前回、キース・エマーソンのパフォーマンスの話題が出ましたので、今回は本元のELPをお届けします。

 

ELP (Emerson,Lake & Palmer)
 

 

エマーソン・レイク・アンド・パーマー (ELP)
イギリスのキーボード、ベーシスト兼ボーカリスト、ドラマーを擁するキーボード・トリオです。
1970年代のプログレッシブ・ロックを代表するグループです。

キース・エマーソン (Keith Emerson) キーボード
グレッグ・レイク (Greg Lake) ボーカル、ベース、ギター
カール・パーマー (Carl Palmer) ドラムス

3人とも豊かな音楽性があり、卓越したテクニックの持ち主です。

演奏には厚みがあり、迫力には圧倒されます。

エマーソンに至っては、派手なパフォーマンスも売りですが……
レイクがギターを演奏するときは、エマーソンが片手でベース・パートを受け持っています。

ELPは1970年6月結成されました。
3名とも結成前からそれぞれのバンドの活躍で知名度があり、デビュー当時からマスコミも注目し「スーパー・グループ」と呼ばれていました。

1980年2月、解散を発表します。
1980年代半ば、再結成の話が出ますが、パーマーは他のグルーブの活動が忙しく(当時 エイジア で活動)、パーマーの代わりに コーバー・パウエル が加入し、「エマーソン・レイク・アンド・パウエル」として活動が始まりました。省力名は以前と同じ「ELP」でした。
その後も離脱、再結成、解散が続きます。

ELPは音楽の限界に挑戦する最前線にいたといえます。
ロックのパワーとクラシックの美しさを融合させようとした情熱的な信念を示してくれました。

好きな曲を何曲か紹介します。

展覧会の絵 (Pictures at an exhibition)
ムソルグスキーの「展覧会の絵」をアレンジした曲です。
1971年3月26日、ニュー・キャッスル・シティ・ホールのライブでの収録です。

 

 






ナットロッカー (Nutrocker)
チャイコフスキーの「くるみ割り人形」をアレンジした曲です。

 





■ セ・ラ・ヴィ (C'est La Vie)

 

 

 



庶民のファンファーレ (Fanfare for the Common Man)

 





タルカス (Tarkus)
1971年5月に発表されたセカンド・アルバムに収録された曲です。
ELPが本格的にシンセサイザーを活用し始めた作品で、シンセサイザーをステージに持ち込んで、楽器としての可能性を提示したのがELPといわれます。

ELPは1972年に来日しました。
後楽園球場でのコンサートは、台風の影響でモーグ・シンセサイザーを初めとする機材の調子が悪かったり、阪神後楽園球場での屋外コンサートでは、多数の観客がステージ方向に流れ込んで、途中で中止になってしまったというエピソードがあります。
映像は後楽園球場での公演の様子です。

 





悪の経典#9 (Karn Evil 9)
1973年、アルバム「恐怖の頭脳改革」(Blain salad surgery) の中から。

 

 

 

 

【おまけ】

初音ミクのカバーがとても可愛らしくユニークなので、上と比較してみてください。

 

 


2016年3月、ソロ来日を控えていたキースは、神経系統の疾患が右手の演奏に影響していることをずっと気に病み、自宅で自ら命を絶ってしまいました(71歳)。
そのわずか9ヶ月後の12月、グレッグ・レイクも闘病生活の末、他界しました(69歳)。