卿卿(きょうきょう)日常 #33 同郷の新料理長 あらすじ
李薇は九川各地に店を出す計画を立てた。
そのためには料理人が必要で、新しく募集をかけることにした。
金川から帰った李薇は髪形も変え、まるで元英のようだった。
元英と上官婧から手紙が届いた。
元英からの手紙には、正式に戸政司で働き始めたと記されていた。
婧からの手紙には尹岐と旅をしていると書かれていた。
尹岐は婧の役に立とうと、トウモロコシを焼いたり片づけをしたり道案内をしたりと頑張ったが、どれもうまくいかず婧の表情に笑顔はなかった。
応募してくる料理人はたくさんいたが、なかなかいい人がいなかった。
尹峻(四少主)の縁故者は特にひどかった。
そんな中、尹崡(九少主)が友人の簫揚を紹介した。
霽川出身の簫揚は九川の料理に通じた優秀な料理人で、李薇は気に入り料理長にした。
郝葭が長楽紅店で働いていると、趙芳如がやってきた。
2人は共に茶を飲んだ。
趙芳如は、心にもう尹嵩はいないこと、黛川に帰ることを話した。
郝葭は女子商工会に入らないかと誘ったが、趙芳如は鉱山管理をするからと断った。
兄たちに男女で能力の差などないと分からせてやるつもりだそうだ。
去っていく趙芳如に、郝葭は「芳如」と呼びかけ、「元気でね」と言った。
李薇は簫揚を静園の厨房に招いた。
しかし劉宝泉と周全は簫揚を警戒し意地悪をした。
李薇は2人に注意をすると、簫揚を畑に案内した。
簫揚が霽川出身ということもあり、李薇はすっかり打ち解けた。
そんな2人の姿を尹崢は見てしまい、心穏やかではいられなかった。
玉瓶、玉盞や蘇慎は尹崢の気持ちを察し、李薇と簫揚が近づきすぎないよう間に入った。
尹峻は戸政司の部下に食事をおごるなどしていたが、慰労の範囲内だった。
尹崢と尹岸は静観することにした。
尹嵩に人事を任されていた尹峻は各部署に自分の息のかかった人材を推挙している。
九川事務司以外は尹峻の手駒ばかりだと尹岸は尹崢に忠告した。
尹崢は簫揚のことが気にかかり、九川美食薈に通い偵察をした。
尹岸は、三少主の自分は妻に去られ、五少主の尹岐は離縁、次は尹崢かもしれないと、男前で愛想がよく仕事もできる簫揚を見ながら言った。
胃に良い料理を考案した簫揚を、李薇は再び静園に招いた。
屋敷の者達は一丸となって簫揚に意地悪をしたが、簫揚は贈り物を用意しすっかり彼らを手懐けた。
蘇慎に贈り物は用意しなかったが、尹崢を何よりも大切に思う蘇慎にとって、胃に良い料理こそ何よりの贈り物になる。
蘇慎もすっかり簫揚に心を掴まれた。
尹崢の前に料理が並べられた。
屋敷の者たちはすっかり簫揚の虜だ。
その姿を見た尹崢は、信じられないものを見たという顔をして 料理を食べずに去っていった。
李薇は、料理が美味しそうに見えなかったのだろうと考え落ち込んだ。
夜、李薇は菓子を持って尹崢の部屋に行った。
尹崢は胃腸に良い料理は食べなかったくせに別のものを食べていたらしく、李薇は不機嫌になった。
なぜ食べなかったのか尋ねると、まずそうだったという答えが返って来た。
李薇は怒って立ち去った。
尹岸は九川全域で紙幣を流通させようと心を砕いているが、なかなか思うように進まなかった。
そんな中、尹峻は黛川と墨川と紙幣流通について合意を取り付けた。
金川と丹川とも合意に向けて話し合っているという。
尹岸は、全て尹峻の手柄だと言ったが、尹峻はあくまで謙虚な姿勢だった。
尹峻の夫人安曦元は妻の去った尹岸のために心を砕いた。
尹岸は、尹峻の人脈の広さを尹崢に報告した。
尹崢が食べないので、李薇は簫揚に料理を習っていた。
尹崢には2人がとても親密そうに見えた。
李薇は尹崢のために手作りの料理を並べたが、簫揚が作ったと思っている尹崢は全ての料理に文句を言った。
2人はケンカ別れをしてしまった。
雨が降ってきたが、尹岐の傘は全て破れており役に立たなかった。
尹岐は婧の外套に入れてもらった。
雨がやみ、婧は外套を火にかざし乾かしていた。
尹岐は自分がやると言って外套を燃やしてしまった。
自分は足手まといで役に立たない、次の街で別れる。
尹岐がそう言うと、婧は寂しそうな顔をした。
李薇は厨房で料理を考えていた。
そこに「少主のご体調が」と慌てた様子の蘇慎が駆け込んできて…?
感想
お互いに霽川出身ということで、意気投合した李薇と簫揚に、尹崢が嫉妬する可愛い回でした。
最初は厨房に他人を入らたくないからと簫揚に意地悪していた劉宝泉と周全も、尹崢の気持ちを思い簫揚に意地悪していた蘇慎たちも、あっという間に簫揚に手懐けられていたのには笑いました。
手懐けられた皆を見た尹崢にも笑いました。
可愛いと思って微笑ましく見ていましたが、李薇と尹崢はケンカのような感じになってしまったのでちょっと心配です。
でも、簫揚には尹崢の気持ちが分かっているみたいで、李薇にちゃんと話すよう言ってくれたし、すぐに元通りになるでしょう。
これで簫揚も李薇を好きとかだとこじれて大変なことになりそうですが、そういう感じではなさそうですもんね。
尹岸が、自分も妻に逃げられたし、尹岐も離縁した、この風はお前に向かっていると尹崢に言っていたのにも笑いました。
伝染病じゃないんだからっ!
趙芳如は黛川に帰ることにし、郝葭に挨拶に来ました。
この2人は戦友みたいな感じですよね。
一緒にDV男と戦った戦友。
趙芳如のツンツンしたキャラ、好きでした。
郝葭を脅して生かそうとしていた場面とか、好きでした。
前回は元英が去ってしまい、今回は趙芳如。ナイスなキャラが去ってしまうのは寂しいです。
最後、今まで「奥様」と呼んでいた郝葭が「芳如」と呼び止め元気でと声をかけたところはグッときました。
この2人が今後また会えるかは分かりませんが、でも人生の中でお互いが忘れられない人であることは確かだろうなと思いました。
新しく尹崢のライバルになった尹峻。
物腰柔らかく謙虚な、できる政治家という感じでした。
安曦元も気配りのできる政治家の妻、という感じ。
夫婦が一心同体で尹崢に対抗している感じが手ごわそうです。
尹岸によれば、尹嵩の配下だった頃人事権を任されていた尹峻は、各方面に自分の手駒を配備しているらしく、手強い相手になりそうだな、というのをヒシヒシと感じました。
ただ、夫婦が一心同体ということに関しては(喧嘩さえしていなければ)李薇と尹崢だって同じですし、元英に鍛えられた李薇はかなりのできる女になっている。
お店で稼いでお金もいっぱいあるでしょうから、財力では安曦元にも負けないはず(?)。
結局のところ、新川の人達がより幸せになれるなら誰が川主になっても構わないと思います。
尹崢がどんな世の中にしたいと思っているかは今までドラマを見てきて大体わかっている気がします。
尹峻がどんな政治的な思想を持っているのか、知りたいと思いました。
尹岐と婧は、尹岐が空回りしてましたね。
でも、婧は尹岐と旅できて嬉しいんと思っているんじゃないかな、と思ってます。
というのも、李薇への手紙に尹岐と旅してると書いてたからです。
今はインターネットのおかげで何でもかんでも手軽に伝えたい人に伝えられるじゃないですか。
でも、車もない時代に手紙をわざわざ書くわけですから、そこに書かれていることは、嬉しいこと、相手に伝えたいことなんじゃないかな、と思います。
元英の手紙にも官吏の仕事を始めたという嬉しい報告が書いてありました。
婧もそうなんじゃないかな、と勘繰ってしまいました。
単なる近況報告かもしれませんけどね。
でも尹岐のことは書かずにただ「旅をしている」と書いてもいいはずなのに尹岐のことも書いた、ということに意味があるんじゃ?と思いたいです。
婧の役に立ちたいのに、ダメダメな尹岐が、婧に見えない所で「俺ってやっぱり駄目だな」みたいな顔をして落ち込んでるのを見ると、励ましたくてしょうがなくなります。
諦めるなっ、押せ押せ押し倒せー!と、声をかけてあげたい。
そんな風に見守っていたら、婧の外套を燃やしてしまった尹岐が次の街で別れると言い出しました。
うわぁ。恐れていたことが起きてしまったっ。
婧は寂しそうな顔をしているし、それはダメ、諦めないでと尹岐に言いたい気持ちもあるし、だけど画面上では尹岐が燃えた外套を婧に着せたり、自分で来たりしていて画的に面白いしで、もうどういう感情で見てたらいいのか分からない、ぐちゃぐちゃな気持になりました。
なんでこの2人はこんなにやきもきさせるんだ。
そして尹崢の体調が悪いらしい?
心配なので、次話見てきますっ。