ。
菩薩像頭部 3-5世紀 アフガニスタン東部 ストゥッコ
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160626/04/myessay/6c/91/j/o0549082813682078870.jpg?caw=800)
菩薩像頭部 3-5世紀 アフガニスタン東部 ストゥッコ
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160626/04/myessay/d1/37/j/o0550082513682078872.jpg?caw=800)
ヴァジュラバーニー(執金剛) 3-5世紀 Hadda ストゥッコ
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160626/04/myessay/d1/ee/j/o0550140113682078871.jpg?caw=800)
ヴァジュラバーニー(執金剛)の解説は、東京藝術大学アフガニスタン特別企画展展・図録から
引用させていただきます。
文字通り「金剛杵を執る者」のことで、ガンダーラで生まれた図像である。金剛杵とは稲妻
を図像化したもので、その原型はゼウス神の雷霆こある。もとは冬(死・悪龍)を打ち破り
春(誕生一再生)をもたらす春雷に由来し、その仕事を担った神々の王の持ち物であった。
インドの神々の王のインドラも手にしている。これらの神にも優る仏陀の神通力を表すもの
として金剛杵を採り入れたが、仏陀みずからが手にするのではなく、それをもつ専任者として
執金剛が生み出された。仏陀はこの力を全面にだすのではなく、うちに秘めた神通力として
執金剛を創り出し、いつもそばに置いている。本品は右手のところにヴァジュラの痕跡が
認められる。若者・壮年・老人・髭面など様々な顔を持つが、従者として衣装は常に簡素で、
装身具を着けることもない。なかにはヘラクレスの姿を採る者もいる。仏陀の守護者というの
は間違いで、のちに中国に入って独立した執金剛神となり、仏法の守護者となった。
追記 お大師様(弘法大師)が右手に持っておられるのが「金剛杵」だったと記憶しています。
詳しくコメント欄でご説明いただければ嬉しいです。