ムーンライト・シャドウ (Moonlight Shadow)
今回は好きなミュージシャンのマイク・オールドフィールド (Mike Oldfield) の「ムーンライト・シャドウ」に焦点を当てて紹介したいと思います。
この曲は、マイクが1983年にリリースした曲です。
歌はマギー・ライリー (Maggie Reilly) が担当しました。
■ マギー・ライリー (Maggie Reilly)
オリジナルのマギーによる曲です。
マギーはスコットランドの出身で、マイクとのコラボレーションで有名です。
テンポのよい爽やかなメロディーの曲で、楽しいことを歌った曲かと思われそうですが、歌詞は決して明るいものではありません。
歌詞は・・・
銃で撃たれて死んでしまった彼は、月明かりの影によって遠いかなた (天国) に連れ去られてしまった。
「遠い天国であなたに会えるよう祈ります」という、
不幸な決闘事故で命を落とした恋人の死を嘆き、泣き崩れる女性を描いたものなのです。
歌詞に注目して聴いてみましょう。
この曲は、実際にこのような事件が起きて、それをモデルにして書かれたかというと、それも違うようです。
マイクは、映画『魔術の恋』(1953年) を観て、インスパイアされてこの曲を書いたと言っています。
『魔術の恋』は奇術師ハリー・フーディーニの伝記映画です。(下記に紹介)
そして、この曲は数多くのミュージシャンによってカバーされています。
いくつかの特徴的なカバー・バージョンを紹介してみます。
■ ダナ・ウィナー (Dana Winner)
ベルギーの歌手です。
■グルーヴ・カヴァレージ (Groove Coverage)
ドイツのトランス系バンドです。
■ 嶺川貴子
日本の女性ミュージシャンです。
■ ナンシー・ルー (Nancy Loo)
台湾出身。日本語版です。ただし、歌詞は原曲とは全く関係ありません。
映画『魔術の恋 (HOUDINI)』(1953)
実在したアメリカの奇術師で脱出王のハリー・フーディーニ (Harry Houdini) の恋と生涯を描いた作品です。
次に紹介するビデオ『フーディーニ』は2014年版の新しいものです。
フーディーニは事故で亡くなってしまいますが、死の直前、妻ベスに対して
「死後の世界があるのなら、必ず会いに行くし連絡をするから」と伝えたそうです。
短編小説『ムーンライト・シャドウ』(1988)
作家 吉本ばなな の青春小説です。
愛する恋人を不慮の事故で失った主人公の孤独と悲しみ、そしてやがて未来に向かって歩き出すというストーリー。
吉本ばななが大学の卒業制作として執筆したものです。
マイクの曲「Moonlight Shadow」にインスパイアされて書き上げたといわれています。
曲の歌詞にも、死んだ男性の姿が朝4時に川の向こうに現れる……という一節がありますね。
そして、この小説は映画化されました。
映画『ムーンライト・シャドウ』(2021)
「満月の夜の終わりに死者ともう一度会えるかもしれない」という不思議な現象「月影現象」について語り合う場面があります・・
好きなミュージシャンですから、以前このブログで7回に渡って紹介してあります。
興味のある方はどうぞ~
Mike Oldfield について ➩ 第1回目の紹介
その後、2回~7回と続きます。
曲「Moonlight Shadow」は ➩ 歌の紹介
歌はミリアム・ストックリー (Miriam Stockley) によるものです。