Rod Stewart

 

ロッド・スチュワート(Rod Stewart) は、スコットランド系の家庭で生まれたイギリスのミュージシャンです。
彼のハスキーでセクシーな歌声が特徴で、ロック界の中でも独特の個性の光を放っています。


Sailing

「セイリング (Sailing)」 は元々はイギリスのバンド、サザーランド・ブラザーズ(The Sutherland Brothers)が1972年に発表した楽曲です。
ロッド・スチュワートがカバーし、1975年にシングルリリースし、全英1位を獲得しました。

歌詞の解釈は様々・・
一つは、恋人 (または家族) の元へ船で向かう若者の歌として
一つは、クリスチャンソング (航海は比喩) として

荒れ狂う遥かな海を、親しい人 (恋人・家族) の元へ航海していく船乗りが、暗い夜に海難に遭い、死に行くときに、親しい人にその想いを送るというもの。

歌詞には「to be free」(自由になる) という言葉が印象的に使われています。
これは、何ヶ月も船の上で暮らす船乗りが陸に下りて開放されるという一般的な意味と、
この世の苦しみから開放される (死はこの世の苦難からの開放) という宗教的な意味を含んでいます。
死によって自由になった魂は、愛する人の元へ行けるいう望みを託した言葉なのです。 

原曲の作者であるサザーランド・ブラザーズのインタビュー記事によれば、

クリスチャンソングとして作詞したとのこと。

「多くの人々はこの歌を、彼女に会うため大西洋を航海している若い男が彼女に語りかける歌だと解釈している。
実際には、この歌は恋愛や船旅とは何も関係がない。これは生涯を通して自由と神の成就へと至る人類の精神的な(霊的な)放浪の話なんだ。」
 

 


私は船出する
海を越えて帰るために船出する

嵐の海に私は船出する
貴方の御許で解き放たれるように

私は飛び立つ
空を超える鳥のように

解き放たれて貴方の元へ帰るべく
高い雲の上へ私は飛び立つ

聞こえますか?
遠く闇夜の中でも私の声が聞こえますか?

・・・



イギリスの港街ポーツマス
ここを訪れる英国の多くの人は、港を眺めながら涙を流すと言われます。
ここは、世界大戦、フォークランド、湾岸・イラク、そしてアフガンに出兵した兵士が

母国イギリスに戻って、最初の一歩を踏む地なのです。
出兵の時に、そして帰還の時に、そこで歌われるのが 「セイリング」




ところで・・・

映画『Summer of 85 』

1985年の夏、舞台は北フランスの海辺の町。
運命的な出会いを果たしたアレックスとダヴィド。
少年たちが初恋を知り、永遠の別れを知るまでの、生涯忘れられない "6週間の青春" 
少年たちのみずみずしいひと夏を描いた映画。

お互いに惹かれ合う2人が、クラブで激しく踊るダンスシーン
ダヴィドがアレックスにヘッドホンをつける。
場内の喧噪は一瞬で聞こえなくなり、「Sailing」が優しく響く・・