【あらすじ】
長者は歓待し、管弦で慰めるが牛若丸は浄瑠璃が見えないのでかいかぶる。墨染姿のれいぜいが出て、浄瑠璃は馬追いなどと契り合ったこと、さらに無断で牛若丸の後を追ったことで母の怒りにふれ、家を追われて、牛若丸を待ち焦がれつつ世を去ったと、涙ながらに告げる。牛若丸はれいぜいを連れて浄瑠璃の墓前で法要を行うと五輪塔は割れて光を放ち、一辺が牛若丸のたもとに入る。牛若丸は浄瑠璃の成仏をたしかめて、そこに冷泉寺を建てる。牛若丸の家来は浄瑠璃の母を簀巻(すまき)にして矢矧川に沈める。牛若丸はおごる平家を討ち、源氏の御代をたてたが、その心中を察せぬ者はなかった。
【驚きと感動】
法要の場面での、牛若丸の家来たちや馬の動きのダイナミックさは、ピカソのゲルニカを思わせる。
左へ向うに連れて、五輪塔の光に驚く家来たちの姿、この経験の連続が極めて面白い。
冷泉寺を建てる際の職人たちの金づちをふるう姿も見処である。
最後は、浄瑠璃姫の母の最期の場面で幕を閉じる。矢矧の宿場の人々のざわめきから始まる。そして、矢矧川の川の流れ。
ここで僕は、第5巻の牛若丸と浄瑠璃姫が契り合う場面を思い出す。ここでも、屋敷の川の流れが描写されているからだ。しかし、ここでの矢矧川の流れは全く違う。矢矧川の流れの方がはるかに激しい。幸福に包まれた屋敷の川の流れと、無念に満ちた牛若丸の心を映す矢矧川の流れ、この違いで幕を閉じる。
これで長い絵巻は終わりを告げた。最後の最後まで、又兵衛は何と完全主義者なんだろうかと感嘆せざるを得ない。
長者は歓待し、管弦で慰めるが牛若丸は浄瑠璃が見えないのでかいかぶる。墨染姿のれいぜいが出て、浄瑠璃は馬追いなどと契り合ったこと、さらに無断で牛若丸の後を追ったことで母の怒りにふれ、家を追われて、牛若丸を待ち焦がれつつ世を去ったと、涙ながらに告げる。牛若丸はれいぜいを連れて浄瑠璃の墓前で法要を行うと五輪塔は割れて光を放ち、一辺が牛若丸のたもとに入る。牛若丸は浄瑠璃の成仏をたしかめて、そこに冷泉寺を建てる。牛若丸の家来は浄瑠璃の母を簀巻(すまき)にして矢矧川に沈める。牛若丸はおごる平家を討ち、源氏の御代をたてたが、その心中を察せぬ者はなかった。
【驚きと感動】
法要の場面での、牛若丸の家来たちや馬の動きのダイナミックさは、ピカソのゲルニカを思わせる。
左へ向うに連れて、五輪塔の光に驚く家来たちの姿、この経験の連続が極めて面白い。
冷泉寺を建てる際の職人たちの金づちをふるう姿も見処である。
最後は、浄瑠璃姫の母の最期の場面で幕を閉じる。矢矧の宿場の人々のざわめきから始まる。そして、矢矧川の川の流れ。
ここで僕は、第5巻の牛若丸と浄瑠璃姫が契り合う場面を思い出す。ここでも、屋敷の川の流れが描写されているからだ。しかし、ここでの矢矧川の流れは全く違う。矢矧川の流れの方がはるかに激しい。幸福に包まれた屋敷の川の流れと、無念に満ちた牛若丸の心を映す矢矧川の流れ、この違いで幕を閉じる。
これで長い絵巻は終わりを告げた。最後の最後まで、又兵衛は何と完全主義者なんだろうかと感嘆せざるを得ない。