たった3日間だけれど、一緒に行動して気心が知れたのか、全さんは色々と話してくれた。
自分は今、ガイドとして働いているけれど、将来的にはもう一度大学へ通って先生になりたいのだが、両親、特に母親がそれを許してくれそうもないので難しいかなぁとも思うと母にこぼしていた。
彼の話を聞いた母は、全さんが一人っ子なので、ご両親も色々と心配しているから少しでも収入の良いガイドの仕事を続けていくことを希望するかもしれないけれど、自分の意思が固いのならば、キチンと話をして両親を納得させ、それから希望の道を歩きなさいと答えていた。
それには、学費の面でご両親に負担を掛けさせないように、キチンと計画性を持って貯金をして、ある程度溜まってからその話をするようにしたらどうかとアドバイスもしたり。それには全さんも気がつかなかったらしく、大きく頷いて、もっと具体的に計画するようにしますと答えていた。
ベンチに座って暫くお喋りしているうちにチェックイン・カウンターの入り口のところに団体客が並び始めた。どうやら格好から推測すると日本人らしい。
すると、全さん「どうして日本人は、皆さん帽子被って旅行するのですか?」と聞いてきた。それを聞いて母と2人で顔を見合わせて大笑いしてしまった。格好で日本人だと遠くからでもすぐに判ると言う(笑)。
そして更に母が「荷物も沢山持ってくるのも日本人よね」と追加して言うと彼も大笑い。
「帽子ねぇ、どうなのかしらねぇ?」と私達親子の返事。なんせ私達は帽子を被って旅行なんてしないものだし。「普段、被らないから判らないわ。今回だって私達は帽子ではなくてサングラスだったでしょ?あれで日差しを遮るなら十分だもの。」と答えになっていない答え(苦笑)。
まぁ、一部ガイドブックなどに書いてあるのをそのまま鵜呑みにしている場合が多いのも事実だし。荷物も普通の日本人は大きなスーツケースで来るのに、私達の荷物の少なさを見て、彼はホントに驚いたらしい。「本当に必要なものだけしか持ってきていないからよ。3日間だけなのにアレもコレも必要ないもの」と答えたら、こちらの方には納得したらしい(笑)