星漢燦爛(せいかんさんらん)#49 捨てられし者の矜持 あらすじ

 

 

 

城陽じょうよう侯府に到着した程少商チョン・シャオシャン四娘子しじょうし)は凌不疑リン・ブーイーと対面した。

凌不疑リン・ブーイーなのか霍無傷フオ・ウーシャンなのか四娘子しじょうしが尋ねると、誰であろうと四娘子しじょうしへの心は変わらないという答えが返って来た。

なぜ今日だったのか四娘子しじょうしが問うと、仇は必ず討たねばならないが、明後日成婚してから敵を討てばチョン家に危害が加わるからだと言った。

 

城陽じょうよう侯府はズオ将軍率いる軍に囲まれ、退路は断たれた。

凌不疑リン・ブーイーは、罪は命で償うと言い、四娘子しじょうしに決別を告げた。

 

ズオ将軍は静止命令を聞かない凌不疑リン・ブーイーに容赦なく攻撃を放った。

四娘子しじょうしは馬を駆り凌不疑リン・ブーイーを乗せて逃げた。

しかし崖淵に追い詰められてしまった。

 

四娘子しじょうしまで自分の選んだ道に同行させられないと、凌不疑リン・ブーイーは言った。

四娘子しじょうしは、歯形を付け生死を共にする誓いをしたはずだと答えた。

愛を知らない凌不疑リン・ブーイーに愛も家族も与える、恨みを捨て私のことを考えて欲しいと四娘子しじょうしは頼んだ。

 

孤城のことは、自分にとっては単なる悲劇ではない、自ら目撃し家族を奪われた恨みはあまりにも深くこの先も捨てきれないと言うと、凌不疑リン・ブーイー四娘子しじょうしに謝った。

 

ズオ将軍は四娘子しじょうしもろとも殺すよう命を出した。

自分が死ねば四娘子しじょうしチョン家も守れると言うと、凌不疑リン・ブーイーは崖に飛び込んだ。

 

四娘子しじょうしは意識を失った。

 

四娘子しじょうしには曲陵候きょくりょうこう府での軟禁が命じられた。

看病されたが、四娘子しじょうしの意識は戻らなかった。

 

凌不疑リン・ブーイーは、父殺し、兵の動員、虎符こふの使用という罪を犯した。

朝廷では死罪にすべしと、重臣18名が連名で弾劾した。

 

三皇子は、曲陵候きょくりょうこう府にやってきた。

凌不疑リン・ブーイーを助けるため四娘子しじょうしの力を借りようと迎えに来たのだ。

目覚めた四娘子しじょうしは、三皇子に同行した。

四娘子しじょうしは、もともと参内するつもりだったのだ。

 

四娘子しじょうしは三皇子と共に宮中に向かいながら、いつから凌不疑リン・ブーイー良朋りょうほうだったのか尋ねた。

雁回がんかい塔で話していた声の主は、三皇子と凌不疑だろうとも言った。

三皇子は認め、池に落とされた凌不疑リン・ブーイーを助けたのも太子ではなく自分だったと話した。

 

幼いころから手を組んでいたのか、と四娘子しじょうしが尋ねると、三皇子は否定した。

雁回がんかい塔では小越しょうユエ侯が凌不疑リン・ブーイーに補佐を勧めたが、凌不疑リン・ブーイーは断った。

 

四娘子しじょうし凌不疑リン・ブーイーを看病中、彼が胸に四娘子しじょうし玉佩ぎょくはいを付けているのに気づいた。

雁回がんかい塔でなくした玉佩ぎょくはいだった。

それで四娘子しじょうしは、あの時3人いたことに気づいたのだった。

その3人目こそ凌不疑リン・ブーイーだったことにも。

 

三皇子は四娘子しじょうしの安全のため言わなかったのだとフォローした。

 

凌不疑リン・ブーイーは太子の虎符こふを使い兵を動員したので、太子の立場も危うい。

三皇子の願いが叶うと四娘子しじょうしは言った。

三皇子は、凌不疑リン・ブーイーが意図したことではないと言ったが、四娘子しじょうしは結果がどうなったかを重視していた。

 

凌不疑リン・ブーイーを助けられるか三皇子に尋ねられた四娘子しじょうしは、凌不疑リン・ブーイーが死ねば自分も命を捨てると答えた。

 

四娘子しじょうしの冷静沈着ぶりを、三皇子は指摘した。

 

女だからと夫が何者かも知らず蚊帳の外に置かれて、夫が死んだら後を追わされていいはずはない。

凌不疑リン・ブーイーのしようとしていることに気付いた四娘子しじょうしは、凌不疑リン・ブーイーが言ってくれるのを待っていた。

言ってくれないことに憤っていた。

 

しかし今 憤ったり恨んだりしていれば薄情で身勝手だと思われる。

真心には真心を返し、命には命で報う。

覚悟はできているから冷静なのだと四娘子しじょうしは言った。

 

崔祐ツイ・ヨウ凌不疑リン・ブーイーに恩情をかけてくれるよう、皇帝に頼んでいた。

左御史中丞ズオぎょしちゅうじょうは、父殺しは天が許さぬと主張していた。

 

三皇子と四娘子しじょうしが到着した。

四娘子しじょうしは父殺しではないと主張した。

皇帝は四娘子しじょうしの発言に興味を持ち、語らせた。

 

四娘子しじょうしは、凌不疑リン・ブーイー霍無傷フオ・ウーシャンだと、本人から聞いたと発言した。

そして凌益リン・イーを討ったのは孤城の黒幕だからだと説明した。

 

霍君華フオ・ジュンホワは臨終の際、「阿狸アーリーや、母もそこへ行くわ」と言っていたことを崔祐ツイ・ヨウは思い出した。

 

凌益リン・イーの罪も、自分が誰の子かも証明できない凌不疑リン・ブーイーは、仕方なく暴挙に出たのだと四娘子しじょうしは言った。

しかし左御史中丞ズオぎょしちゅうじょうは、証拠を求めた。

 

すると皇帝が、霍無傷フオ・ウーシャンかどうか証明する方法があると言った。

皇帝は、霍無傷フオ・ウーシャンの背中にある変わった痣のことを覚えていた。

四娘子しじょうしは、耳が3つある虎の形の痣ではないかと尋ねた。

その発言を聞き、凌不疑リン・ブーイーが本当は霍無傷フオ・ウーシャンだと確信した皇帝は、崖の下を捜索し霍無傷フオ・ウーシャンを救うよう命を出した。

 

左御史中丞ズオぎょしちゅうじょう虎符こふの使用についても訴えたが、皇帝はもう聞く耳を持たなかった。

 

ズオ将軍は、投降を勧めることなく攻撃を命じた。

だから凌不疑リン・ブーイーは飛び降りた。

四娘子しじょうしは、凌不疑リン・ブーイーの命を狙う者に気を付けて欲しいと、捜索に向かう三皇子に頼んだ。

 

凌不疑リン・ブーイーは、崖の途中で命を保っていた。

腕に巻きついた少商しょうしょうの弦(?)が木に引っ掛かったのだった。

 

 

 

 

 

感想

 

成婚すれば四娘子しじょうしを巻き込むことになるからと、凌不疑リン・ブーイーは成婚2日前に決行したことを語りました。

たとえ生き残ったとしても、罪は命で償う覚悟を最初からしていたんですね。

前回、婚礼道具を持って長秋ちょうしゅう宮を出立する四娘子しじょうしに会いに行ったのは、今生の別れのつもりだったんですね。

 

ズオ将軍に囲まれ、静止を命じられているのに動き続けたのも、命を捨てるつもりだったから。

しかしそんな凌不疑リン・ブーイーを、馬で駆けつけた四娘子しじょうしが連れて行きました。

9話ではかなりぎこちなかった乗馬も、怪我人を腕1本でさらって行けるくらいの腕前になっている。

 

孤城の件が、ずっと15年前のままなので、ドラマ内時間は、1話からまだ1年経ってないんですよね、多分。

そう考えると、四娘子しじょうしの成長ぶりがすごいです。

四娘子しじょうしは頭がいいだけでなく運動神経もいいんでしょうね。

 

そんな感じで凌不疑リン・ブーイーを連れて逃げた四娘子しじょうしですが、ズオ将軍が追いかけてきて、追い詰められてしまいました。

背後は崖です。

 

四娘子しじょうしは ”恨みより私のことを考えて”と言いましたが、凌不疑リン・ブーイーはこの先も恨みを捨てることはできないと言い、ズオ将軍が四娘子しじょうしがいることも構わず攻撃しようとしたため、崖に飛び込んでしまいました。

 

見ていて驚きはしましたが、割と冷静な自分がいました。

中国ドラマにだんだん慣れてきて、これくらいでヒーローは死なないということを経験上予想できたからです(笑)

 

三皇子が凌不疑リン・ブーイーを助けて欲しいと、曲陵候きょくりょうこう府に四娘子しじょうしを迎えに来ました。

そこで語られたことに、驚きましたよー!

 

凌不疑リン・ブーイーは三皇子派だった!?

凌不疑リン・ブーイー雁回がんかい塔で廃太子について話し合っていた一味の仲間だった!?

しかも三皇子もあの場にいた!

 

三皇子は凌不疑リン・ブーイーは断ったと言っていましたが、企みを知っていて黙っていたのは確かですもんね。

それに凌益リン・イーを誅するに際し、太子の虎符こふを使って最後に三皇子に太子の座をプレゼントしようとしたらしいことも語られ、まじか、となりました。

 

四娘子しじょうしがどうして気づいたかというと、看病した凌不疑リン・ブーイーの胸に四娘子しじょうし玉佩ぎょくはいがかかっていたからでした。

 

雁回がんかい塔の話は、22話でした。

皇帝主催の祭典に参加した四娘子しじょうしは、馬で抜け出し雁回がんかい塔に立ち寄りました。

そこで廃太子について話し合っている声を聞いてしまった四娘子しじょうしは、逃げようとしました。

 

その時、玉佩ぎょくはいをひっかけて落とし、玉佩ぎょくはいは2つに割れてしまいました。

物音に気付き、上から話し合っていた2人が下りてきて、四娘子しじょうし玉佩ぎょくはいを拾わずに逃げました。

途中で会った凌不疑リン・ブーイーが、屋根にぶら下がり四娘子しじょうしを匿ってくれました。

凌不疑リン・ブーイーは、聞いた話を忘れるよう言いました。

 

あの時は、凌不疑リン・ブーイーは廃太子の件を内偵中で、ターゲットの話を盗み聞きしていた所に四娘子しじょうしが来たのだろうと思いましたし、話を忘れるよう言ったのも四娘子しじょうしが巻き込まれないようにそう言ったのだと思いましたが、本当は違ったんですね。

 

もちろん、四娘子しじょうしを巻き込みたくないという理由はあったと思いますが、凌不疑リン・ブーイーは内偵していたわけではなく、忘れるよう言ったのも、凌不疑リン・ブーイーも三皇子側(ではないかもしれませんが、少なくとも三皇子を告発するつもりはない)だったからなんですね。

 

うわぁ。

前回と今回とで、見え方が変わることが多すぎました。

 

凌不疑リン・ブーイーは割れた玉佩ぎょくはいの片割れを、あの時持っていました。

”もう一方の片割れをあの2人が持っていたら四娘子しじょうしにたどり着く”と、凌不疑は四娘子しじょうしを脅しました。

 

凌不疑リン・ブーイー四娘子しじょうしと一緒に祭典の場に戻ったので、雁回がんかい塔に片割れを探しに戻ってはいません。

けれど、凌不疑リン・ブーイーの胸には、2つに割れたはずの玉佩ぎょくはいが、修復された状態でかかっていました。

 

廃太子について話し合っていた人たちが拾っただろう片割れを、凌不疑リン・ブーイーが持っていた。

つまり、凌不疑リン・ブーイーと廃太子について話していた人たちはグルだった。

四娘子しじょうしの推理はこうでした。

三皇子は、表面上不仲だが実は不仲ではないことを認めました。

 

今回のタイトル、「捨てられし者の矜持」これが、難解でした!

『「捨てられし者の矜持」とは何か、200字以内で説明しなさい。』この国語の問題が、難しすぎました。

 

まず、捨てられし者が四娘子しじょうしを指すことは確かだと思います。

簫元漪シャオ・ユエンイーは、四娘子しじょうしは捨てられたのだから凌不疑リン・ブーイーを助ける義理はない、みたいなことを言って三皇子を追い返そうとしていましたもんね。

 

では、四娘子しじょうしの矜持とは何かと言うと、それは三皇子に冷静さを指摘された後に語った部分だと思います。

 

あらすじを書くにあたり、あの部分を何度も観ました。

でも、うまくまとめられませんでした。

というか、どういう意味か良く分かりませんでした。

 

四娘子しじょうし凌不疑リン・ブーイーが●んだら自分も命を捨てると言っているのに、そうかと思えば「決して誰かと生死を共にするわけじゃない」と言ったり最後には、”凌不疑リン・ブーイーは最も好きな人だけど私は私”と言ったりしていたからです。

どういうこと!?となりました。

 

が、感想を書きながら整理していて、こういうことかもしれないと、1つ思いつきました。

 

四娘子しじょうし凌不疑リン・ブーイーが●んだら自分も死ぬと決意しているけれど、それは女は夫の後を追うものだから、だから凌不疑リン・ブーイーが●ねば自分も死ぬのだとか、そういう意味ではなくて、四娘子しじょうし四娘子しじょうしとして決意したことことだ、と言っているのかもしれないと思いました。

死を恐れていないのは、自分で決めたことだから。

 

「決して誰かと生死を共にするわけじゃない」というのも、決めるのは自分だという意味なのかな、と思いました。

…が難しすぎて分かりません。

 

到着した場所では、凌不疑リン・ブーイーの処遇をどうするかが語られていました。

崔祐ツイ・ヨウ凌不疑リン・ブーイーを庇い、袁善見ユエン・シャンジエン凌不疑リン・ブーイーに寄り添ってくれてました。

けれど左御史中丞ズオぎょしちゅうじょうはこの機会に恨みを晴らす気満々でした。

 

どうやらポイントは、凌益リン・イーは父親かどうか、ということのようでした。

父親をやってしまうのは、本当にダメなことのようです。

儒教の国だからでしょうか。

日本も尊属殺重罰規定(刑法200条)ありましたもんね。

 

そんな中、四娘子しじょうしは主張しました。

凌不疑リン・ブーイー霍無傷フオ・ウーシャンだから凌益リン・イーの息子ではない。

凌不疑リン・ブーイーから直接聞いたと嘘をつきました。

 

崔祐ツイ・ヨウ霍君華フオ・ジュンホワの臨終のときのことを思い出し、四娘子しじょうしの話を信じました。

ただ、証明することはできません。

本人はいませんし、凌不疑リン・ブーイーもそれを証明する手段がないから暴挙に出たわけです。

 

しかし、なんと皇帝ご本人が、霍無傷フオ・ウーシャンの特徴的な痣を覚えていました。

それは四娘子しじょうしの語るものと一致し、皇帝自らが凌不疑リン・ブーイーが本当は霍無傷フオ・ウーシャンだと証明してくれました。

これにより、凌不疑リン・ブーイーの父●しの疑いは晴れ、助けるために捜索部隊が派遣されることになりました。

 

凌不疑リン・ブーイーには父●し、兵の動員、虎符こふを使ったことという3つの罪があり、凌益リン・イーが父でなかったとしても他の2つの罪は消えない、そう考えた左御史中丞ズオぎょしちゅうじょうは訴えを続けようとしましたが、皇帝はもう取り合いませんでした。

 

凌不疑リン・ブーイー霍無傷フオ・ウーシャン)は、助かることになりそうですね、良かった!

 

凌不疑リン・ブーイーは無事でした。

崖の途中で木に少商しょうしょうの弦が巻き付いて下まで落ちなかったようです。

 

12話で四娘子しじょうしは、凌不疑リン・ブーイーに刺さった矢じりを抜くのに少商しょうしょうの弦(四娘子しじょうしの名前の由来)を使いました。

あの時、凌不疑リン・ブーイーは血まみれになった少商しょうしょうの弦を拾っていました。

あれを自分の手に巻き付けお守りにしていたんですね。

 

その弦が凌不疑リン・ブーイーの命を救った。

つまり、凌不疑リン・ブーイー四娘子しじょうしを想う気持ちが凌不疑リン・ブーイーを救った、ということだと思います。

12話を見た当時は、凌不疑リン・ブーイー少商しょうしょうの弦を拾ったことにも気づいてなかった気がしますが(気付け)、見返してきたら熱かったです。

 

しかし、あんなところにいるのを、捜索隊はどうやって助けるの!?

逆に助けられなくない?とちょっと思ってしまいました。

上からぶら下がったりするんでしょうか。

助ける人も大変ですね。

 

先週見終わった時には、淳于チュンユー氏が証言してくれなきゃどうにもならないんじゃ?と思い、すごく心配していたのですが、凌不疑リン・ブーイーが助かることになりそうで本当に良かったです。

安心して次話を見てきます。