今、福島県に多数の海外の研究者やジャーナリストが訪れている。
先月だけで、福島市の私の事務所に5人ほどお越しになられているので、福島大学など県内の大学には、その何倍もアクセスがあるのだろうと思う。

 一昨日は日本でも話題になった『災害ユートピア』の理論的支柱を提供した米デラウエア大学教授で、同大学災害研究所副所長のトリシア・ヴァッハテンドルフさん、本日も、上智大学教授のデビッド・スレーターさんとお会いし、自由にディスカッションさせていただいた。

それはまさに、私の福島での体験が専門家や研究者の方々の「知」と「体験」に出会う感覚。そして、最近、とみに海外の研究者、学者の方々との出会いが重なり、新たなフェーズを迎えていくのかもしれないといった予感も伴う。

 私は2005年に米国のマイアミ大学、その後、2008年にフィリピン大学、アテネオ・デ・マニラ大学にそれぞれ客員研究員で留学したが、いずれもそれらの大学では、社会人のリカレントを奨励していたし、授業といってもほとんどがゼミ形式のディスカッション。「自分の意見を持つ」「他人の意見との違いを知る」「ディスカッションを大切にする」授業が行われた。

 これはまさに、世界共通といってもいい、グローバルな活動をするうえでは欠かせないものだ。
日本も今、ディスカッションとエンローリングのフェイズに入っているのだろう。人と人とが話し合い、相手の意見を認めつつ、議論してより良い方法を探る。今週お会いしたお二人とのディスカッションでは、自分の世界に相手を招待し、その後の感想や意見が、全く予想もつかない内容で、自分にも気が付かない知的好奇心の引き出しを空けてしまったような、意識下にあった体験を刺激するような出会いだった。まさに「世界が広がる」体験だ。

 これは、私たち福島県民が持つ「体験」と、県外から訪れる研究者や支援者やジャーナリストや、あるいは福島を知りたいといった観光客を含めた幅広い外部者との「知」や「知見」とのインタラクティブな出会いだ。
 その「体験」と「知」、「知見」を交換し、新しい反応を起こすことは、これからの世界が必要としている「知と体験のフェアトレード」ではないだろうか。

 明日は法政大学の舩橋研究室の方がお越しになる。
 超学際的な発信が福島から生まれたら、その拠点になれたらと考えている。
 
(9月1日)