星漢燦爛(せいかんさんらん)#55 肩を並べる時 あらすじ

 

 

 

楼縭ロウ・リーは小刀を構え四娘子しじょうしに襲い掛かった。

どうにか防いだ四娘子しじょうしは、空席は誰なのか問いかけた。

楼縭ロウ・リーは「お前を恨む者よ」と答えた。

 

四娘子しじょうし楼縭ロウ・リーを振り切ったが、楼縭ロウ・リーは再度襲い掛かって来た。

四娘子しじょうし何昭君ハー・ジャオジュンに指示を出し、隠し扉を見つけると、何昭君ハー・ジャオジュンと共に中に逃げ込んだ。

 

楼縭ロウ・リーが追おうとすると、マントで姿を隠した人物が現れ、密室に四娘子しじょうしを追い込んだ楼縭ロウ・リーを褒めた。

マントの人物は、四娘子しじょうし霍不疑フオ・ブーイー以上にロウ家大房が憎いと言うと、用無しになった楼縭ロウ・リーを刺殺した。

楼縭ロウ・リーは両親を殺したのがマントに人物なのだと確信し世を去った。

 

隠し扉の向こうには、最も難解な連環鎖れんかんさでつながれた袁善見ユエン・シャンジエンがいた。

太子と共に度田令を推進していた袁善見ユエン・シャンジエンは、油が買い占められかく村に貯蔵されているのを察知した。

かく村は太子が通過する。

太子に報告しようとした袁善見ユエン・シャンジエンだったが、敵に気付かれ囚われたそうだ。

 

県に到着した霍不疑フオ・ブーイー黒甲衛こくこうえいは町人に扮した刺客に襲われた。

 

連環鎖れんかんさを解いた四娘子しじょうしは、何昭君ハー・ジャオジュンと共に袁善見ユエン・シャンジエンを連れ逃げようとした。

すると床が抜け、3人は穴底に落ちた。

穴が閉じようとするとき、霍不疑フオ・ブーイーが穴に飛び込んで来た。

 

れい帝の残党に孤立させられたが、一番大切な四娘子しじょうしが罠にかかったので飛び込んだのだと霍不疑フオ・ブーイーは説明した。

 

罠だと分かっているのだから飛び込まず、救援を求めてから後で敵を討てばいいと四娘子しじょうしは言った。

生きていることが何より重要だと霍不疑フオ・ブーイーは答えた。

 

マントの人物が現れた。

正体は延姫イエンジーだった。

延姫イエンジーは川で田朔ティエン・シュオに救われてから敵討ちを誓い、この場所を作ったそうだ。

 

四娘子しじょうし霍不疑フオ・ブーイー楼犇ロウ・ベンを追い詰めたから、袁善見ユエン・シャンジエンは知りすぎたから、何昭君ハー・ジャオジュン楼垚ロウ・ヤオを解放するために殺すのだと延姫イエンジーは語った。

延姫イエンジーにとっては楼犇ロウ・ベンが賊であろうが関係なかった。

最愛の人だからだ。

 

楼垚ロウ・ヤオは雨の中必至で医師を探していた。

 

田朔ティエン・シュオは腹心として育てた刺客500人と勇者千人と共に、かく村への道中に油を撒き太子一行を待ち構えている。

間に合わないだろうと延姫イエンジーは語った。

 

”妻よりも野心を選んだ楼犇ロウ・ベンのために命を捧げるな”と霍不疑フオ・ブーイー延姫イエンジーを説得した。

延姫イエンジーは自分も四娘子しじょうしよりも復讐をえらんだだろうと霍不疑フオ・ブーイーに言い返した。

四娘子しじょうしを見た瞬間、夫婦は同心で肩を並べるべきだと後悔したことを霍不疑フオ・ブーイーは語った。

 

楼犇ロウ・ベンの愛した山河を悪事に加担し滅ぼせば楼犇ロウ・ベンはあの世で会いたがらない”と四娘子しじょうし霍不疑フオ・ブーイー延姫イエンジーを説得した。

しかし延姫イエンジーの心は変わらなかった。

 

延姫イエンジーは用意してあった藁に火をつけた。

すでに油も撒かれていたようで、火は瞬く間に燃え広がった。

霍不疑フオ・ブーイー黒甲衛こくこうえいの覆面を袁善見ユエン・シャンジエン何昭君ハー・ジャオジュンに渡し、鼻と口を覆わせた。

 

穴が開き、梁邱起リャンチウ・チーが顔をのぞかせた。

霍不疑フオ・ブーイーの指示で縄梯子が下りてきて、4人は梯子を上った。

最後に上った霍不疑フオ・ブーイー延姫イエンジーは引きずりおろそうとした。

 

穴が閉じようとしている。

四娘子しじょうしは最後まで霍不疑フオ・ブーイーに手を差し伸べていたが、霍不疑フオ・ブーイー四娘子しじょうしを連れて行くよう梁邱起リャンチウ・チーに命じ、穴は閉じた。

霍不疑フオ・ブーイーは穴の中に閉じ込められた。

 

穴の中で爆発が起き、辺りのものは吹き飛んだ。

 

もう許すから返事をして。

四娘子しじょうしは泣きながら叫んだ。

 

すると、背後から霍不疑フオ・ブーイーが現れた。

四娘子しじょうし霍不疑フオ・ブーイーに駆け寄り抱きついた。

延姫イエンジーが入った抜け穴があるはずだと判断した霍不疑フオ・ブーイーは、抜け穴を見つけそこから脱出したそうだ。

 

駆けつけた楼垚ロウ・ヤオは、”連れ添い、子を育て、県を故郷のように変えると約束しただろう”と言いながら何昭君ハー・ジャオジュンの姿を探した。

何昭君ハー・ジャオジュンは、楼垚ロウ・ヤオの心に自分がいてよかったと思った。

 

見せつけられ続けた袁善見ユエン・シャンジエンは、”太子を助けなくていいのか?”と口を挟んだ。

 

四娘子しじょうし霍不疑フオ・ブーイーは出動した。

霍不疑フオ・ブーイーは太子を助けに行き、四娘子しじょうし田朔ティエン・シュオが焼くだろうかく村の民を守りに行く。

 

太子一行は、田朔ティエン・シュオの軍勢に囲まれた。

田朔ティエン・シュオの軍勢は人数が多い。

危ない所に霍不疑フオ・ブーイー黒甲衛こくこうえいが到着し…?

 

 

 

 

感想

 

とんでもない展開のおかげで、四娘子しじょうしはついに霍不疑フオ・ブーイーを許すことができました。

よかった。ありがとう延姫イエンジー

四娘子しじょうしが自分の家のことを「慈愛ある幸せな家」と表現したのにはジーンとさせられました。

 

前回、意味深に映されていた酪漿らくしょうには すぐにこの世とバイバイできる毒が入っていたそうです。

何昭君ハー・ジャオジュンのお腹が痛くなったのは完全に偶然のようで、計画が変更になっても楼縭ロウ・リーは小刀を用意し2段構えで四娘子しじょうしを葬れるよう準備していました。

8話の時に比べると賢くなっているように感じました。

これも延姫イエンジーの差し金だからでしょうか。

 

四娘子しじょうし楼縭ロウ・リーの決死の攻撃も防いでいてすごいです。

36話で凌不疑リン・ブーイーに応戦方法を教わりましたが、あれからもう5年経ってしまっています。

でもちゃんと覚えていたということでしょうね。

たまにはあの時のことを思い出して復習してたり、とか?偉いです。

 

楼縭ロウ・リーの両親、ロウ太傅(元)とロウ大房夫人は本当に亡くなっており、それは延姫イエンジーがやったことだとも判明しました。

なかなか中国の家族制度が分からないのですが、楼縭ロウ・リーの両親が亡くなった場合、楼縭ロウ・リーだけ白装束を着ればよく、二房の楼垚ロウ・ヤオ何昭君ハー・ジャオジュンは白装束を着なくてもいい、ということなんですね(短い期間でいいということかも?)。

勉強になりました。

 

空席が誰なのかについては、はっきりとは結局語られませんでしたが、あれは延姫イエンジーの席だったんですね。

てっきり亡くなった人のための陰膳だと思ってました(笑)

そして県衙けんがに廟を建て修行しているのも延姫イエンジーだったんですね。

修行していると見せかけて(?)、本当は四娘子しじょうしたちと自分を葬る墓を作っていたわけですが。

謎が解けてよかったです。

 

延姫イエンジー四娘子しじょうしを恨むよう色々吹き込まれ利用されるだけ利用された楼縭ロウ・リーは、あっさりと延姫イエンジーに葬られてしまいました。

最初、マントの人物が延姫イエンジーだと分りませんでした。

その状態でこの場面を見た時、マントの人物=二房夫人だと思ってました(笑)

でも二房夫人なら楼垚ロウ・ヤオの子を身ごもっている何昭君ハー・ジャオジュンを巻き込むはずないと気づき、延姫イエンジーに行きつきました。

 

延姫イエンジーは子供はどうしたんでしょうか?

守らなければならない子がいれば、こんなことしないでしょうから、川に入ったことで子は失われてしまったんでしょうか?

延姫イエンジーが4人と一緒に自分も命を絶つつもりだったのは、子を失くしてしまった自分を許せないから、という部分もあったのかなぁなんて思ってしまいました。

5年前、田朔ティエン・シュオに助けられた日からずっと復讐のために生きてきたなんて、なんだか辛すぎます。

 

どっちみちロウ太傅を葬ることになるなら、一番最初にロウ太傅を葬っておけば楼犇ロウ・ベンの前途が断たれることもなかったでしょうに。

でも楼犇ロウ・ベンが事件を起こさなければ延姫イエンジーがこんなになってしまうこともなかったはずで。

難しいですね。

 

敵討ちと言っても、どう考えても悪いのは楼犇ロウ・ベンです。

延姫イエンジーもそのことを分かっているけれど、もうどうすることもできない。

「最愛の人」というセリフが出てきました。

 

仲が良いのは分かってましたが、2人はどんなふうに出会ったんでしょうか。

17話では、楼犇ロウ・ベンの遊歴先で出会ったと語られました。

遊歴先で出会って連れ帰ってきて結婚するくらいですから、運命の出会いみたいな感じだったんでしょうか。

色々妄想が膨らみます。

 

そういえば、最初犯人だと勘違いしていた二房夫人は出てきませんでしたが、どこにいるんでしょうか?

 

延姫イエンジーは火をつけ、辺りは火の海になりました。

が、梁邱起リャンチウ・チーが助けに来てくれて生存ルートが見えました。

 

霍不疑フオ・ブーイーだけ火の中に取り残された上爆発が起きた時は、え?となりましたが、もう二度と会えないという可能性に思い至って、四娘子しじょうし霍不疑フオ・ブーイーを許してくれました。

よかったです。

 

49話で、ズオ将軍に崖に追い詰められ、霍不疑フオ・ブーイーに復讐を捨てられなかったことを謝罪された四娘子しじょうしは、「もし私を一人にするなら、この程少商チョン・シャオシャンは天に誓う。一生許さないって。来世来来世でも許さないわ」と言いました。

凌不疑リン・ブーイーは「縁は尽きた」と言って崖に飛び込みました。

 

51話で皇后から、”城陽侯府に行った時四娘子しじょうしを捨てる決意をしていたのか”と尋ねられた霍無傷フオ・ウーシャン(当時)は、「はい」と答え、それを聞いた四娘子しじょうしは一生許さないことに決めました。

 

それから5年。

四娘子しじょうしの心には霍不疑フオ・ブーイーがずっといたけれど、許さなかった。

けれど、失ってしまったと思って、ついに許してくれました。

来世でも来来世でも許さないと言っていた四娘子しじょうしが、許してくれた。本当に良かったです!

 

2人は肩を並べる者として、お互いの決断を尊重し合える夫婦になりました。

四娘子しじょうしかく村に、霍不疑フオ・ブーイーは太子を助けに行きました。

 

太子の前に現れた田朔ティエン・シュオは思って以上に軍勢を率いていて、太子もかなり追い詰められていました。

余裕の表情がどんどん追い詰められていき、霍不疑フオ・ブーイーが現れた時はかなり情けなくなっていました(笑)

そこに救世主霍不疑フオ・ブーイー黒甲衛こくこうえいを率いて現れました。

これできっと助かりますね。

 

四娘子しじょうしの方はどうでしょうか。

せっかく火の海から助かったのに、またかく村が火に焼かれて、こんがり危機一髪状態になっちゃうんでしょうか?

頭のいい四娘子しじょうしですから、きっと解決してくれると信じています。

 

何昭君ハー・ジャオジュン楼垚ロウ・ヤオも夫婦として愛し合っているみたいで安心しました。 

実は最終回を迎えるにあたり、全話見返したのですが、私としては、何昭君ハー・ジャオジュン楼垚ロウ・ヤオのことを好きだった説をやはり推したいと、見返して思いました。

 

8話の何昭君ハー・ジャオジュン楼垚ロウ・ヤオシャオ世子せいしとのことを止めてくれなくて自棄になってシャオ世子せいしと結婚する!”と言っているように見えるんですよ(願望も入ってます)。 

色々あって結婚することになった2人ですが、今ではかけがえのない存在としてお互いを大切にしているようで、よかったです。