兵庫県の予防接種健康被害救済制度の申請状況について | マサヤのブログ

マサヤのブログ

政治経済に関するテーマについてコメントします。

コロナワクチンとその他の定期接種のワクチンの間で健康被害救済制度の申請状況について何か差がないかを調べたいと思い、兵庫県庁に行って情報公開請求をした。お忙しい所、私の調査研究にご協力下さいましてありがとうございます。

市役所での情報公開請求とは違い、あまりこういう形で請求はないのかなかなか担当の方につないでもらうまでに時間がかかった。そして、しばらくして、担当の部局に案内された。

 

そこではどのようなデータが欲しいかということを質問されたので、私はコロナワクチンとその他の定期接種のワクチンで健康被害救済制度の申請について違いはないか、例えば、認定・否認までの日数に差があるかとかを調べたいと伝えた。

 

そのようなデータは用意できるということであった。そして、コロナワクチンのデータについては他の方も同様に請求されるのだが、後者のその他の定期接種のワクチンのデータについては請求はほとんどないと聞いて、やっと研究のオリジナリティをここで主張することができると感じた。

 

さて、データである。その他の定期接種に関してであるが、過去をさかのぼればキリがないので、平成30年以降の申請としてもらった。正直な感想として、申請数が少ないという印象である。結果が出ているものだけでも20件だけである(手元に資料がないので、概数であるが、結果が出てないものも含めて30件くらいである。)。

 

一方で、コロナワクチンの方が多い。申請は兵庫県下で546件である。もちろん、これら2つの接種については件数の違いはあるだろうが、ここまで多いというのも想定外であった。

 

いや、1万人に1人が出しているということを阪神間の自治体データから推測できたことを考えると、兵庫県の人口は「令和5年12月1日現在の兵庫県の推計人口は5,366,910人」とあるので、やはり1万人に1人という感じである。

 

兵庫県/兵庫県推計人口(令和5年12月1日) (hyogo.lg.jp)

 

さて、以下は健康被害救済制度の申請状況のデータである。

 

①その他の定期接種の場合

・認定・否認までの平均日数:257.8日

・認定・否認までの日数の中央値:251.5日

・認定・否認までの日数の標準偏差:102.9日

・否認率:10%(認定数:18、否認数:2)

 

②新型コロナワクチンの場合

・認定・否認までの平均日数:313.9日

・認定・否認までの日数の中央値:311日

・認定・否認までの日数の標準偏差:143日

・否認率:14.7%(認定数:307、否認数:47+6(不認定))

 

不認定って何?と思うが、ここでは認定はされないということで否認の方に加えた。

 

なお、この日数は県進達日から国認定日までの日数である。すなわち、市町村を申請の窓口としているこの制度においての、市町村への申請日から県が受け取って国に進達する日までについては除かれているので実際はもう少し認定・否認までに日数はかかる。

 

このデータから分かることは、コロナワクチンの方が認定までの日数に時間がかかること、そして、否認率はコロナワクチンの方が大きい事である。もちろん、この差に意味があるかどうかの検証は必要である。

 

あとは、健康被害救済制度に関し、名古屋市のデータを今、待っている状況である。名古屋市は救済制度に際し補助を出しているので、そういった補助が実際に申請数を増やす効果を持つかどうかを検証したいためである。しかし、データは2か月ほど待たなければならないという状況である。

 

間に合えば、上記、調査結果と合わせての学会報告を予定している。

 

改めて、お忙しい所、一人の県民のためにここまでしてもらえたことに感謝申し上げたい。

 

データは有効に活用させて頂きます。

(2024/5/2追記)

コロナワクチンとそれ以外の定期接種で平均の認定日数について差があるかどうかの検定をしてみた。
すると、5%の有意水準では差があると判断できるが、1%の有意水準では差があると言えない。との結果である。

こちらを参考に分析
https://ipc.shimane-u.ac.jp/food/kobayasi/welch.htm

 

Image