「あなた、生活費!!」
「今月の分はもう渡しただろ」
「あれだけじゃ足りないわよ」
「無駄に服ばかり買ってるから足りなくなるんだ!」
家に帰ると、まだ父さんと母さんはケンカしていた。
僕が家を出てから5時間は経つのに…。
「腹減っただろ。ナポリタン作ったから喰え」
兄貴はそう言って、ナポリタンとフォークを持ってきた。
「ありがとう」
僕はナポリタンをくるくると巻いて、口に運んだ。
香ばしい玉ねぎとケチャップが麺に絡み合い、とても美味しい。
「私だって女なのよ。オシャレしたいの!」
「だからって、そんなに服いらないだろ!」
父さんと母さんには、僕達の姿が見えていないようだ。
「もういい加減にしろよ!」
突然、兄貴が大声を出した。
2人は驚いて兄貴を見た。
「俺はこの家を出ていく。準も連れて行く」
兄貴はハッキリと言った。
僕は食べる手を止め、3人を見た。
「何言ってるの!準はまだ高校生なのよ。2人で暮らすのだって、大変なお金がかかるの。龍一の給料だけでやって行ける訳ないでしょ!」
母さんが叫んだ。
「そんなのわかってる。やって行けなかったら新聞配達でも何でもするさ」
兄貴も負けずに叫んだ。
「馬鹿ね」
母さんが冷たく言い放った。
「お前達がそうしたいなら、そうしなさい。金は父さんが何とかする」
黙って聞いていた父さんが、いきなり口を開いた。
「もう勝手にしなさい!」
母さんはそう言って、部屋を出て行った。
「父さんと母さんの事で迷惑かけてごめんな」
母さんが部屋を出て行った後、父さが僕達に謝った。
「気にするなよ」
兄さんが父さんの肩を優しくポンと叩いた。
父さんが嬉しそうに微笑んだ。
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