アフガニスタン流出文化財-6 | 山 スキー 旅行 巡礼 ルネッサンス絵画 Mountain Ski Travel Pilgrim Renaissance

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山 スキー 旅行 巡礼 ルネッサンス絵画 の Log と Essay

思ったこと 感じたことを

玄奘三蔵の『大唐西域記』を拾い読みしている。

バーミヤンやガンダーラの当時を想像するのは至福の時間だ。



菩薩像頭部  3-5世紀  アフガニスタン東部  ストゥッコ





菩薩像頭部  3-5世紀  アフガニスタン東部  ストゥッコ





ヴァジュラバーニー(執金剛)  3-5世紀  Hadda  ストゥッコ




ヴァジュラバーニー(執金剛)の解説は、東京藝術大学アフガニスタン特別企画展展・図録から

引用させていただきます。


文字通り「金剛杵を執る者」のことで、ガンダーラで生まれた図像である。金剛杵とは稲妻

を図像化したもので、その原型はゼウス神の雷霆こある。もとは冬(死・悪龍)を打ち破り

春(誕生一再生)をもたらす春雷に由来し、その仕事を担った神々の王の持ち物であった。

インドの神々の王のインドラも手にしている。これらの神にも優る仏陀の神通力を表すもの

として金剛杵を採り入れたが、仏陀みずからが手にするのではなく、それをもつ専任者として

執金剛が生み出された。仏陀はこの力を全面にだすのではなく、うちに秘めた神通力として

執金剛を創り出し、いつもそばに置いている。本品は右手のところにヴァジュラの痕跡が

認められる。若者・壮年・老人・髭面など様々な顔を持つが、従者として衣装は常に簡素で、

装身具を着けることもない。なかにはヘラクレスの姿を採る者もいる。仏陀の守護者というの

は間違いで、のちに中国に入って独立した執金剛神となり、仏法の守護者となった。



追記 お大師様(弘法大師)が右手に持っておられるのが「金剛杵」だったと記憶しています。

詳しくコメント欄でご説明いただければ嬉しいです。