『体を温める食材って何?』

 

と聞かれたとき、あなたはどんな食品を思い浮かべますか?

 

 

 

・体内温度を高くすると免疫力が高まる

 

・体を温めることが風邪予防にいい

 

 

 

こういう情報は食や栄養にそこまで詳しくなくても

よく耳にする情報だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで有名な食材が【生姜】。

 

 

 

体を温めるためには生姜がいいよ~!

と聞いたことのある方多いのではないでしょうか?

 

 

 

漢方でも使用されているほどで、

たしかに、生姜に含まれる成分には体を温めくれる作用があります。

 

 

 

しかし、逆に、

【体の中の熱を出す】(体を冷やす)働きがある

 

ことを知っていましたか?

 

 

 

 

 

こんにちは、管理栄養士 ゆうです。

 

 

 

私自身、このブログでは、

 

・食や栄養に興味や関心が強い方

・食の力で自分自身の体や心の健康をつくっていきたい方

 

のお役に立てる記事を書いていきたいと思っています。

 

 

 

勉強や研究をし続けていくと、

食や栄養はとっても深く、端的に現すことがいかに難しいかがよくわかります。

 

 

 

本や記事では字数が決まっていることなどもあるでしょうし、

1つの食材について全てを網羅することって難しいんですよね。

 

 

なので、今回ご紹介する【生姜】についても

 

『体を温めてくれる食材です』というように

表現されていることが多く、そのことはよくよく知っていても

 

 

その真逆『体内の熱を出す』ということを

知らない方も多いのではないでしょうか?

 

 

 

 

 

食の力を自分自身の健康につなげたいという方は

食材や栄養について、深くメカニズムなどを知っておくことで、

より食の力を活かすことができるようになると思いますので

この記事が参考になると幸いです。

 

 

 

 

 生の生姜は体を冷やす

 

この記事で知っていただきたいこと、それは

生姜には体を冷やす作用があるということです。

 

 

え?

今まで聞いていたことと真逆なんだけど?

と驚かれる方も多いかもしれません。

 

 

そうなんです。

 

 

実は、生姜は生・乾燥・加熱など、

状態によって成分が変化するのです。

そして、その成分がもたらす作用が異なるんですね。

 

 

 

多くの方が知っている『体を温める』

(厳密には深部温度を高める)というのは

加熱・乾燥の状態での生姜のお話。

 

 

もっと細かく言えば、体のどの部分を温めたいのか?

によって使い方を変える必要があるということなんです。

 

 

 

生の状態で生姜を食しても体の深部を温める(体の熱をつくる)成分は

ほとんど期待できません。

 

 

 

生の生姜がダメなのか?

というと、そうではなく、含まれる成分の作用が異なるということ。

 

 

なので、

 

どんな作用を得たいのかによって使い分けするといいんですね。

 

 

 

 

 

 

生の生姜には辛み成分の『ジンゲロール』が含まれています。

 

作用としては

 

・殺菌・消臭作用

・血行を促進(深部体温→熱をだす)

 

 

 

殺菌作用を活かした食べ方では

 

お寿司にガリ を合わる食べ方。

 

 

 

これは生魚による特有の臭いをガリ(生姜)で消臭すること、

生の魚から人体への食あたりを防止するために

ガリ(生姜)による殺菌作用が活かされています。

 

 

 

風邪のひき始めに、殺菌作用を得る目的では、

生の生姜をとることは食の力を得ることになりますよね。

 

 

 

次の血行を促進する作用というところが

体を温めると誤解をされやすい部分だと思うのですが、

 

 

 

これは

 

血管を拡げて血流をよくすることで

発汗をうながす(ポカポカして熱いな~という状態)。

ただし、これは一時的なポカポカ状態なんです。

 

 

 

発汗しているので、体が温まったような気がしてしまうのですが

体の温度には<皮膚温度>と<深部温度>という2種の温度があるんです。

 

 

 

 

 

 

 

皮膚温度というのは

 

体の表面、皮膚に近い部分の温度のことで、

天気が良く、気温が高いときなど外的な環境によって変化する温度

 

 

 

深部温度というのは

皮膚から遠く、体の臓器を守るためのより深い部分の温度

のことをいいます。

 

 

生の生姜で体がポカポカと温まっているのは

血流が良くなることによって、深部温度から手先や足先、皮膚などに

熱が広がっているからなんです。

 

 

 

これは深部温度→皮膚温度というように熱が移動しているので

体の深い部分の温度は下がっているのですね。

 

 

 

つまり、生の生姜は深部温度(体内温度)を下げているので

体を冷やすという言い方になります。

 

 

 

 

上記でも解説したように、

 

 

血流を良くして

深部から熱を出して末端に届けてくれるので

末端の冷え(手や足が冷える)を改善したい目

生姜をとるのには生の生姜がいいと言えるのです。

 

 

 

 

 

 

 乾燥・加熱した生姜には体を温める作用がある

 

乾燥・加熱した生姜には

 

辛み成分の『ショウガオール』が含まれています。

 

 

 

生では『ジンゲロール』

乾燥・加熱では『ショウガオール』

 

に成分が変化します。

 

したがって、発揮される作用も異なるのですね。

 

 

 

 

作用としては

 

・深部の熱を作り出して体を温める(深部体温を高める)

 

 

なので、そもそも体温自体が低い方で、

深部体温を高める目的には

乾燥・加熱した生姜をとるのがいいということになります。

 

 

 

 

 

 

 

熱を作り出すメカニズムを解説させていただくと

 

 

胃や腸を刺激したり、

体内の糖質や脂質を燃焼することによって熱を作り出すんですね。

糖質や脂質を燃焼するわけなので、これはダイエットにもつながりますよね。

 

 

この作用を効果的にするためには

低温でじっくりと加熱することがポイントです。

 

 

 

 

 

 

 

長くなりましたが、

「生姜は体を温める」というのは

ただ、生姜を使えばいいというわけではないんですね。

 

 

 

乾燥・加熱した生姜でなければ体の芯から温まるということにはならないのです。

 

 

 

 

食の力を本当の意味で活かしたいとき、

これくらい細かく

使い方や食材の持つ特徴を理解することで

ピンポイントに作用を得られる秘訣となります。

 

 

 

 

 

 

健康は食の力で得ていけるよね!と思っている方や

食や栄養について深く知りたい方、

ご自身や周囲の人のために食から健康を実践している方に

もっともっとたくさんの食の力を広めていけるといいなと思います。