真夜中、窓外に目をやったが、暗闇の中を降りしきる雨以外に何も見当たらない。

幾日も幾日も降り続く雨。音も光もかき消され、辺り一帯が深いベールに覆われていたー

<出典:illustAC きららむし様>

 

SIONが「雨がすべてを洗い流してくれるさ」と歌い、清志郎は「カーラジオからスローバラード 夜露が窓を包んで」と歌った。「スローバラード」は雨ではなく夜露だが、それはさておき、言いたいのはこうだ。よく陽の当たる「明るい表通り」ばかりが至高とは限らない。雨もまた良いものなのだ。

 

          ☆

 

今回は5年ぶりに再度「ジョージア・オン・マイ・マインド」を取り上げてみたいと思います。ホーギー・カーマイケルによるジャズのスタンダード・ナンバーと言える曲ですが、今回のものは本当にシンプルな、そっけない位の演奏です。一度仲間に聴かせて、所謂”ジャズらしさ”がまるでないので、「え??ジョージアそうやってやんの??」と不評でした。

 

「その心は?」と問われるとー

 

簡単に言うと、ジャズの旋律はお洒落で色気があって、この「ジョージア」も所謂”ジャズらしい”名演奏がたくさん世に出ています。が、これらの演奏もじっと聴いていると「ストックフレーズ」の集合体であって、ジャズに慣れるに従い食傷気味になっていった若かりし頃の自分がいたんですね。「またこういうやつか、うーん…」と。

 

          ☆

 

さて、自分なりにはこのシンプルバージョン、気に入っています。フルアコの生音のみ+劣悪な録音環境からのローファイ(低音質)な音も何とも言えず良い。雨の日の深夜、水しぶきを上げて走り去る車の音(2:20~)が入っているのもグッドです。たぶん私以外はひどい音だと感じられるのでしょうが、まずはご一聴を。

 

(容量:約28MB)

※散らかった部屋に上は下着ですみません。いつも家でこの格好だったので「何枚この服持ってるのか?」と当時笑われましたぐすん。変な頭ですが(たぶん)ヘッドフォンです。

 

使用ギター:D'Angelico/NewYorker L-5 Custom

 

以上、6月のある雨の日の夜、雨のシャワーを浴びるかのごとく「色」を脱ぎ捨て、モノクロになったジョージアほっこりでした。

 

最後に5年前の演奏(記事)も貼っておきます。5年前元気だなあキラキラ