前回の記事長南町(ちょうなんまち)を紹介しました。折角なので海を見たいですね。東に足を延ばしましょう。行先は九十九里浜の最南端に位置する太東(たいとう)港です。目的はジョギングではなく、釣りになります。但し、2022年に湾内は全面釣り禁止になりました。釣りはできないのでご注意ください。いつの日か再び一般開放されることを祈念しつつ、思い出記事として記したいと思います。

 

ラーメン八平(はちべい)より太東(たいとう)港までの距離は約25km。道中は例によって田舎道。県道274号線でJR外房線の東浪見(とらみ)駅を目指します(マップの「25.8km」ライン)。市街地が恋しい方は、県道148号線で上総一ノ宮(かずさいちのみや)駅を目指しましょう(マップの「24.4km」ライン)。太東港までの距離・時間とも差はほぼありません。

 

 

横道になりますが、電車の話を少し。

内房線にも同じことが言えますが、外房線に乗ると千葉県を実感しますね。「つぎは~かずさいちのみや~かずさいちのみや~」と告げる車内アナウンスの声。語感もさることながら、九十九里の砂浜が連想されて味わい深いものがあります(笑)。自分の胸に手を当ててみると、そこには人と共有した時間とその時の記憶も混じっています。

 

上総一ノ宮かずさいちのみや駅で降り、タクシーで北に位置する白子町しらこまちの国民宿舎へ。学生時代に演劇を齧っていたもので、目的はお芝居の合宿でした。芝居仲間とは下らないことから深い話まで山のように話したかと思いますが、詳細までは記憶の彼方です。でも、その時のみんなの匂いは今でも感覚として自分の中に残っています。

 

食べ物の美味しさの中に人と食べた時の楽しい思い出があるように、駅や土地にも同じ感覚を持つものです。「情」というやつですね。美味しいものは、ほっぺたが落ちるほど美味しくなるし、その土地の生活の匂いは、お茶の間の卵焼きの匂いのように親しみが湧くものとなります。勿論、業が深いの「業」に転ずることもあるでしょう。釣りをする前に、釣り人話になってしまいましたね、アハハ(笑)。

 

 

下差しハイ、太東(たいとう)港に着きましたよ。左写真は「海だ~!」とダーッと駆けて行きたくなる道。その前に釣り餌を買いましょう。中央写真が「堀込釣具店」。太東(たいとう)港は底が砂地で、時期が夏前だったので、キス釣り用の道具を持ってきています。餌は青イソメとジャリメを半杯ずつ買いました。右の写真が港に出たところ。

上差し堀込釣具店の親父さんとの会話

 

ふじねこ『今、何が釣れてる?』

親父さん『イシモチだね』

イシモチってそんなに数が釣れる魚じゃないんですよ。ボウズ(「一匹も釣れない」の意)の予感が漂います(汗)。他の釣り場近くのお店でも、「イシモチ」としか返事をしてくれない時に釣果が上がった記憶がありません。

 

下差し砂浜側。カブ蔵がご機嫌な感じにキマッてます(左写真)。さあ、どこで釣ろう?砂浜は遠浅だし、中央写真の港内よりは外海に向かって投げたい。が、良さげな所がないので、右写真の突堤の先端にしました。

下差し釣り座を構える(左写真)。サーファーさんたちが気になりますが、遠投の必要はないでしょう。仕掛けは、

 

ロッド:PROMARINE J-SURF(3.0m-20号)(投げ竿)

リール:SUZUMIの5000番台

ライン:ナイロン3号+3-12号のテーパーライン

オモリ:海草天秤20号

仕掛け:エダス付きのキス仕掛け

クーラーボックス:DAIWA COOL LINE S 800X

 

細かいことは覚えていませんが、安仕掛けを適当にかき集めて持ってきた感じです。

上差し子供のコチが釣れてきました(中央写真)。大変美味しい魚ですがリリース。外房を席捲しているフグちゃん(右写真)。いつも会いに来てくれるのは嬉しいんですが、「君たちを捌く免許は持ってない」と何回言ったら分かってくれるのか(苦笑)。

 

 

下差しまたもやフグ(左写真)。中央写真のテトラに上るか、遠くの突堤がまだ水深がありそうで良さげなんですが、フグ祭りはゴメンなので1時間程で撤収です。右写真を見てもわかる通り、海水浴場としては良いですね。人も少なそう。公衆トイレもありますよ。

ここ太東(たいとう)港が釣り禁止になった理由はわかりませんが、禁止となる背景には、ゴミを持ち帰らない、漁船の航路に仕掛けを投じる、立ち入り禁止区画に入る、など釣り人のマナーが原因であることが多いように思います。太東(たいとう)港の場合、堀込釣具店さんの今後の営業も懸念されます。千葉県では年々釣り禁止の漁港が増えています。好きな釣りを今後もずっと続けて行けるよう、周りに配慮して釣りをしていただくよう、釣り人の皆さんにはお願いしたいです。私自身にも自戒の念を込め、今回の締めとします。

 

4曲目。スマホ版「うたのお部屋」はこちらからどうぞ。