星漢燦爛(せいかんさんらん)#50 我が名は… あらすじ

 

 

 

凌不疑リン・ブーイーを崖から引き揚げる手はずが整った。

ズオ将軍は救助のための縄を切ろうとしたところを三皇子に見咎められ、捕らえられた。

 

重傷で凍えている凌不疑リン・ブーイーは宮中に移され手当てを受けたが、握りしめた少商しょうしょうの弦を放そうとせず、手当ができなかった。

皇帝は程少商チョン・シャオシャン四娘子しじょうし)を呼ぼうとしたが、四娘子しじょうしは縁が尽きたと固辞した。

 

凌不疑リン・ブーイーの体は薬も受け付けず、侍医が困り果てた時、笛の音が聞こえてきた。

吹いていたのは四娘子しじょうしだった。

凌不疑リン・ブーイーの手が解け、治療ができるようになった。

夜が明け、熱は下がり、峠は越えた。

 

四娘子しじょうしが目覚めると、皇后の看病を受けていた。

凌不疑リン・ブーイーが目覚めたのを確認し、四娘子しじょうしは倒れたのだ。

四娘子しじょうしは、凌不疑リン・ブーイーとは終わりだと皇后に話した。

 

何が真心で何が計略か分からなくなったからだ。

虎符こふをすり替えたのは四娘子しじょうしを助けるためだと思っていたが、計略のため後々使うためだったのかもしれなかった。

 

何でも一緒にする覚悟なのに、四娘子しじょうしのためだからと一人にされるのは耐えられない、両親に捨てられ凌不疑リン・ブーイーにまで捨てられた。

夫婦は一心同体のはずなのに凌不疑リン・ブーイーは隠し事ばかり。

四娘子しじょうしは辛い胸の内を皇后に話した。

 

孤城で何があったのか調べてから諦めたい、そう思った四娘子しじょうしは皇后の後押しを受け調査に乗り出した。

四娘子しじょうしの姿を見た皇后は、自分も答えを求めるべきだと考えた。

 

手始めに四娘子しじょうしは、牢に入れられた淳于チュンユー氏に会いに行った。

淳于チュンユー氏と凌益リン・イーは仲睦まじくは見えなかったのに、なぜ世間の批判を浴びてまで結婚したのか、四娘子しじょうしは引っ掛かっていたのだ。

凌益リン・イーの弱みを握った淳于チュンユー氏が脅したのではないか、四娘子しじょうしはそう考えた。

 

淳于チュンユー氏は錯乱していた。

四娘子しじょうし凌益リン・イー淳于チュンユー氏の食事に毒を盛り子をなせないようにしたと話した。

三才観さんさいかん汝陽じょよう王妃に神像を贈ったことを思い出した淳于チュンユー氏は、三才観さんさいかん女媧じょか様に祈りを捧げた。

 

四娘子しじょうし三才観さんさいかんを目指した。

淳于チュンユー氏の錯乱が演技か本当かは分からないが、生きるために淳于チュンユー氏は錯乱するしかないのだと四娘子しじょうしは思った。

 

意識の戻った凌不疑リン・ブーイーは、15年前何が起きたのか語った。

霍無傷フオ・ウーシャンは杏を採るため木に登り、衣をひっかけ破ってしまった。

凌不疑リン・ブーイー霍無傷フオ・ウーシャンが叱られないよう、衣の交換を提案した。

 

凌不疑リン・ブーイーの衣を着て、霍無傷フオ・ウーシャン霍翀フオ・チョンの部屋に杏を届けた。

そこで凌益リン・イー霍翀フオ・チョンを殺すのを目撃した。

 

凌益リン・イーは援軍は来ないかられい帝に投降するよう霍翀フオ・チョンを説得した。

しかし霍翀フオ・チョンは応じず、殺したのだった。

凌益リン・イーれい帝と通じていた。

 

フオ家を生かせば霍翀フオ・チョンの仇討ちに来る。

凌益リン・イーフオ家の人達は助かると思っていたが、彭坤ボン・クンは皆殺しにした。

 

凌不疑リン・ブーイーは火事の煙で気絶したが、大雨のおかげで運よく助かった。

本物の凌不疑リン・ブーイーは衣を交換したせいで霍無傷フオ・ウーシャンはの代わりに殺された。

時々錯乱する霍君華フオ・ジュンホワと共に物乞いをしながら、2年かけて霍無傷フオ・ウーシャンは都に戻った。

 

都に戻ると、皇帝は霍無傷フオ・ウーシャンに名を尋ねた。

霍君華フオ・ジュンホワは、凌益リン・イーに狙われないよう凌不疑リン・ブーイーと名乗るよう言ったため、霍無傷フオ・ウーシャン凌不疑リン・ブーイーと名乗った。

 

たとえこれらのことを証言しても、霍君華フオ・ジュンホワ凌益リン・イーの再婚に不満で嘘を吹き込んだと思われるだけだった。

だから自ら凌益リン・イーに代償を払わせると決めた。

あと少しで復讐を果たせるという時、凌益リン・イーは証拠を隠滅し始めた。

彭坤ボン・クンも殺され霍君華フオ・ジュンホワも亡くなってしまった。

 

証人が消え正当に凌益リン・イーを捕らえられなくなった霍無傷フオ・ウーシャンは、自ら手を下すことを決めた。

 

皇帝は、霍無傷フオ・ウーシャンに名を尋ねた。

霍無傷フオ・ウーシャンは自分の本当の名を名乗った。

 

 

 

 

感想

 

凌不疑リン・ブーイーは助けられました。

四娘子しじょうしが事前に警告していたこともあって、三皇子はズオ将軍の企みに気づき、将軍を捕らえてくれました。

 

凌不疑リン・ブーイーは宮中で手厚い看護を受けることになりましたが、誰にも触れさせないよう握りしめた少商しょうしょうの弦が 肉に食い込んでるにも関わらず離そうとせず治療ができない状態でした。

なんで手を握ってると治療ができないの?とちょっと疑問に思いましたが、多分脈が非常に重要で、あの状態だと脈を診ることができないからなんでしょうね。

 

四娘子しじょうしは縁は尽きたと言って会おうとせず、三皇子は捕らえてでも会わせようとしました。

そんな中、笛の音が聞こえてきて、凌不疑の手が解け峠も越えました。

なんだかんだ言って、四娘子しじょうし凌不疑リン・ブーイー霍無傷フオ・ウーシャン)が助かるよう笛を吹き、雪の降る中 朝まで外で様子を見守っていたようです。

 

そして倒れてしまった。

皇后に看病を受け目覚めた四娘子しじょうしは、凌不疑リン・ブーイーとは終わりだと話しました。

太子の虎符こふ凌不疑リン・ブーイーが使ったことで、さらに四娘子しじょうし凌不疑リン・ブーイーの気持ちが分からなくなっていたようです。

 

虎符こふがなくなった話は33話でした。

虎符こふの管理を任され重責に耐えられなくなった太子は虎符こふを移すことにし、太子妃の従兄孫勝スン・ション(無能)に任せました。

そしたら無くなってしまった。

小越しょうユエ侯は孫勝スン・ションと通じているので、小越しょうユエ侯の企みです。

 

太子に相談された凌不疑リン・ブーイーは太子妃に謝罪させるという方法を提案しました。

凌不疑リン・ブーイーは太子妃とその一族が邪魔だと思っていましたから、スン氏一族を追い落とすための一環として虎符こふ紛失に乗ったのかもしれません。

 

ところが、太子妃が四娘子しじょうしに相談したことで、四娘子しじょうしがこの事件に関わることになり、虎符こふの偽造までしてしまった。

有能すぎる妻がお咎めを受けないよう、凌不疑は計画を変更せざるを得ませんでした。

 

霍翀フオ・チョンが皇帝から託されていた虎符こふ霍翀フオ・チョンの形見)を四娘子しじょうしが偽造した虎符こふとすり替えました。

これにより太子は難を逃れました。

四娘子しじょうしが関わることになったから、凌不疑は太子のために働き事なきを得ましたが、当初の計画では太子が虎符こふを失くしたことは露見する予定だったんでしょうね。

 

まだ虎符こふの件についてはこういうことなんだろう、という予想でしかないですが、でもこれに関しては四娘子しじょうしが関わったことで凌不疑リン・ブーイーも太子のために働いたという結果になっていますから、凌不疑が自分の目的よりも四娘子しじょうしを優先したことを物語っているエピソードのように思えるのですが、どうなんでしょう?

大切な父親の形見を、四娘子しじょうしのために手放したんですよ?

 

ただ、その結果、小越しょうユエ侯の所には本物の虎符こふが残り、その虎符こふ小越しょうユエ侯から凌不疑リン・ブーイーの手に渡り、凌不疑リン・ブーイー虎符こふを用いて凌益リン・イーの誅殺を行うという結果になりました。

これにより太子は廃太子にされ三皇子が太子の座につくかもしれず、最初から凌不疑リン・ブーイーはこれを狙って虎符こふのすり替えをしたのではないかとも考えられます。

 

あの場で虎符こふが偽物だと分かってしまったら本物の虎符こふを後で使うことはできません。

あの計画は最初から太子の虎符こふを手に入れるためのものだったのではないか、と深読みしようと思えばできます。

 

でも、凌不疑リン・ブーイーはつい最近までは、合法的に凌益リン・イーを追い詰めようとしていたわけで、虎符こふを使って凌益リン・イーを…なんて考えていなかったのではないかと思うのですが。

…でも、頭のいい人ですから、奥の手のさらに奥の手として、こうなるかもしれないことも計算していたでしょうか。

 

自分のために父親の形見を使ってくれたと思っていたことが、もしかしたら太子を追い詰めるためだったかもしれない、と思えなくもない。分からなくなってしまったという四娘子しじょうしの言葉が分かる気がしました。

 

死を覚悟した凌不疑リン・ブーイー四娘子しじょうしのために四娘子しじょうしを置いて行き、そのことも別れを決意する理由となりました。

 

この2人、これからどうなるんでしょう。

霍無傷フオ・ウーシャンは離れる決意をした四娘子しじょうしを追いかけてくれるでしょうか。ちょっと心配。

 

四娘子しじょうしは諦めるために孤城の件を独自に調べることにし、淳于チュンユー氏に会いに行きました。

名探偵、動きます。

 

48話では淳于チュンユー氏は明らかに孤城のことについて何か知っていそうでしたが、生きるために錯乱するしかない淳于チュンユー氏は語ることができません。

汝陽じょよう王妃に届けた神像の中に自分の切り札となる証拠を隠しているでしょうか?

 

凌益リン・イーが確かに孤城の黒幕だと物語る証拠が入っていればいいですね。

霍無傷フオ・ウーシャンの証言以外にも物証があれば、左御史中丞ズオぎょしちゅうじょうも黙らせることができるはずです。

 

淳于チュンユー氏は女媧じょか様に祈りを捧げていました。

女媧じょかという名前は神様が出てくるドラマに良く出てくる気がしていて(神器の名前になっていたりしますよね)この機会に調べたところ、「古代中国神話に登場する人類を創造したとされる女神。」だそうです。なるほど。

 

 

 

ついに、孤城で何があったのか、どうして霍無傷フオ・ウーシャン凌不疑リン・ブーイーと名を偽り生きてきたのか語られました。待ちに待った真相告白。演技もすごかったです。

衣を交換したことで、本物の凌不疑リン・ブーイーは自分と間違われ●されてしまい、フオ家の者は凌益リン・イーに狙われると思い凌不疑リン・ブーイーの名を使って生きてきたということでした。

 

凌益リン・イー彭坤ボン・クンれい帝と通じていたんですね。

孤城に援軍が来ないよう仕向け、投降するよう霍翀フオ・チョンを説得していた凌益リン・イーですが、霍翀フオ・チョンが説得に応じないため葬りました。

家族は助けると言われていたらしい凌益リン・イーフオ家の人達も助かると思っていましたが、彭坤ボン・クンは敵討ちを恐れフオ家を全滅させることにしました。

 

父親の最期を目撃し、一族全滅を知った。

そんな中 精神的に参ってしまっている霍君華フオ・ジュンホワと2年がかりで都に戻り、凌益リン・イーへの復讐を誓って15年生きてきた。

予想していた通り、合法的に敵討ちをできなくなったため暴挙に出たということも語られました。

壮絶です。

四娘子しじょうしに出会い時々ラブコメしてたのが息抜きになってたらいいです。

 

孤城の件が明らかにされ、凌不疑リン・ブーイーも本当の自分の名前を皇帝に告白しました。

あと残り6話。

いよいよ寂しくなってまいりました。

 

次回51話のタイトルは「それぞれの区切り」52話は「歳月を経て」です。

この感じですと、凌不疑リン・ブーイー四娘子しじょうしは いったん別れてしまい、数年後愛が再燃する、みたいな感じでしょうか?

 

一旦全部謎が解明されたので、残りは2人の愛の物語になるのでしょうか。

それともまだ「なんだってー!?」な展開がある?

残り少ないですが、最後まで楽しんでいきたいと思います!